クリスマスシーズンにアカペラを嗜む3つの方法――アカペラノススメ・冬

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◆その3~リッチにアカペラを味わおう~
もう1段ステップアップしたクリスマスを過ごしたい私が思いついたのは、レストランでのショー。すると、あるアカペラグループがクリスマスアルバムをリリースするというニュースが飛び込んできました。神戸発、全国でライヴ展開中のthe XAVYELLSが11月5日のリリースと同時に早くもクリスマスツアーをスタートするとのこと。そこで行ってきました。大阪は京橋にあるレストランBERONICAでのランチショーへ。事前にBERONICAのHPを確認したところとても煌びやかな空間のご様子。チケットの会計を済ませると席までエスコートされ、普段のライブとは違う様相にキョドキョド。ローストされる前のチキンはこんな気分なのでしょうか。

aca_susume1ショーの幕開けはロックでスウィンギングな【Gettin’ In The Mood(for Christmas)】にて華やかに。モスグリーンにレッドのカラーを配したスーツ姿の6人。それを見た会場はオレンジの暖で包まれクリスマス一色に。【Here Comes Santa Claus】を歌えばサンタクロースを待ちわびた童心もゆっくりとよみがえります。アカペラショーでクリスマスを過ごすとなると厳かでしっとりとしたイメージを浮かべるかもしれませんが、彼らのショーは老若男女楽しめるホームパーティに来たような騒がしさ。黒ヒゲサングラスのメンバーがプレゼントを背負う仕草をすれば「泥棒やん!」とツッコミが飛び、会場は終始笑顔です。1stステージでは彼らの得意とする昭和歌謡やグループサウンズのカバーも織り交ぜてのステージ展開。印象的だったのは森進一【冬のリヴィエラ】。冬の海岸に佇む哀しき男の様をグループ最年少のQuoが歌います。冬の空気でヒリリと沁みる男の心傷。そんな男に寄りそうかのように調和のとれたコーラス・リズムによるハーモニー。しっとりと堪能したところでショーはいったん休憩へ。

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the XAVYELLS 『the X’mas』

休憩中にアルバムの紹介をしよう。『the X’mas』はクリスマスの定番ソングをすべてアカペラアレンジで収録したカバーアルバム。【Winter Wonder Land】、【White Christmas】など彼らの歌声がシーズン特有のざわめきやぬくもりを連れてくるようで「クリスマスソングってこんなにワクワクするものだったのか!」と数年ぶりに感じた1枚です。このアルバムに背中を押され、まだ1ヶ月もあるというのに自分用プレゼントを決めてしまいました(笑)。室内でパーティを楽しむ方へはムードを盛り上げる役目として。寒い外での待ち合わせで大切な人が現れるのを待つあなた。ふと彼らの歌声が聴こえれば心細さも半減するでしょう。まさに室内外問わずBGMに最適なのです! 特に着目したいのはM8【Jingle Bells】。一貫してなめらかにうごめくベースラインの中、後半になるにつれ響きもリズムも慌ただしくなるコーラスやボイスパーカッション。夜明け前にプレゼントを配り終えなければと焦るサンタクロースが見えました。そんな裏クリスマスも感じられた1枚です。みなさんにとってのサンタクロースはどなたか存じませんが、サンタクロースには感謝しましょう。

aca_susume4さて、ショーの2幕はこのアルバムの曲をさらに盛り込んでいきます。アルバムの1曲目でもある【Santa Claus Is Coming To Town】からスタート。ゆったりとしたアレンジのため、カレンダーを見つめながら指折り数える子供の様子が目に浮かびます。Twollyが歌いながら華麗にステージを降りてフロアを沸かせ、颯爽と走り抜けた後には雪煙が舞い上がるようなキラメキを与えていきます。今すぐ外に飛び出したい衝動に駆られる【Sleigh Ride】、クリスマスという聖夜に考えもふける【The Christmas Song】、何もかもを雪のせいにしていっしょに過ごしたい恋人たちの強い想いは、ロック調の【Let It Snow】にのせて。アンコールでは会場全員で【きよしこの夜】を歌い、ショーを共に楽しみ尽くすことができました。声だけだからこそ人々のしあわせやよろこびも感じやすく暖かい。ショーの冒頭でGottiが「冷たい空気の中だからこそ伝わる声のぬくもりを」と発した理由がよくわかりました。ショーと聞くと敷居が高くも感じられますが、ラフな服装の方も多く、the XAVYELLSはレストランでない会場でもライヴツアーを行っています。ぜひ気軽に彼らとクリスマスを楽しんでみてくださいね。

この冬、相変わらず忙しい方もお財布に余裕がありそうだという方も、ご自分の生活スタイルに合わせてアカペラに触れていただく機会があればと思います。今年のクリスマスイヴは土曜日にあたるため、私としてはここで休みをもぎ取ってアカペラライヴに行きたいところ。今年のクリスマスシーズンはいつになく楽しめそうだ。

◆Information
the XAVYELLS official site
ソラマチアカペラストリート公式サイト

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