コントユニット・モノスグランデ小山耕太郎の「コラマず」第4回 ~Pの難~

LINEで送る
Pocket

コラマず トップ画像

コントユニット・モノスグランデ小山耕太郎の「コラマず」
第4回「Pの難」

 

こんにちは。ワンタンマガジン主宰の沖 さやこです。モノスグランデ小山さんのコラムも今回で4回目。今回は趣向を少し変えて、小山さんに以下のお題を出題しました。

◆3人の14歳のなかからお好きな女の子を選び、そのうちひとりをプロデュースし、トップアイドルへと育てるサクセスストーリーを書いてください

Aちゃん:
芸能界でがんがん活躍したい! オーディションで空回りしちゃうくらいやる気十分。
Bちゃん:
親に履歴書を送られて、芸能界に興味がないわけではないが大人しくて普通の女の子。

Cちゃん:
マイペースで絵がうまい。漫画大好き。手塚治虫が神。なんか面白そう、という理由でオーディションを受ける。

さて、小山氏が選んだ少女は? そして描いたストーリーは?

 

今回のコラムは沖さまより楽しい宿題を頂きました。

「小山耕太郎氏がアイドルプロデュースをしたら?」

僕がオーディションから選んだのはこの子です。

Cちゃん:
マイペースで絵がうまい。漫画大好き。手塚治虫が神。なんか面白そう、という理由でオーディションを受ける

この子は非常にいいです。僕が手塚治虫好きという情報を掴んで嘘の履歴書を送ってきてる可能性を差し引いても魅力的です。ピノコのコスプレをして欲しいという僕の願望も、オーディション合格の一押しとなりました。

合格しましたので、アイドルとして活動していく為の芸名を彼女に与えます。アイドルとして芸能界で唯一無二の存在になって欲しいという思いを込め「一無二 唯(いちむに ゆい)」と名付けましょう。

まず、彼女が愛してやまない手塚治虫先生の作品から影響を受けた【手術上手くいったけど体内にメス忘れちゃった☆】がデビューシングルとなります。(これはブラックジャックの中で実際にあるお話。)

こうしてデビューシングルで早くも挫折を味わった唯ちゃんは、自分の得意な絵を武器にしていきます。自分で描いた衣装を作ってもらったり、サインは緻密に計算されたトリックアートになっていて距離感が掴めなかったり、ブログに完成度の低い四コマを載せるなど精力的に活動します。

この、アイドルとしての資質を感じさせないアイドルは、アイドル戦国時代にはかえって目立つのです。インストアライブなどを重ね次第に注目を集めていく中、セカンドシングル『ファーストシングル』のリリースが決定。ファーストシングルの失敗を無かったことにするための苦肉の策ではあったが、これがウケて「一無二 唯」 の名前は一気に全国区となる。

その後も、中の下くらいの新メンバーを40人ほど入れた直後に「1位以外は全員脱退総選挙」を行いすぐ1人に戻ったり、念願の漫画家デビューからアニメ化、そして自ら主題歌を担当するなどアイドル業界以外にも新しい風を吹かせたのだ…

と、ここまで彼女がトップアイドルになるまでのサクセスストーリーを書いてきましたがふと思う、トップアイドルとは何なのだろう?

知名度、集客力、CDの売上枚数と数字で測るには簡単だけど本当にそれだけなのでしょうか。今、アイドルが増えると共にアイドルファンの総人口はかなり増えたと思います。というよりも、昔のようにオタクというくくりでは括れない程にアイドルファンの市民権というのは強くなりました。好きなアイドルは誰ですか?という問いかけをすれば、誰しも隠すこともなければ、むしろ誇らしげに話すようになったのではないでしょうか。

image1そんな中でトップアイドルの条件というのは、その問いに対して多くの人が挙げるアイドルであるということになります。これはある意味標準的でなければいけないのです。より多くの人に名前を挙げてもらえるアイドルは、実は僕らがその名前を口にすることが恥ずかしくないことが条件なのです。

しかしながら、それはアイドルという枠で推し量ることが出来なくなることでもあるのです。ファン一人一人の熱量を客観的に測ることは出来ませんが僕が仮定するトップアイドルというのは、命短い彼女達の一瞬の煌びやかな瞬間を僕らが見逃したくないと思う、その空間がトップアイドルを生み出すのだと思います。

どんな地方アイドルでもファンがいて、そして精いっぱいのパフォーマンスをして、それを見たいと思うファンがいれば、その瞬間はファンの目に映るトップアイドルなのです。

だから、僕だってトップアイドルです。たぶん僕がトップアイドルだった瞬間は、友人の結婚式で挨拶をした時にみんなの視線を全て集めながら、まだ1人もグラスを持っていないタイミングで「乾杯」と言った時だと思います。

さぁ、唯ちゃん。君はここまで、誰かの目に映るトップアイドルになれたかな。

小山耕太郎

コントユニット・モノスグランデ小山耕太郎の「コラマず」一覧

LINEで送る
Pocket

Tags: