THE NOVEMBERS『Elegance』『Rhapsody in beauty』

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EP(CD)
THE NOVEMBERS
『Elegance』
2015/10/08 release
MERZ

淀みなく無垢な瞳に語りかける、この世界のすべて

轟音と静寂、生と死、繊細と大胆といった相反する要素から様々なアプローチで独自の美学を育んできたTHE NOVEMBERSは、今年で結成から10年を迎えた。そんな10周年の節目となるミニアルバム『Elegance』。1年前にリリースされた前作では音の持つ表情の振れ幅の大きさを感じたが、この作品では柔らかさの中の微細な表情を味わうことができる。メロディーを支えつつ、作品全体の舵をとって前へ進もうとするベースとドラム、子どもに物語を語るように甘美なまどろみへと誘うギター、無防備にもかかわらず汚れなく瑞々しい歌声、すべてが過不足なくメロディーに溶けこんでいる。また、特にこの作品の節々では”傷”という言葉で描かれたものが多いと感じた。しかし、それは悲しみや痛みを伴うものだけではなく、愛情を示し、愛するものを守って生きぬくためにも必要だと教えてくれる。傷つかずに生きていけるほど、人間は器用でない。時に美しく、時に残酷なありのままの世界のひとかけらを突きつける作品だ。(柴 萌子)



▲THE NOVEMBERS「きれいな海へ」(Father side)▲
▲THE NOVEMBERS「きれいな海へ」(Mother side)▲

◆Disc Information◆

 

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ALBUM(CD)
THE NOVEMBERS
『Rhapsody in beauty』
2014/11/18 release
MERZ

熱を帯びた感情と色鮮やかな音色によって融かされてゆく、
凍てついた魔物の心臓

2013年の独立後より、音楽シーンにおいてジャンルを問わず好奇心の赴くまま多岐にわたる活躍をみせるTHE NOVEMBERSの、自主レーベルMERZ作品としては2作目のフルアルバム。歪んだギターが鮮やかに重なり合い、鋭いノイズが耳を抉る。そして、太くうなり、時に華やかに歌うベース、心地よいリズムに思わず体を揺らしたくなるようなドラムが混ざり合い、楽曲が色づきはじめる。歓びや悲しみ、喜び、怒りといったあらゆる感情が根をはり犇きあい、それは時に煌びやかに、時に恐ろしく鳴り響く。それぞれの楽曲が異なる色を持ち、混ざり合いながら一輪の美しい花を描きあげていくかのようだ。肌を寄せるような温もりを感じることもあれば、鋭く睨むような眼差しも見せる。同じバンドとは思えないほど両極端な表情を見せる、その佇まいは非常にスリリングで、聴くたびに快感を憶える。生きることへの美しさや豊かさを飽きることなく求める彼らが描く、生命力や無邪気さを溢れんばかりに魅せてくれるアルバムである。(柴 萌子)


▲THE NOVEMBERS 「Romancé」- Normal Ver -▲

◆Disc Information◆

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