コントユニット・モノスグランデ小山耕太郎の「コラマず」第9回 ~ここのつの難~

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コントユニット・モノスグランデ小山耕太郎の「コラマず」
第9回「ここのつの難」

 

今回のお題は、9回目ということでぼくにとって大事な”9曲”について。幼少期、母が唄ってくれた子守唄の1番から9番ですと言えば、僕の好感度も上がるのでしょうが違います。まず9番まである子守唄なんてものは9番までに寝ていない時点で機能していないのです。

まず1曲目は、THE BLUE HEARTSさんの【月の爆撃機】。これはとにかくこのフレーズが僕の信条にバチっとハマったのです。

〈いつでも真っ直ぐ歩けるか 湖にドボンかもしれないぜ だれかに相談してみても 僕らの行く道は変わらない〉

とにかくストレートにカッコいいこの曲は、刺さると抜けない良さがあります。ぼくはたまにこの歌詞を思い出しては、そうだよなぁ。なんて一人で納得しているのです。僕が鳥人間コンテストに出場したら飛んでる間流して欲しいです。

2曲目は、中島みゆきさんの【ファイト】
これも歌詞中のフレーズが僕の弱い心を少し強くしてくれます。

〈ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう ファイト! 冷たい水の中をふるえながらのぼってゆけ〉

自分の貫き通すべきものがわからなくなってしまったときに、その迷いを振りほどく時のテーマといった感じです。僕が崖から落ちそうになり、必死に岩にしがみついているときに流して欲しいです。あと助けて欲しいです。

3曲目は、野狐禅(竹原ピストル)さんの【カモメ】です。歌詞構成としては…

〈空の絵を描いていたつもりが 海みたいになってしまって 開き直ってカモメを描いた〉

がまずあるわけです。そして、これをフリとして僕の好きなフレーズへ進みます。

〈遺書を書いていたつもりが ラブレターみたいになってしまって 丁寧に折りたたんで君に渡した〉

ここがすごく良いのです。本音というのは、何か形にしてみないと実は自分でもわからない。といった感じでしょうか。僕が自分を見失って真っ赤なルージュを引いている時に流して欲しいです。

4曲目は、amazarashiさんの【古いSF映画】です。
この曲は、音楽というものの使い方の幅はここまできたかという感じがしました。これは、歌詞を、読むだけでも一つの面白いストーリーとして成立しているのが特徴です。こういうクリエイティブなものはやっぱり好きです。ざっくり言うと、夜中にやっていたSF映画の内容を語りながらも、現実とSF映画の境目がボヤけてくる感じです。ちゃんとそういう演出がなされているのです。聴き潰すような曲ではありませんが、たまに聴きたくなります。これは、僕がおじいさんになって半分機械になった体でAIBOの散歩をしているときに流したいです。


amazarashi 『古いSF映画』

5曲目は、さだまさしさんの【償い】です。

この曲もストーリーがあるのですが、こちらはリアリティのある人間ドラマと言った感じでしょうか。事故を起こし人の命を奪ってしまった青年が、真面目に働きながら罪を償っていくというストーリーです。これにさだまさしさんの声がまた感情表現豊かに心を揺さぶります。人間模様の描写モデルとしては芯を食ってる素晴らしい曲だと思います。僕の地獄行きが決まったら赤鬼とイヤホンを分け合って聴きたいです。

6曲目は、というかここからは私立恵比寿中学です。仕方がないのです。まずはずせないのが、【I’m your MANAGER!!!】です。これは前山田健一さんが作曲した曲なのですが、Twitterで募集したエビ中扮するマネージャーに応援してほしいことなどを集めて編集して歌詞にしています。そしてなんと、この歌詞のワンフレーズに僕の歌詞を採用していただいたのです。印税がとまりません。ちなみに歌詞は

〈かっこ悪いこと 一生懸命やんの かっこいいなぁ〉

です。ライブでこの歌詞を聴くのが本当に気持ち良いです。大好きな人に自分で考えた歌詞を歌ってもらえるのはもう一生ない経験でしょう。これは僕が鼻眼鏡に蝶ネクタイで真面目に石炭を運んでいるときに流してほしいです。

7曲目は、私立恵比寿中学【踊るガリ勉中学生です。これは、初めて聞いたとき何故か泣いてしまった曲です。すごくPOPでノリの良い、ライブでも盛り上がる曲なのですが歌詞とエビ中メンバーの性格やパフォーマンスにおける信念みたいなものがガッチリとハマっているように思えました。特に僕が好きなフレーズは

〈頑張り方忘れてるクラスメイトたち 要領悪いぼくだけど 君に頑張るお手本を見せるから〉

〈ひたむきさで世界を変えるのが僕の夢〉

〈間違いなんか恐れず 書き殴れ〉

決して自信は無いけれど信念を持ってひたすらに真っ直ぐ進めば、きっと誰かの背中を押すことくらいはできるんじゃないか?という、まさに人見知り集団内弁慶アイドルエビ中にぴったりなのです。この曲は僕が赤門をくぐる瞬間にかけて欲しいです。合格はしていないのですぐ出てきますので、曲もすぐ止めてください。

8曲目は、私立恵比寿中学【大人はわかってくれないです。これは、永遠に中学生を掲げるエビ中にとっては非常に大切な曲です。青春をアイドルとして駆け抜けるエビ中メンバーの周りには様々な大人が生きています。家族、スタッフ、学校の先生、ファン、そして世間の目。そしてこんな歌詞。

〈経験したはずよ 同じ様な時代を 忘れてしまうのは 大人の都合でしょ〉

〈だって泣きそうな顔していたら なんだかんだ心配させるでしょ? 痛くも痒くもないフリして はしゃいでる私たちだから〉

〈ずっとずっと 信じてね ずっとずっと ああ〉

あの煌びやかな世界で生きる彼女たちがファンに笑顔を振りまく為には、裏打ちされた苦労や努力があるのです。でもそれを見せることは彼女たちにはできないのです。それをわかってあげるのが僕らができる唯一の”大人”なのかもしれない! 聞こえるか君達! 僕は急に大声出すぞ! 大人はこんなことしないだろ! この曲は、僕が小学生との草野球で速球をバンバン投げ込んでいるときに流して欲しいです。

さて最後の9曲目。私立恵比寿中学【Dear Dear Dear】。この曲は、ライブで一度だけ披露されています。以前のコラムでも触れた、エビ中の目標であった初の武道館ライブです。このライブは、9人体制〜今の8人体制になる「合同出発式」と称して行われたいわゆる卒業ライブでした。3人が女優の道へすすみ、また2人が新たに加入する、合同出発式。転校する3人を見送る為に【Dear Dear Dear】をサプライズで在校メンバーが歌ったのです。これを聴くと必ず泣いてしまう。そういう意味でわかりやすく大事な曲なんです。

ああ!改めて考えてみると、僕に影響を及ぼしてきた音楽ってたくさんあるんだな。

小山耕太郎

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