PELICAN FANCLUB 【Amulet Song】

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PELICAN FANCLUB 『Amulet Song』Music Video

読者さんやアーティストさんからおすすめしていただいたMVを毎日紹介する「紹介されたMV紹介チャレンジ」DAY 22は、ナミさんからのおすすめで2020年3月に公開されたPELICAN FANCLUBのMVです。

メジャーデビュー以降に彼らがリリースした全作品のジャケットデザインを手掛けるデザイナー・GraphersRockと初めて映像でコラボレート。PELICAN FANCLUBがリクルートホールディングスによるプロジェクト『Follow Your Heart & Music Presented by RECRUIT』に参加したことでこのタッグが実現しました。

『Follow Your Heart & Music Presented by RECRUIT』とは2018年に発足した、新たな一歩を踏み出そうとする若者を、音楽の力で応援するプロジェクト。「挑戦」をテーマにアーティストとクリエイターがタッグを組んでMVを制作しています。第1弾となる2018年には緑黄色社会、パスピエ、神様、僕は気づいてしまった、リーガルリリー、CHAI。第2弾となる2019年にはSKY-HI、吉田凜音、Saucy Dog、Reol、感覚ピエロ。第3弾となる2020年はHakubi、KANA-BOON、PELICAN FANCLUB、みゆな、マカロニえんぴつ――という新進気鋭の若手が選出されています。

ソングライター兼ギターヴォーカルのエンドウアンリさんはこの曲について「新しく何かに挑戦をする人に向けて詩を書いた」「背中を押すのではなく、背中を刺激するような曲を書こうと思った」とのこと。映像制作を本格的にやってこなかったというGraphersRockの岩屋民穂さんは「PELICAN FANCLUBとなら何か新しいGraphersRockの映像表現ができるのではないか」と思い、映像作家の佐伯雄一郎さんに監督をオファーしたそうです。

岩屋さんは「私の趣味趣向のフェティッシュさとPELICAN FANCLUBのサウンドで素晴らしい化学反応を伴った作品になった」と、エンドウさんは「(この作品における)新しい挑戦は音と映像でフェティシズムを表現すること」とコメント。その結果、音楽とメンバー、歌詞、グラフィック、スタジオセットが混ざり合うという、インダストリアルデザインを基調としながら違和感のある空間に立つ3人が描かれたMVになりました。

前置きが長くなり少々小難しい感じになっちゃったかもしれませんが、実際のMVはかなり直感的で本能的な仕上がりです。サブリミナル効果みたいに映像の世界観が自分の脳内や心に植え付けられていくようで、観終わったときにはもう【Amulet Song】の世界観で全身がしゅんでる(←もしかして標準語じゃない?)ような。

映像を注意深く見ると、わたしみたいな目の刺激に弱い人間は若干目がやられるので笑、ぼんやりと眺めているほうが心地いいと思います。まばたきするポイントが違うだけで違う印象を与えるので、観るたびに違う作品を観てる感覚になるところも興味深い。あとポイントとしてあげるなら、映像内に出てくるオブジェも一つひとつなら無機質な物質かもしれないけれど、GraphersRockの手にかかれば思わせぶりにたたずむ魅惑的なオブジェになるところが趣深い。

あのオブジェたち、妙にこちらをじっとりと嗜めるようにじっくり見つめてくるではないか……。一つひとつにはいったいどんな意味があるんだろうか……。PELICAN FANCLUBの音楽もさらっと聴いた感じだと透明感があって爽やかかもしれないけれど、ウェットな成分が一気に放出する瞬間があるので、彼らの音楽性ともリンクする気がします。これがおふたりがコメントしていたフェチズムなのかな、なんて思いました。

大きな画面の明るい場所で頭をからっぽにして、目の前に広がる世界そのものを楽しむと、いろんな刺激が生まれてくる映像作品でした。どうも最近やる気が出ない……という人も、このMVをきっかけに感性を奮い立たせてみてはいかがでしょうか。ナミさん、おすすめありがとうございました!(沖 さやこ)

 

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◆Artist Information
http://pelicanfanclub.com/
https://twitter.com/PELICANFANCLUB

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