ヨイズ 【ともしび】

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ヨイズ – ともしび

ex.赤色のグリッター、佐藤リョウスケさんがフロントマンを務める4ピースバンドの、先月リリースされた1stシングルの表題曲。もともとヨイズは、2018年4月に始動したYOI’Sというリョウスケさんのソロプロジェクトでした。この【ともしび】という曲ができたタイミングで、当時サポートメンバーだったギターのイトウマサカゲさんが「メンバーになりたい」とおっしゃったそうです。そしてめでたく2019年2月、バンドとして動き出すことを発表しました。

結成のいきさつだけでもエモエモのエモだというのに、この【ともしび】がそれに拍車をかける曲です。静かなギターからバンドインするイントロでもう「あ、これは間違いなくいい曲」と思わせる説得力。4人の地に足のついた音色が作り出すロックバラードなんだけど、そこにプログラミング音やピアノの音色が加わることで、よりスケールを増しています。

ミュージックビデオは曇天の空と海をバックにしたメンバーの演奏シーンと、暗闇で歌うリョウスケさんの歌唱シーンで構成されています。右下に表示されている手書きの歌詞を読んでいると、リョウスケさんのエッセイを読んでいるような気がするんだけど、そこからどんどん世界が広がっていって、いろんな主人公が次々現れていくよう。明快な言葉でありながら、いろんな受け取り方ができる、味わい深い歌詞です。〈君の心が冷めないように僕が火を灯すから/熱くなりすぎてしまっても許してくれ〉は、こんなシンプルな言葉でここまでロマンチックなことが言えるのかと感心したし、ラスサビの〈~のです〉という語尾はリョウスケさん節な気もする。そりゃあイトウさんも「メンバーになりたい」って言うよね! ギターの存在感も大きくて、曲に対する愛情や真摯な気持ちがギター一音一音に通っています。

音も言葉もサウンド構成もどこか聴いたことがあるような懐かしさがあって、それは「過去にこんな気持ちになったことがあるな」「こんなことがあったな」と思い出すときの感覚に似ている。ひとりになったリョウスケさんでなきゃ作れない曲であり、バンドが終わってしまっても、それでも音楽を続けてきたメンバーが多いこの4人でないとこんなに勇敢な曲にはならなかったんだろうな。しっかり同じ方向を見て音を鳴らしていることが音源からも伝わってくる。いくらでもバンドに重ねて語ることもできるし、普遍性も持っているという、アンセムではないでしょうか。

はじまりからこんなにクライマックスなんて。ふつうは5年くらいで辿り着く境地なのでは?と思ったけれど、4人全員がこれまでの音楽人生のすべてをこの1曲に投入していると考えると、当然の結果かもしれません。今後どんな曲が生まれていくのか期待値高めで待ちたいところです。c/wは2曲とも【ともしび】と全然違った趣向。美メロ×豊かなコードワーク、洒落たリズム隊&キーボードで構築された【魅惑のGIRL】がおすすめ。(沖 さやこ)


ヨイズ 1st SINGLE 「ともしび」トレーラー

 

◆Release Information
ヨイズ
1stシングル『ともしび』
¥1,000(tax in)
収録曲
1.ともしび
2.嘘ツキ
3.魅惑のGIRL
※ライブ会場、BASE、一部店舗にて発売中

◆Spotify

◆More Information
https://www.yoi-s.com/

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