Utopia League【Lucky boy & Lucky girl】【Beer】

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【松本花奈監督】Utopia League「Lucky boy & Lucky girl」「Beer」【予告】

読者さんやアーティストさんからおすすめしていただいたMVを毎日紹介する「紹介されたMV紹介チャレンジ」DAY25は、た!か!は!し!さんからおすすめしていただいたUtopia LeagueのMVです。おすすめしていただいたのは【Beer】なのですが、調べたところ【Lucky boy & Lucky girl】のMVとセットになっているようなので併せてご紹介します。

監督は松本花奈さん。1998年生まれの現役大学生で、女監督として映画やドラマ、MVなどを数多く手がけてらっしゃるだけでなく、女優さんとしての経歴も持ってらっしゃる、まさにマルチクリエイター。the peggiesの北澤ゆうほさんが主演を務めた『脱脱脱脱17』を手掛けた方でもあります。

【Lucky boy & Lucky girl】と【Beer】のMVでは、小河原義経さん演じる男子高校生・ユウスケと、真広佳奈さん演じる謎めいたセーラー服の少女・リコの、一期一会の恋物語を描いています。【Lucky boy & Lucky girl】のMVの世界観をより深く、異なる角度で見つめたショートフィルムが【Beer】のMVです。同じシーンも多数出てきますので、【Beer】のMVでいろいろと答え合わせができるかと思います。


【松本花奈監督×Utopia League】Music Movie「Beer」

一面に広がる青々とした田園風景と、けたたましく鳴く蝉の声。ユウスケは高校をエスケープして、自分の住む街を抜け出そうと東京に向かう電車を待っていました。すると自分の好きな音楽が微かに聞こえてきます。その音の方角を見ると、イヤホンをしたリコの姿が。その視線に気づいたリコはユウスケに「この曲知ってるの?」話しかけます。そこから少し会話をし、リコは「新しい物語の第1章がもうすぐ始まるよ。この曲が終わるまでが第1章」と言いユウスケの耳にそのイヤホンを差し込みます。彼女たちの第1章の結末とは――? というのが簡単なあらすじです。

演出におけるストーリーの描き方はどちらかというと抽象的で、理論脳で観ていると「この描写はどことリンクしているの?」と思うかもしれませんので、思考はカットして感覚でご覧になっていただくとより楽しめるかと思います。青春が持つ辻褄の合わない興奮や感覚で、静かに逞しく駆け抜ける演出は、なんだかまるで歌詞が紡がれていくのと似ています。遠い記憶になってしまった淡い恋すらも思い出させるのではないでしょうか。

ロケ地は茨城県との県境の近くにある十二橋駅。ああいう風景って、なぜ田舎に育っていなくてもノスタルジーを感じてしまうんでしょうね。田んぼ道を高校生が歩いているだけで美しい。でも東京の街を遊びまわる高校生も美しい。若さに宿る刹那的な空気感と圧倒的な華やかさ、そしてひりついた感傷性というのもは、本当にその時にしか放てないとっておきなんだなとつくづく思います。

MVそれぞれの概要欄に、ヴォーカル・アベマサヤさんによるセルフライナーノーツが載っています。小説のように気高く、あのしゃがれた歌声のように生々しい文章。一度【Beer】のショートフィルムをご覧になったあと、ぜひ目を通してみてください。またショートフィルムを観たときに、見える世界が変わります。

隅から隅まで「映画の世界観をライブハウスへ」というバンドのコンセプトに違わないクオリティです。た!か!は!し!さん、おすすめありがとうございました!(沖 さやこ)

 

◆Artist on Spotify

Artist page – Utopia League

◆Artist Information
https://www.utopialeague.com/
https://twitter.com/utopialeague

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