中田裕二【薄紅】

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中田裕二 / 薄紅(from Album『BACK TO MELLOW』)

フェスでサークルを作る若人たちからは素早く距離を取り、【Fantasista】や【恋のメガラバ】が演奏されようとも軽々に前へ走り出したりなんてしない。そう、音楽少年だった筆者も、齢三十ともなると十代の頃のように「とにかく激しいロックを! 重低音をくれ!」という嗜好にも変化が表れ始めたのを感じています。そんな今日この頃、音楽的見聞が多少広がったからこそ沁みるのかな、と思うのが中田裕二さんの声です。椿屋四重奏解散後、約3年でオリジナルアルバム4枚、カバーアルバム1枚というハイペースでリリースを重ね、その度にロック、ブラック・ミュージック、ソウル、ジャズなど多様な音楽性を見せてくれた彼が最新作『BACK TO MELLOW』で到達したのはAOR=アダルト・オリエンテッド・ロック。日本語を美しく大切に歌う、その艶のある歌声との相性抜群じゃないですか中田さん! アルバムのリード・トラック【薄紅】でもゆるやかに、でも日本人の琴線に触れる心地よいメロディがたしかに鳴っています。派手さはなくとも、歌の上手い人が愚直に良い曲を歌い続ける、そんな歌心のある本物の歌手が少ないなか彼の存在は稀有。(福島 大祐)

▲DISC INFORMATION▲

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