アンテナ【深い 深い 青】
アンテナ「深い 深い 青」Music Video(edited version)
今年4月に活動休止に入った仙台出身の4ピースバンド・アンテナがめでたく活動再開するという吉報が届き、その翌日から来年1月にリリースされるニューアルバム『深い 深い 青』のタイトルトラックが配信開始され、1週間後にそのミュージックビデオがアップされました。
アンテナの音楽は元来、ポップだけれど、ポップのなかに相反するようないろんな気持ちが込められていたと思います。それはつらいのに「つらくない」と言ってみたり、怒っているけど「怒ってない」と言っているようなニュアンスに近く、その強がり的なひねくれ加減がどうにもいびつで、それも含めてキュートだな、と思っていました。だけどこの【深い 深い 青】という曲は、ソングライターである渡辺 諒さんの公式コメントの言葉を借りると「アンテナとしての活動再開が出来ることへの未来へ繋がるような清々しい青と、それまでに感じていた活動休止での不安と、これから共存する不安の青」という、ふたつの相反する青を感じさせるものでした。それはひねくれ感から生まれた相反というよりは、弱い部分を明るみにした、素直な相反がポップに昇華されているものなのではないでしょうか。
わたしはアンテナとお仕事をしたことがなければ、原稿を書いたこともなく、お会いしたこともなく、ライヴも観たことがなくて、インタヴューも読んだことがなく、熱心にSNSを追っていたわけでもなく、ご担当者さんと縁があるわけでもなく……ただただ平熱で音楽だけを聴いてきて、いつかインタヴューしたいな、とぼんやり思っていた人間です。ゆえに彼らがどんな方々なのかはまったくわからないけれど、そんな人間でもこの休止期間が彼らにとって有意義だったことが【深い 深い 青】からは明白でした。だからこそもっとこのバンドのことを知りたいと思いました。
【深い 深い 青】のMVも様々な「青」があって、屋外のシーンも透き通るような青空でないからこそ、メンバーが持つ「青」の部分を映し出している印象がありました。無理して笑わなくてもいい、だからといって笑うのを拒まなくてもいい。いまある自分の気持ちをそのまま受け入れればいいと言ってくれているようでした。
アンテナはきっと、進むべき道を見つけたんじゃないかな、なんて思いました。だからこそ長々語るより、この一言がいいんじゃないかなと思うのです。「おかえりなさい」。(沖 さやこ)
◆Release Information
2nd mini Album「深い 深い 青」
2019年1月23日(水)発売 TECB-1008 ¥2,037+税
◆Spotify
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