LUNKHEAD－10th ANNIVERSARY『一世一代のみかん祭』密着レポート
12時30分頃に楽屋へお邪魔すると、まず小高さんが「おー！ よろしく～」と笑顔で迎えてくれた。髪色が緑からショッキングピンクになった合田さんに頭の怪我の具合について訊くと、「大丈夫ですよー」と笑顔。まだ半年は病院通いが続くが、かさぶたはすべて取れているので髪も染め直すことができたようだ。蛍光色のVネックTシャツに皮ジャンを羽織り、金色の靴を履いた合田さんに「おしゃれは足元から！ 沖さんもそんな黒いブーツなんて履いてちゃだめですよ」とファッションの駄目出しをされてしまった。壮さんは長ソファーに座って煙草を吸うなどリラックスムード。桜井さんはドラムのセッティングでステージと楽屋を行ったり来たりし、それが落ち着くと小高さんが考案し、会場でも販売するフードメニューの「帰ってきたもやしごはん2015」を「うまい！」と大絶賛（プラス100円で大盛りにしてもらったらしい）。Ustream配信や動画コメントで見せるような、いつも通りの和やかな空気だ。
小高さんに4人の身体の調子を訊ねると、「俺が2日前に風邪引いちゃって。でも薬飲めば治る体質だから」と、掛かりつけの病院で出してもらった薬で、何とかこの日を本調子に持ってきたとのこと。この日から【うちにかえろう】の配信がスタートし、iPhoneを片手にTwitterを見ながら「すごく評判がいい」と満足気。【シンフォニア】同様、どんどん高まるメロディの美しさに感動した旨を伝えると、ちょっと照れ笑いをして「メロディアスすぎるからLUNKHEADっぽくないんじゃないかなあと思って、自分のソロ用に取っておこうと思ったんよ。でもメンバーが気に入っちゃって。おまけに徳間のスタッフも歌詞が出来る前から“これをリードにしたい”と言ってて。俺は“え～？”って思っとったんやけど（笑）、歌詞が書けてから俺も“リードでいいかな”と思ったなあ」。彼は真面目な話だけでなく、ふざけた話や他愛のない話も、とても丁寧に答えてくれる。ひねくれているが、相変わらず純粋で素直でかわいらしい人だ。
13時からリハ。スチーム吸入器で喉を整えていた小高さんは「時間ない。プロジェクターのチェックもしたいし」と慌ただしくステージへ向かう。この日のライヴは2部制。間にはLUNKHEADの元メンバーで、現在はザ・チャレンジで活躍中の石川龍さんによる30分のDJタイムが入る。第1部は2007年にリリースされた4thアルバム『FORCE』までの楽曲で構成されたセットリストで、第2部はそれ以降の楽曲が連なる。リハの段階でも4人のグルーヴはかなりいい。
会場の外の様子を見に行くと、バンドにまつわる豪華景品がもらえる「みかんくじ」を引くお客さん、フードエリアで体をあたためるお客さんの姿が見える。この日は合田さん考案の「一世一代のみかんスカッシュ！！！」が販売されたり、写真撮影のできる合田さんの等身大パネルや、寄せ書きができる金色のだるまなど、隅々にまで観客を楽しむ仕掛けがあった。「帰ってきたもやしごはん2015」は大人気。わたしもその行列に並び購入してみた。美味しかっただけでなく、思いのほかボリュームたっぷりだったので大満足。【うちにかえろう】風に言うならば、あたたかい湯気に頬をそめた。
再びリハの様子を見に行く。PA卓付近に現れた龍さんが、第2部の1曲目であるLUNKHEADの高校時代のオリジナル曲【美しい人】をリクエストし、ステージ上の小高さんとDJから第2部への切り替えのタイミングを打ち合わせする。14時40分にようやくリハを終え、メンバーは休む間もなくファンとのチェキ撮影会へ。桜井さんがお客さんをひとりひとりいじり、笑わせるなどして場を盛り上げていた。
総勢50人との撮影会を終え、とうとう開場の15時。楽屋に戻ったメンバーはスタッフと他愛のない話で笑い、小高さんはその話の最中に何度もボビーさんの名前を出していた。ボビーさんとはLUNKHEADの事務所「直球」を設立した初代社長のボビー湯浅氏のことで、2012年夏に急逝している。小高さんと話していると「ボビーがこうゆうてた」「ボビーがめっちゃ好きで」という話題はしょっちゅう。わたしはボビーさんとお会いしたことはないのだが、小高さんと話すたびにボビーさんと話せているような気さえしてしまう。
>>緊張の本番直前、初期のレア曲から定番曲までを網羅する第1部
