Hilary Duff 【Sparks】
近年は女優と作家業に勤しんでいたHilary Duffが久々に音楽活動を再開。今年の秋リリース予定のアルバムからの3rdシングルの【Sparks】では、ドキュメンタリーや仲間とのオフ映像を交えて、曲だけでなく自分の近状までプロモーションしている映像に仕上げているとこに彼女の抜かりなさを感じます。が、いかんせん冒頭が特に曲の間に会話音声の差し込みが多く、オフショットととしてもMVとしてもどっちつかず感が否めないので、曲を聴きたい人は公式で上がっているリリックビデオの視聴をお勧めします。
最近は定番のブロンドヘアーをグリーンやパープルにしたり、Katy PerryやLady Gaga的なパンチのきいたイメチェンでアプローチもしていたHilaryですが、やはり彼女はこういう淑女的な方向が似合うな……と思うMVでもありました。既発シングルの【Chasing the Sun】ではアコースティックなバケーションソング、【All About You】ではカントリーソングに挑戦し「Taylor Swift?」と揶揄されたりもしつつ、【Sparks】では方向性を少し変えて小粋にノレるダンスミュージックを持ってくる計算高さです。もともと音楽活動ではその時その時の流行の音楽をしっかり掴んだ”手堅い”アルバムをベストなタイミングでリリースしてきた彼女。既発シングルを見ると、力を抜いて聴ける&ライブで一緒に歌いやすく、そして親しみやすい曲調を選んでいるところに、Hilary Duffの「世間が求める音楽の選択眼」は健在なようです。(沖 丈介)
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