アリーナクラスの会場へ―― LinQの決意とアイドルシーンへの危惧
アリーナクラスの会場へ――
LinQの決意とアイドルシーンへの危惧
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吉川 千愛(よしかわ ちあき)/Twitter
深瀬 智聖(ふかせ ちせい)/Twitter
天野 なつ(あまの なつ)/Twitter
取材・文・撮影:福島 大祐
福岡を代表するアイドルグループ・LinQが、メジャー6thシングル『ハレハレ☆パレード』を発売する。今回、ワンタンマガジンでは彼女たちの拠点である福岡でメンバーの天野なつ、吉川千愛、深瀬智聖に取材を行い、グループについて、そして新曲について話を聞いた。また、インタビュー後半ではより拡大、複雑化を続ける現在のアイドルシーンに対しても言及。「最近のアイドルの傾向から抜け出したい」という発言の真意から、LinQの目指そうとしている“理想のアイドルグループ”への方向性を読み取れるはずだ。
LinQ
読み:リンク。福岡を拠点に活動し、全国へと活躍の場を広げている女性アイドルグループ。「LinQ」は「Love in 九州」の頭文字から発想した造語。2011年に結成し、2013年4月、シングル『チャイムが終われば』でメジャーデビューを果たしオリコンウィークリーチャート3位を記録した。最新シングル『ハレハレ☆パレード』を含めこれまで11枚のシングル、2枚のアルバムをリリース。定期公演は福岡市天神にあるベスト電器福岡本店11階のベストホールにて、毎週末開催中。
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◆LinQは“ビッグダディ”みたいなグループ
――LinQを初めて知る方に向けて自己紹介をお願いします。
天野:まず、メンバーは30人で、LinQが他のグループと違うなと思うのはメンバーの年齢層ですね。13~28歳までいて、ここまで年齢層の幅広いグループは多分ないと思います。年齢層が幅広いからできることもたくさんあって、年齢の上下で「Lady」と「Qty」の2チームに分かれるんですけど、Qtyは“元気で可愛い”、Ladyは“カッコよくてセクシー”をコンセプトにしています。衣装から楽曲、ダンスまで差をハッキリさせるよう私たちも意識していて、それが全体にまとまってライヴをする時に、Qty、Lady、そしてLinQ全体の3部構成で披露できるのが私たちの特徴だと思います。【チャイムが終われば】という楽曲は学校の設定なんですけど、先生役、生徒役とメンバーが分かれることができるし、他のアイドルさんだと音楽のジャンルを統一されているグループが多いと思うんですけど、LinQはいろんなところに手を出しているというか(笑)。いろんな曲があるので、「LinQの曲ってどんな曲?」と聞かれたらちょっと困るんですよ。メンバーも、アニメが好きとかヒップホップが好きとか、みんなそれぞれで、良い意味でも悪い意味でもバラバラです。
――最年長の深瀬さんだとグループ内ではお姉さんポジションですよね。
深瀬:ジェネレーションギャップはありますよね。憧れていたアイドルの時代が違うとか(笑)。お互いに「この人を知らないの?」というギャップも凄くあります。でも、それが良い刺激になっていると思うし、私が教えることもあれば逆に教わることもあるので、上の世代のメンバーにとっては、若いメンバーは自分を若返らせてくれる良いパートナーです。
吉川:若返らせてくれる!(笑)
――教えるというのは例えばどんなことですか?
深瀬:社会勉強じゃないですけど挨拶とか、本当普通のことなんですけど「ちゃんと片付けて」とか。
――まるで親のようですね(笑)。
深瀬:「ここは先輩を優先するんだよ」とか、アルバイトもやったことがないメンバーが多いので、そういうことは率先して教えたいなと思うんですけど……なかなかですね(笑)。私は一番年上だけど、激しく言う時もあるし、なっちゃん(天野)と私たちの間の世代のコたちが結構ビシビシ言ってくれて、良いバランスを保ってるかな。
天野:みんな役目というか、「こういう時はこのコが入る」みたいなのがありますね。
――大家族みたいな。
深瀬:本当、“ビッグダディ”みたいなグループで(笑)。
天野:2013年に私がリーダーになった時は「どうやってみんなを統一させよう?」と思っていたんですけど、それは無理だということに気付いて。みんなバラバラでそれぞれがアピールして、「笑顔の架け橋」というグループのコンセプトを各々が思っていればいいんじゃないかなと思いましたね。ライヴでアピールしたい自分の魅力も、全員違うと思うんですよ。
>> 個人の名前やキャラクターまでは一般の方に知られていない