未完成VS新世界・澤田健太郎、七転八倒のバンド人生が導いた「リスナーに届けたい気持ち」

 

◆これまでいろんな編成でやってきたけど、みんな未完成VS新世界の曲を好きでいてくれている

――今回サポートベースを担当しているindigo la Endの後鳥さんは、前々からよく未完成VS新世界についてツイートしていますよね。

澤田　後鳥がindigo la Endに加入する前からの付き合いで、未完成VS新世界でベースを弾いてもらうのは今回が初めてではないんですよ。めっちゃ昔の話ですけど、安田が肺気胸で倒れた時、次の日に京都でライブがあったから、後鳥に電話して「いまから5曲覚えて。仕事があるなら休んで。運転もして」と頼んで（笑）、朝から後鳥の運転で京都に行ってライブするという。

――無茶ぶり3連打すべてに応える後鳥さん……。なんていい人……。

澤田　後鳥は運転中ずっと「不安だ」と言っていて、京都着いてすぐカラオケボックスに入って猛練習してました（笑）。その甲斐あってか、ライブがめちゃくちゃ良かったんですよね。それ以外にも僕らのツアーの運転手をやってくれたこともあったり、ツアー先でお金なくて一緒にラブホ泊まったり（笑）。昔からの腐れ縁で、今回も協力してくれることになりました。

――未完成VS新世界は澤田さんという確固たる軸があったうえで、この10年強つねに形を変え続けているバンドですが、澤田さんが思う未完成VS新世界の美しい状態とはどういうものでしょう？

澤田　一緒に演奏してくれるメンバーが、僕が作る曲のことを好きだったら、それでいいんじゃないかな。これまでいろんな編成でやってきたけど、みんな未完成VS新世界の曲を好きでいてくれてるんです。曲が好きな人が弾いてくれたらおのずと演奏も良くなるし、こっちがオーダーを出さなくても勝手にいいものに仕上げてくれる。上げてくれたものに対して細かい指摘はしますけど、ほとんどプレイヤーに任せてるんです。海藤は俺の曲にばっちりのギターを弾いてくれるから、僕にとっての世界一のギターになるんですよね。

未完成VS新世界『未完成の商業音楽』

――「とっておきの夜のこと」も「2021年5月17日の未完成VS新世界」も、いままでの歩みがあってこそ生まれた2曲になったのではないかと思います。

澤田　そうっすね。解散したり休止したりしながらも、続けてきて良かった。この音源を出せるのは良かったですね。もうTunecoreの手続きも済ませたので（※取材日は5月3日）、僕が死んでもちゃんとリリースはされるので（笑）。

――死と隣り合わせの考え方も、昔から変わらずで。

澤田　ほんとそうっすよ。たとえば気が重くなる仕事をしていて、そこに行く途中に交通事故で死んだら成仏できないじゃないですか。俺はそれはいやだなって。明日死んでもいいように生きるのは大事かなと思ってます。ずーっとそうやって生きてきてる。

――そのためにもバンドは人生に不可欠なのかもしれないですね。

澤田　そうなんでしょうね……。やめてもいいかなと何回も思いましたけど、やめてないっていうのはそういうことなんでしょうね（笑）。今回の作品はこれまで未完成VS新世界の音楽に触れたことがある人たちには聴いてもらいたいし、これをきっかけにまたちょっと広がってくれたらなと思います。

――どちらの曲もライブで聴くとさらに深く響くのではないかと思います。キイチビール&ザ・ホーリーティッツのドラムのタカヒロさんと、後鳥さんがサポートとして招いてレコ発を予定してらっしゃるとのことですが、ステージに立つ感覚は変わりそうですか？

澤田　いや、そんなことないんじゃないかなあ。僕いっつも同じなんですよ。弾き語りの時もバンドの時も、お客さんが多くても少なくても必ずめちゃくちゃ緊張する。ライブの日が近づくにつれて眠れなくなるくらい緊張するんです（笑）。なにから来る緊張なのかも自分でわかってなくて……でもやっぱり、お金を払ってくれてるお客さんに対しての緊張なのかな。

未完成VS新世界レコ発ワンマンライブ
「とっておきの夜のこと」

2021年6月5日(土)下北沢近松

詳細はURLを

今この世界中で最高のベースとドラムを迎えて、ライブをするよ。
色んな意味でまたライブが出来るとは思わなかった。こんなご時世だけど、できたら見に来て欲しいなhttps://t.co/syeYRxKvUp

— 澤田健太郎 未完成VS新世界 (@mikansei_sawada) May 10, 2021

――お金を払って観てくれることへの敬意から来る緊張というか。

澤田　望むようなライブができるのかな？　という不安から来るものなのかも。1曲目の途中からじょじょになくなっていくんですよね。でも、RISING SUN ROCK FESTIVALに出たいなという願望もあるんですよ。あれに出られたら、バンド人生満足かも。

――北海道のバンドマンさんに話を聞いていると、RISING SUN ROCK FESTIVALはかなり大きくて特別なもののようですね。

澤田　そうなんですよね。そのためにも未完成VS新世界が広がってほしいし、そういう目標を1個持って音楽活動していけたらいいなって。でも来年出られなかったらしょげてやめちゃうかも（笑）。

――せっかく開けた目標を持っているんですから、そんなこと言わないで（笑）。

澤田　あははは！　ネガティブなことを言ったり書いたりはしますけど、根はポジティブなほうなので（笑）。これからもいつ死んでもいいように生きていきたいですね。

 

◆Release Information
『とっておきの夜のこと』
2021.5.17 release
Listen or buy https://linkco.re/Pz6UVebD

『2021年5月17日の未完成VS新世界』
2021.5.17 release
Listen or buy https://linkco.re/FCzzQcFx

EP『とっておきの夜のこと / 2021年5月17日の未完成』
夕暮れ狩りレコーズ ￥550（税込）
[Track List]
01. とっておきの夜のこと
02. 2021年5月17日の未完成VS新世界

タワーレコード札幌ピヴォ店：6月9日から店頭販売開始
ライブ会場：6月5日から会場物販にて販売開始

特設サイト
https://mikansei.versus.jp/ep2021/

◆Live Information
未完成VS新世界レコ発ワンマンライブ
「とっておきの夜のこと」
2021年6月5日（土）＠東京都・下北沢近松
OPEN11:30 START 12:00

出演：
未完成VS新世界
Vo/Gt 澤田健太郎
Guitar 海藤 祐司
Support member
Bass 後鳥亮介（indigo la End）
Drums タカヒロ（キイチビール＆ザ・ホーリーティッツ）

会場チケット：
前売り 3,000円（+別途ドリンク代）※50枚限定
一般発売 5月22日（土）10:00～
https://eplus.jp/mikansei/versus/

ZAIKO配信チケット：
1,500円（アーカイブ視聴期間6月11日（金）23:59まで）
販売期間 2021年5月10日（月）21:00～6月11日（金）18:00
https://sevens-sh.zaiko.io/e/mikansei

◆Spotify

Artist Page｜未完成VS新世界

◆More Information
website https://mikansei.versus.jp/
Twitter https://twitter.com/mikansei_vs