Kele 【Closer】
Bloc Partyのフロントマン、Kele Okerekeが「Kele」名義で10月にリリースしたソロ・アルバム『Trick』から。光と影が印象的な映像……なんだけど、光と影の割合が1：9というくらい影の多い映像なので、これは部屋を真っ暗にして映像をディスプレイいっぱいにして見るのをおすすめします。映像はデジタル処理もあり、普通の照明もありで、現実のなかに非現実的な歪みが存在するようなテイスト。影というものの存在感は光があるからこそだけど、光を際立たせるのは闇で、闇と影の境目とは何か？ 影には何かが宿っているのか？ などなど、なんだか闇～影～光という普段の生活の当たり前についてもいろいろ考えたり。普段何気なく過ごしている世界でも自分次第で面白くなるんだよなあ、なんて思ったりしました。アルバムは国内盤のリリースがないのが残念ですがエレクトロニカ＆女性ヴォーカルの交錯がとてもいいです。Keleの声の良さも再確認。ちょっとハウスのテイストもあって、かなりアーバンな空気があります。目を閉じるとニューヨークや東京を軽やかにドライヴするような風景が広がる心地よさです。（沖 さやこ）
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・Trick
