生まれた場所に何かを返したい――cinema staff 三島想平が語るDIYな自主企画フェス「OOPARTS」の未来(後編)
悩みは尽きないけど、いまはすべてを建設的に考えられている
――では最後に、cinema staffの2014年と2015年について伺いたいと思います。まず2014年はcinema staffにとってどんな年でしたか?
最高の年だったと思います。まず1月のSHIBUYA-AXワンマンを「成功した!」と思えたのが、「ミュージシャンとして食えている」という活動の自信になって。4月にリリースした『Drums,Bass,2(to) Guitars』のツアーも、凝ったことを考えて、演出面の強化もできたので「プロだ!」というモードでライヴをやれたのは自分にとってでかかったですね。ちょっと「エンターテイナー」として一歩成長できたと思います。ただがむしゃらにやっていくというよりは、「ミュージシャンとして」「プロとして」という意識がだいぶできました。……と言いつつお酒の量が増えてるのは自分でもどうかと思うんですけど(笑)。
――(笑)。
それと同時に、「今後どういうふうに続けていくか」「どうやったら長くバンド活動をしていけるか」ということも、冷静に客観的に見ることができるようになった年だと思います。悩みは尽きませんけど、いまはすべてを建設的に考えられています。
――確かに。cinema staffの2014年は、2013年で打ち立てたモードを更に確かなものにした1年だったと思います。
『Drums,Bass,2(to) Guitars』は、前作の『望郷』みたいに自分の内なる想いを吐き出すようなアルバムではなくて、みんなで「どうしよう?」と作業をして、「いいアルバムになったね!」という感触があったんです。だから「三島個人の表現」としてだけいえば、あのアルバムがいいものなのかはちょっとわからないです。でもバンドの表現としてはあれがベストだなと。メンバー全員が「このモードだと楽しいし、バンドでご飯がしっかり食べられるものになる」と思えたんですよね。
――『望郷』は本当に大作なので、「次のフルアルバムはこれをどう超えるんだろう?」と思ったんですよね。それで『Drums,Bass,2(to) Guitars』を聴いたら、『望郷』とは違うベクトルのもので最高水準のものを作り上げていたので、「なるほど、こうきたか」と。そういうことができるバンドになったんだという感慨はありました。
最初僕は『望郷』の次にどうしたらいいのかわからなかったんです。だからそれをメンバーが補ってくれた感がすごくあって。それに最初「なんで好きにやらしてくれないんだよ」といらいらしてたんですけど(笑)、「また『望郷』みたいなものを作ってもしょうがないな」と開き直れたので。それがすごく良かったと思います。
――こういう方法もありなんだな、と受け入れられたんですね。
そうですね。それが僕のなかで1個消化できたこと。だから最近は「なんで自分にやらせてくれないんだ」みたいな気持ちはなくなりましたね。
――次回作は「ドラマチックなものにしたい」とブログに書いてらっしゃいましたが、そちらはいかがですか?
実は半分くらいもうできていて。ドラマチックというか、『Drums,Bass,2(to) Guitars』よりはメッセージのあるものになるんじゃないかな。でもテンションは維持したまま、というものにできればと思っていますね。『望郷』と『Drums,Bass,2(to) Guitars』で培ったもののいいとこどりみたいな作品にできたらと。
――2014年はメンバー個々の活動も盛んで、クリエイティヴだったと思うので、それがいい作用を起こす作品になりそうですね。
僕らはcinema staffの活動以外でも個々にいろんなことをやらせてもらえる環境にあるので、本当にありがたいです。ずっと4人で制作制作……だと凝り固まっちゃうので、それ以外の仕事があるとだいぶ気持ちが楽になるんです。頭を切り替えることもできるし。だからこの環境は、これからも変わらないでほしいな(笑)。
OOPARTS2014 ENDING movie「2014」
cinema staff
飯田瑞規(Vo/Gt)、辻 友貴(Gt)、三島想平(Ba)、久野洋平(Dr)からなる4人組ロックバンド。2003年に飯田、三島、辻が前身バンドを結成し、2006年に久野が加入して現在の編成となる。愛知・岐阜を拠点にしたライヴ活動を経て、2008年11月に1stミニアルバム『document』を残響recordからリリース。アグレッシブなギターサウンドを前面に打ち出したバンドアンサンブルと、繊細かつメロディアスなヴォーカルで着実に人気を高めていく。2012年6月にメジャーデビュー作となる『into the green』をポニーキャニオンより発表。2013年8月、テレビアニメ「進撃の巨人」後期エンディングテーマを含むシングル『great escape』がスマッシュヒットを記録。同曲を含むニューアルバム『Drums,Bass,2(to)Guitars』を2014年4月にリリースした。
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・Drums,Bass,2(to)Guitars (初回限定盤 CD+DVD)
・Drums,Bass,2(to)Guitars (通常盤)
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「two strike to(2) night 〜2015開幕版〜」
◎2015.02/25(wed) 梅田CLUB QUATTRO w/アルカラ
◎2015.02/26(thu) 名古屋CLUB QUATTRO w/パスピエ
◎2015.03/04(wed) 渋谷CLUB QUATTRO w/KEYTALK
◎2015.03/05(thu) 渋谷CLUB QUATTRO w/POLYSICS
「MEZAME ROCKS supported by ロックの夜明け vol.14」
◎2015.02/19(thu) 2.5Dスタジオ ※TALK/LIVE
Live:cinema staff / ゆるめるモ!
MC:マシータ(ex-BEAT CRUSADERS / ex-NATSUMEN / Hermann H. & The Pacemakers / 後藤まりこ / 黒木渚 etc)ゆるめるモ! / アリスムカイデ
Guest:cinema staff
徳島の秘境・祖谷の温泉宿を貸切り、繰り広げる屋内フェス
「GOODNESS team presents “GOODNESS onsen #1」
◎2015.02/28(sat) 徳島県・ホテル秘境の湯
出演:スチャダラパー / toe / cinema staff / 忘れちゃいなよバド部(世武裕子×福岡晃子 fromチャットモンチー) /
THEラブ人間 / NINGEN OK / 雑魚猫タワー
※詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください