解散、復活、飛躍、活動休止……激動の2016年を振り返る~ONE TONGUE SUMMIT #6

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◆テン年代のターニングポイントとなる1年

 忘年会シーズンと「PPAP」&「恋ダンス」が重なって、なんだか最終的には2016年の日本の音楽界は星野源さんが完全に持っていった感じがしますね~。SAKEROCK時代から知っている身としては非常に感慨深いです。

ふく 星野源は久々に現れたJ-POPスターですよね。年齢的に若手ではなく特別イケメンでもないし、インストバンドの元メンバーがこんな形で一般的にブレイクするというのは記憶にありません。MUSIC STATIONスペシャルでも恋ダンスを大勢のお客さんが踊っていて「みんな忘年会用におぼえたんだろうな」と思いましたよ。


星野 源 – 恋 【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】

 今年も紅白歌合戦への出演が決定している星野源さんは、昨年が初出場。同じく2015年に紅白初出場を果たしたゲスの極み乙女。が12月3日のZepp Tokyo公演を境に活動を自粛しましたが、この日のライヴはわたしが観てきたゲス乙女のライヴのなかでダントツに良かったんですよね。

ふく ゲスの極み乙女。のなにが残念って、彼らは今がまさに脂がのっている時期で、後から振りかえったときにきっと「良曲揃いの黄金期」と称されるときにこんなことになってしまったんですよね。ゲスの極み乙女。もさることながら個人的にはindigo la Endの楽曲の充実度に舌を巻いているんですけど、自業自得とはいえこの足踏みは歯痒いなと思います。SEKAI NO OWARIやONE OK ROCKと一緒にどこまでいけるかを眺めていたかったのですが。

 ゲスの極み乙女。はやはり武道館クラスの若手ロックバンドのなかで抜群に演奏力や表現力があるバンドですし、indigo la Endはゲス乙女以上に作品ごとにアプローチを変えられるバンドなので、毎回リリースが楽しみなんですよね。復活を待ちわびています。

欅坂46 『二人セゾン』(2016年)

ふく 宇多田がカムバックし、SMAPは終焉を迎え、オザケンもついに新譜の発売が噂されています。アイドルシーンには欅坂46が鮮烈に登場と、後に2016年はテン年代の音楽シーンの転換点と呼ばれそうな気がします。そのぐらい、あまりにも刺激にあふれた1年でしたね。

 J-POPシーンも転換期でしたが、ロックバンドもその風潮がある気がします。20代前半のロックバンドの子たちが口を揃えて「やっぱり音楽はピュアな気持ちが大事」「自分たちが信じる音楽をやっていきたい」と言うんですよ。世間に媚びない姿勢を持った子が増えているんです。次いで多いのは「紅白に出たい」。自分たちの音楽で多くの人々を圧倒したい、という気合いを感じるバンドが多いので、これからの活躍を期待しています!

 

ONE TONGUE SUMMIT archive
#5 就職希望者に捧ぐ! ライター&編集者の山あり谷ありなリアル(2016.8.6 up)
#4 INTERVIEW OF CHICKEN ~臆病者2人の取材スタイル~(2016.4.28 up)
#3 アーティストのTV露出と日本の音楽文化の活性(2015.11.21 up)
#2 ストリーミング革命勃発! 音楽の聴き方はどう変わる?(2015.8.13 up)
#1 音楽ライター×地方誌編集者のフェス論’15(2015.5.28 up)

ABOUT AUTHOR
◆沖 さやこ(ライター)
2009年3月に音楽系専門学校卒。音楽ライターのアシスタントを経て、2010年5月からフリーランスライターとして活動を開始。横浜、大阪、伊豆に在住歴があり、現在は神奈川県屈指の城下町と江戸を往来する毎日です。ライターの傍らで実家の飲食店の手伝いもしてます。日本文化とダムと漫画と文学をこよなく愛す。→ワンタンマガジン内記事一覧

◆ふく(福島 大祐、編集)
福岡で情報誌の編集をしているエンタメ好きのアラサー男です。映画ページ担当。街の取材をしたり、いろんな人にインタビューしたり。音楽は「偏見をなくして触れる」がモットー。漫画も愛していて年間100冊以上買って読みます。多分。→ワンタンマガジン内記事一覧

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