SHE’S 【Dance With Me】

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SHE’S – Dance With Me【MV】

読者さんやアーティストさんからおすすめしていただいたMVを毎日紹介する「紹介されたMV紹介チャレンジ」DAY 21は、こっちゃんさんからのおすすめで2019年1月に公開されたSHE’SのMV。監督は先日ご紹介したばかりのgo!go!vanillasの【アメイジングレース】のMVの監督も務めている大久保拓朗さんです。

このMVについて、大久保さんがこのような公式コメントを発表しています。

「SNSにハマりすぎて生きてるのに疲れてしまった子が、SHE’Sの曲によって激しく踊って自分を解放していく」というのが、MVのコンセプトです。曲を聴いて多幸感溢れるサウンドだったので、カラフルな映像にしたいなというのが最初にあって、レインボーをテーマに出来たらいいなと思いました。
当初は単純にハッピーなダンスMVみたいな企画だったのですが、メンバーから「現代は、SNSなどによって生きづらい時もあるけど、気楽に生きていこうよ」というメッセージが背景にあると伺って、SNSによって悩み苦しむ女の子を主人公にしたポップなMVにしようとなりました。
そんなSNS中毒になってしまった主人公の女の子を抽象的に現す存在として、レインボーカラーの着ぐるみを着た「レインボーちゃん」を登場させています。
「虹色」のものをSNSにアップすることに命をかけているレインボーちゃんが次第に疲労していってしまい、そんなところをSHE’Sのメンバーが音楽で助け舟を出してあげる、最後はみんなで踊って悩みとかどうでも良くなっちゃう、というストーリーです。

SHE’SのMVはひとりの女優さん、もしくは俳優さんおふたりが主役となったかたちで展開していくものがほとんどなのですが、このMVに登場するのはえりなっちさんが踊る「レインボーちゃん」というモチーフなんですよね。レインボーちゃんは大久保さんのコメントのとおり「SNS中毒になってしまった主人公の女の子を抽象的に現す存在」なので、具体的な人が現れないということは、視聴者がそこに自分を重ねられるということでもあります。

それはこの【Dance With Me】という楽曲のコンセプトともよく合っている。多彩なカラーテープで煌びやかなSHE’Sの演奏シーンとレインボーちゃんの世界が交わると、もっと鮮やかな空間へ。無意識のうちに自分もこの場所にいるような気持ちになる。観ている人を巻き込んでいく陽のパワーは、バンドの逞しさを如実に物語っています。

あとはなんてったって、メンバーのパフォーマンスですよね。キーボードヴォーカルの井上竜馬さんのカメラ目線にずっきゅん食らった女子たちや、竜馬さんにスマホを奪われたいと思った女子たちも少なくないでしょう。ダンスシーンは四者四様のダンスっぷりがシュールでもあり微笑ましくもあり。SHE’Sはスタイリッシュでクールなイメージも強いバンドですが、ライヴのMCやトークシーンなどでは大阪人らしいフランクさを見せる人たちでもあるので、そういうキャラクターが見えるところも、観ている我々の心がふっと開く理由のひとつではないでしょうか。

本当にいろんなジャンルの音楽に挑戦しているバンドですが、どの曲も根幹にあるものがソングライターである井上さんの「その時抱いた正直な気持ち」ですし、楽器隊のみなさんも新しいことができることに面白さを感じているからか、曲そのものにどっしりとした説得力があるんですよね。【Dance With Me】はバンドにとってもかなり大きくポップに振り切った曲でもあるぶん、「こんな曲なんだから楽しまないほうが不自然じゃない? とことん楽しんじゃおう!」という空気感があって、ポップであると同時にスマートで凛々しい曲でもあるなと思います。

鬱々とした気分をふっと軽くさせてくれる音楽と映像、ぜひこの新緑の季節に味わってみてください。こっちゃんさん、おすすめありがとうございました!(沖 さやこ)

 

◆Include Album on Spotify

Artist Page – SHE’S

◆Artist Information
http://she-s.info/
https://twitter.com/SHE_S_official_
https://www.instagram.com/she_s_official/

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