1D圧勝、Pharrell無冠 「アメリカン・ミュージック・アワード 2014」考察

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11月23日に開催された「アメリカン・ミュージック・アワード 2014」のパフォーマンス映像がYouTubeのアーティスト公式チャンネルに続々とアップされたので、その様子を厳選してほんの少しご紹介! 海外は映像を惜しみなく公式で上げてくれるのでありがたい……。

ちなみに「アメリカン・ミュージック・アワードは、ビルボード・ミュージック・アワード、グラミー賞、ロックの殿堂入り授賞式と並ぶ、アメリカの4大音楽賞の1つ」(Wikipedia参照)です。このアワードはファン投票で受賞者が決まります。

 


Iggy Azalea – Fancy/Beg For It (Medley) (2014 American Music Awards) ft. Charli XCX

まずは「Favorite Artist Rap/Hip-Hop」と「Favorite Album Rap/Hip-Hop」の二冠を獲得したIggy Azalea! シングル【Fancy】がアメリカのビルボードチャートで1位を獲得する等、リリースした曲がヒットを連発したIggy。ブロンドヘアーの“黒人ではない”フィメールラッパーがチャートを制覇するという状況に、一部から非難を受けた面もありますが、客演参加した曲も軒並みチャート上位に食い込み好成績を残しました。Nicki Minajがフィメールラッパーを再び盛り上げ”ポップ”な存在へと昇華し、それをIggyが確固たるものにしてくれたと思います。

受賞の時は黒で統一したスーツ姿で登場し、少し泣きそうだったのか、声を震わせ気味に感謝を述べる彼女の立ち振る舞いの美しさ。2015年の活躍も楽しみ! 彼女はライブの盛り上げ方がラッパーとポップスターの良いところを持ち合わせてるんですよね。とても見やすいし、一緒にノリやすい温度に持っていってくれるので、公式チャンネルに上がっているライブ映像も是非に! あと何より、彼女が通った後はすんごい良い匂いしそう。

 


Nicki Minaj – Bed of Lies (2014 American Music Awards) ft. Skylar Grey

今回は惜しくも受賞は逃しましたが、Skylar Greyとの美しい共演を披露してくれたNicki Minajのライブも見逃せません。Nickiの新作『The Pinkprint』では今までのカラフルなメイクや髪の毛を封じ黒髪で統一。このライブでもクラシカルなロングドレスに身を包み、純粋にラップ1本で魅了してくれてます。そしてSkaylarの歌声の美しさ! 代表曲でもある「Superbass」や「Starships」のようなポップソングはやらないと公約しているNickiの新作『The Pinkprint』は今月15日にリリース。

 


Sam Smith – I’m Not the Only One (2014 American Music Awards) ft. A$AP ROCKY

「Favorite Male Artist Pop/Rock」を受賞した英国人のSam Smith。ストリングスやコーラス隊を従え、マイクスタンドを構えて歌われるSamのソウルに聞き惚れる贅沢な一時。今回は特別出演でラッパーのA$AP ROCKYがジェントルさとマフィアさのある小粋なスーツ姿でラップを披露してくれてます。受賞時のトロフィーを抱えて満面の笑みを浮かべるSamの姿がとても純粋な少年のようで可愛い!

 


Taylor Swift – Dick Clark Award For Excellence

そして今年から設立された「Dick Clark Award For Excellence」という特別賞を受賞したのはトレードカラーの赤ではなく緑のプレーンなドレス姿のTaylor Swift。「Artist of the Year」ではないのかーというところはありますが、まずはトロフィーを渡してくれたDiana Rossへのお礼を述べるところがしっかりされてますね。抜け目ない。そして音楽ストリーミング配信サービス「Spotify」から自身の楽曲を削除しているTaylorは、このスピーチ内で音楽配信サービスに対して辛口コメントをしています。これを書いている時点ではまだライブ映像が上がっていないのですが、最新作『1989』からのリカットシングル「Blank Space」のライブを披露してくれたようです。見るのが楽しみ。

 


One Direction – Night Changes (2014 American Music Awards)

そして栄えある「Artist of the Year」、さらに「Favorite Pop/Rock Band」を受賞したのはOne Direction。ちなみに、One Directionが起用されているdocomoのU25応援企画の広告にワタクシ沖 丈介も手タレとして参加しております(宣伝)。しかし彼ら、PVが女性向け恋愛シュミレーションゲームのスチルやイベントムービーばりに甘かったり、きゃぴきゃぴ(死語)なアイドル感を出したりしてますが、オーディション番組出身なだけあってグループ全員がしっかりとした歌唱力を持ち合わせているし、アルバムを出す度に大人になって表現力も増してるし、その成長にあう楽曲をチョイスしているし、良い意味で隙がないんですよね。次はどんな姿を見せてくれるのか、まるで保護者目線で楽しめるグループです。

ざっくりとですが、受賞アーティストのライブパフォーマンス動画を交えてご紹介致しましたが、いかがでしたでしょうか。冒頭にも書きましたが、業界関係者の投票で決まるグラミーとは違い、ファンの人気投票で受賞者が決まるスタイルなので、チャートの成績や話題性は反映されず、俗に言う「組織票」というものが色濃く出ている箇所もあります。それがこのアワードのスタイル……とはいえ、正直4部門もノミネートされ、なおかつシングル【Happy】が米国ビルボードチャートで10週連続1位で「2014年で最もヒットした曲」という成績を持つPharrell Williamsが無冠。しかもシングル・オブ・ザ・イヤーが彼ではないというのは、やはり首を傾げる事態……。あと冷静な判断をしてみても、「Artist of the Year」はTaylorちゃんではないか? とも思ってます。

ともあれ、IggyにSam、おめでとうございます!! 受賞が全てではないですが、こうしたアワードがあることは、1年の音楽シーンやアーティストの功労を称えられる大切な場だなと改めて感じました。皆さんも自分的アワードを作って、1年の音楽シーンを振り返ってみてはいかがでしょうか?(沖 丈介)

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