解散、復活、飛躍、活動休止……激動の2016年を振り返る~ONE TONGUE SUMMIT #6

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◆90年代~2000年代の中堅・ベテランの健在っぷりも光る!

ふく 90年代リバイバルブームも過熱して、先に述べたTHE YELLOW MONKEYの復活をはじめ、SIAM SHADEや大黒摩季がカムバックし、小沢健二は全国ツアーを敢行、宇多田ヒカルの新譜など、オーバー30には熱いニュースが多かったですよね。オザケンは観に行ったんですが、ボーダーを着た元Olive少女が大集合でしたよ(笑)。

Hi-STANDARD 『ANOTHER STARTING LINE』(2016年)

 まさしく90年代!(笑) X JAPAN、GLAY、LUNA SEAが集結したVISUAL JAPAN SUMMITなどもそうですね。やはり90年代後半は「みんなが同じ音楽を聴いていた最後の時代」で、ゆえにその時代のアーティストはいま残ってるんだろうなと思います。椎名林檎さんと中田ヤスタカさんの「リオオリンピック 閉会式」の「トーキョーショー」セレモニーは90年代~2000年代の縮図のような気もします。そしてHi-STANDARDのシングル『ANOTHER STARTING LINE』ゲリラリリースもどきどきしましたね! いまの10代まで盛り上がっていたのは感動しました。

ふく 僕は世代的にはハイスタど真ん中ですが、彼らの全盛期はヴィジュアル系ばかり聴いていたのでメロコアやパンクはGOING STEADYにハマったぐらいでした。が! それでもハイスタのアクションには興奮しましたし、ハイスタだからこそ効果のある仕掛けでしたよね。ノンプロモーションでの発売に至るまで、関係者もCDショップも誰も口外する人がおらず、その“悪だくみ”を成功させたなんて最高に痛快じゃないですか。

 日本のバンドで言うと今年はMO’SOME TONEBENDERが久し振りに3人編成のライヴをしたり、Syrup16gが過去最大規模のツアーを回ったりと、大人リスナーたちが再びキッズのように目を輝かせてるのが印象的です。

DOTAMA 『DOTAMA BEST』(2016年)

ふく あと今年で印象的なのはラップブームですかね。福岡は『フリースタイルダンジョン』の放送がないので、あまりそういった熱を感じることが実はないんですけど(笑)。

 フリースタイルダンジョンはYouTubeで番組がフル試聴できていた時代で一気に盛り上がった感じがします。DOTAMAさんなど、その時期に勝ち上がったラッパーさんはその後も注目を集めていますし、追い風に乗れたのでは。最近の音楽シーンは時代的にちょっと1周回ってる感じありますよね。RIP SLYMEやKICK THE CAN CREWが出てきたのは我々が10代のときの、2000年初頭だったと思います。アラサーの青春時代の音楽と、いまの時代のモードがハマっている感覚もあるのかも。20代前半世代のロックも小細工なしのバンドが増えていると思います。2016年にメジャーデビューをしたヤバイTシャツ屋さんもメロコア界の異端児ではありますが、音自体はストレートですものね。

>> 海外市場で結果を残したベビメタと宇多田ヒカル

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