ストリーミング革命勃発! 音楽の聴き方はどう変わる?~ONE TONGUE SUMMIT #2

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◆手軽さと気軽さがもたらす影響はあるのか

ふく 世界的に見ればついに昨年はダウンロード市場よりストリーミング市場の方が売上として上回ったそうですし、パッケージの売上世界一の日本と言えど、今後CDはレコードのようにコレクターズ・アイテムになっていくでしょうね。たとえばケラケラ完全受注生産でCDを販売したそうですが、希望者の名前を歌詞に入れてくれたり、ブックレットに凝ったり、そういう試みをしているんです。こういった「パッケージだからできること」に注力していく例も増えていきそうですよね。


ケラケラ – 幸せ ~君が生まれて~

 そうですね。ストリーミングサービスは「音楽にお金を払う」という概念を希薄にさせるかな~とは思っていて。

ふく ストリーミングのメリットは、海外の人が日本(を含む世界中)のアーティストを発見しやすくなったことじゃないでしょうか。これまで動画サイトでPerfumeやきゃりーの音楽を聴いていた海外音楽ファンが、国境を越えてアクセスできるのは利点ですよね。そのうちストリーミングをきっかけに海外でブレイクする人も出てくるかも、なんて少し 期待しています。

 それはありそう! 海外の人に日本の音楽をもっと聴いてもらえるのは嬉しいし。

ふく でも自分で音楽を見つけてCD屋に買いに行くというフィジカルな体験がなくなっていくのはリスナーの均一化に繋がると思うので、そこが心配なんですよね。上記のような音楽を聴くまでのハードルがあることで、リスナーの音楽的アイデンティティが確立されると思うので。

s_file0001758746657丈介 リスナーの均一化に関しては、僕はあまり心配はしていません。多様化することで、リスナーの音楽への向き合い方にも違いが出ると思っていますし、そういう面では面白いと感じてます。ストリーミングのみ、ストリーミングとDL購入、ストリーミングとアナログ購入と、組み合わせることで生まれる面白みもあるんじゃないかなと。場所は違いますが、「探す」→「選ぶ」→「聴く」というプロセスはアナログもデジタル変わりないと思います。

 うーん、それが手のひらのなかだけで完結してしまうのはまったく違うことだと思うけどなあ。実際体を動かす/手のひらで完結するは、まったく違う。どんどん人間は鈍感になっていく気がする。

丈介 この意見は理解できるし、確かになと思う面もあります。ただ、やはり僕はあくまで「求める」という行動にアナログもデジタルも変わりはなく、求める選択肢がアナログかデジタルかの違いじゃないかなと。そこはあくまで個々の「求める」という行動に抱く美学の違いだと思います。

 「音楽のために」行うフィジカルさがなくなってくることは人間にも音楽にとっていいとはあんまり思わないんですよね。このさき音楽が文化としてどう残るのかな?という懸念があります。パッケージを介さないことで、自分自身に「残る」という感覚は減っていくのかなと。その音を求めて実際に行動するということが人間にとっては大事だなと思います。これは音楽に限らずなんですけど。行動すればするほど自分のなかに残っていくものなので、それゆえに感動の度合いが変わってくるとも思うんですよね。

>> “音楽を聴く”ことにハードルは必要?

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