コントユニット・モノスグランデ小山耕太郎の「コラマず」第6回 ~僕の想いがリンクしちゃうの難~

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コントユニット・モノスグランデ小山耕太郎の「コラマず」
第6回「僕の想いがリンクしちゃうの難」

 

今回は、先だってアップされたインタビュー記事「アリーナクラスの会場へ―― LinQの決意とアイドルシーンへの危惧」を読んだ感想を述べたいと思います。僕みたいなもんが偉そうに言える立場ではありませんがよろしくお願いします。

とにもかくにも、このインタビュー記事の肝は、インタビュアーのこの発言になろうかと思います。

活動してきた4年間の中で、アイドルシーン自体の変化は感じていますか? 誰もがアイドルになれる時代と言うとオーバーかもしれませんが、飽和状態でアイドルになるハードルが下がっているように感じます。ここ数年で爆発的に増えたアイドルがこれから淘汰されていくのではと個人的に思っていて。ツイッターを見ていても、結成したばかりのグループなのにすぐに脱退者が発表されていたりしますよね。(インタビュー記事より)

AKB48のメジャーデビュー作『会いたかった』(2006)

これは今のアイドルシーンが出来上がった背景と問題点を丸裸にしてエプロン着させてます。今のいわゆるアイドルブームを作ったのはAKB48で間違いないと思います。仕掛け方は「会いに行けるアイドル」としてマネジメントされました。秋葉原の小劇場で近い距離感でパフォーマンスするアイドル達と、握手ができたり写真が撮れたり。

ここまでは良かったと思いますが、そのAKBを見てアイドルを目指した子達や、それを利用する事務所の考えの相違に問題があったのです。ここにある価値観というのはあくまで「アイドルとの距離感を詰める事でファンが得る幸福感」という部分にあるのであって「距離感の近いパフォーマンスをする人もアイドルを名乗る事ができる」では無いという事です。

この勘違いが今のアイドルグループの多さとハードルの低さを生んだのです。
魚で言ったら子持ちシシャモです。

ももクロは今や日産スタジアムでワンマンを行うほどの人気に

アイドルシーンの流れがこうなってしまうと、結局ここに対抗するためのマネジメントを思いつか無い限り同じ方向性のアイドルが増え続けてしまうのです。しかし、これを利用したマネジメントを展開したのがももいろクローバーZじゃあないでしょうか。今をときめくももクロが言い続けてきた事…

「今、会えるアイドル。ももいろクローバーZ」

これです。「会いに行けるアイドル」に対抗するプランは「今、会えるアイドルだ!」そう思った事でしょう。つまりこういう事です。

「会いに行けるアイドルは、今までのアイドルには無かった距離感を体験できますよ!」

「今、会えるアイドルは、今しか会えませんよ! 今は所詮アイドルになりたい普通の子です。でも、皆さんが育ててくれることで私たちはトップアイドルになります!」

このもう一つのマネジメントプランの成功例ができた事で、まだまだアイドル業界も発展できるぞど、個性的なアイドルグループが増え、悪い流れが多少は緩和してきたかと思います。

LinQの最新シングル『ハレハレ☆パレード』

で、少し話を戻しますが。このインタビューに対するLinQ メンバーの答えもかなり面白いです。「アイドルブームは終わりますよ」とか「ファンとの近すぎる距離感に疑問がある」とか。

ここは僕も同意見です。僕が思うに、距離感が近すぎると結局ファンが調子に乗るんですよ。運営に意見したりとか。対等だと勘違いして相手を敬う気持ちがなくなるわけです。ファンは所詮ファンなのです。ファンにとってのアイドルと、アイドルにとってのファンは圧倒的に存在意義が違う事を知るべきです。

また、アイドルブームに関してはすでに終わってると思います。ももクロの出現以降、様々な個性派アイドルが世に出てきました。当然、アイドルファンの絶対数がかなり増えたはずですが、それによってアイドルが好きというオタク文化はパブリックになってしまったように思います。その時点で、ブームからは離れたごく普通の文化になったのです。

そう考えると、今後のアイドルマネジメントも形を変えざるをえないでしょう。限定的だったアイドルマネジメントが大衆向けになったので、今度はさらに限定的なマネジメントが増えてくるやもしれませんね。

それはハイスピードアイドルです。動きが速い女をたくさん集めて常に走らせます。顔がよくわかりません。

ともかく、温くない、良いインタビューでした。

小山耕太郎

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