長く音楽を続けたい―― 歩みを止めず進み続けたBrian the Sunの10年(後編)

LINEで送る
Pocket

bts201612_2長く音楽を続けたい――
歩みを止めず進み続けたBrian the Sunの10年(後編)

L→R
田中 駿汰(Dr)
白山 治輝(Ba)
森 良太(Gt/Vo)
小川 真司(Gt)

取材・文:沖 さやこ
撮影:イトウ ユキ(website
協力:LIVERALLY

2017年5月に結成10周年を迎える大阪出身の4ピースバンド、Brian the Sun。インタヴュー前編では2009年末にメンバーが森と白山だけになり、解散の危機を乗り越えて本格的にメンバーを探す決心をするところまで話を聞いた。インタヴュー後編は小川真司と田中駿汰の加入、現在の編成になってからひとつひとつが順調に進むバンドの状況、そしてなぜ彼らが歩き続けることができたのかを探っていった。

インタヴュー前編:
長く音楽を続けたい――歩みを止めず進み続けたBrian the Sunの10年(前編)

 

◆真司が加入したあと一気にツアーを回る生活になった

――メンバーが良太さんと治輝さんのふたりになるも、解散の危機を乗り越え、バンド活動を本格化させることを決めたBrian the Sun。メンバー探しの末、2010年1月に現在のギタリストである真司さんと、当時の女性ドラマーさんが加入します。

小川真司(以下、小川) 僕は楽器未経験やったんですけど、「バンドがやりたいな」と思ってたんです。でもどうせバンドをやるなら売れたいし、何か結果が欲しいじゃないですか。俺の感性では、そういうバンドが俺の周りではBrian the Sunだけやったんですよね。やりたいと思ったバンドがBrian the Sunだけやった。でももうちゃんとバンドとして活動してるしなー……と思ってたらギタリストが抜けて、良太から「ちょっとスタジオ遊びにけえへん?」と誘ってもらって遊びに行って。

白山治輝(以下、白山) 僕は良太から「新しいギタリストが見つかりました」と聞いてたので、そのつもりで話を進めて(笑)。

小川 遊びに行っただけやったから、最初はなんのことかわからんし、びっくりしましたけど(笑)。でも良太に声を掛けられたときになんとなく「あ、バンドをやることになりそうやな」とは思ってました。

――真司さんはその次のスタジオでギターを買ってきたんですものね。

bts_2010

2010年時のBrian the Sunのアーティスト写真。左から白山、森、小川

森 良太(以下、森) ね。やる気満々ですよね。(※とてもうれしそうな笑顔を浮かべる)

小川 もともと不安という感情が欠落している人間なので(笑)。大体なんでも、なんとかなるかなと。

白山 僕が2回生になるタイミングで大学を辞め、その後真司も大学を辞め、良太もドラムもフリーターなので、フリーターだけのバンドになって。それもあって平日に地方に行けたり、自由に動けるようになるんです。バンドの予定をがっつり決めて、それが入っていないところでバイトをする。そこで一気にツアーを回るような生活になりました。

小川 あのころがいちばんツアー回ってたよなあ。

白山 5日連続ライヴして、朝帰ってきてそのままバイトする、みたいな生活を半年くらいしていたらドラムが抜けてしまって(笑)。

――その頃のBrian the Sunは駿汰さんから見ていていかがでした?

田中駿汰(以下、田中) めっちゃ順調に見えてました。すごくいいバンドだと思っていたし。

 うん。順調でしたよ。

白山 順調順調。そういうサイクルが普通やと思ってたし。

小川 楽しかったしな。

bts_cloudy

現在の編成になって初の自主制作盤『cloudy#2/Hello Goodbye』(2011年4月)

――そうですか。ドラマーさんが抜けてしまったあと、治輝さんがほぼ未経験のドラムを叩いて、サポートベーシストを招いて活動していたりと、聞いただけの印象だと困難な状況にも思えて。

白山 ……まあ、そうですねえ(笑)。僕の暗黒のドラム時代が3ヶ月くらい続いたし。

――ドラマーさんってそんなに見つからないものなんですね。

 んー、サポートドラムでいろんなドラマーとスタジオに入ったんですけど、「その感じなら別に叩いてもらわんでもええかな」と。

白山 新メンバーになるかも、というテンション感でスタジオに入ってもらったこともあるんですけど、やっぱね……ちゃうくて。

――Brian the Sunに合うグルーヴではなかったと。

白山 そう、感覚的なものなんですよ。もちろんみんなフレーズはちゃんと叩けてるし。でもお互いに「なんか違うかなー……」という感じがあって、加入には至らず。でも駿汰はばっちり合ったんですよね。良太も駿汰を口説いたし、俺もベースに戻りたいから必死に口説いて。

田中 そのときは僕もバンドを続けるか就職するか悩んでいたんですけど……「俺ら売れるから!」「好きなことやり!」とミュージシャンをごり押しされました(笑)。サポートで半年叩いてたんですけど――。

白山 その半年間ずっと口説いてました(笑)。

――(笑)。その甲斐あって2011年4月に駿汰さんが正式加入。前身バンドから数えると、6年目の出来事です。

 自分らに合う人を探すのに時間がかかりましたね。

白山 駿汰は7人目のドラマーなんですよ。

田中 この先8人目が出ないことを…………。

一同 ……えっ、何それ!!(笑)

>> 音楽を作ることでしか前に進めない

LINEで送る
Pocket

1 2 3 4
Tags: