流行に乗るよりは生み出したい――現在のバンドシーンに違和感を覚えるMade in Me.の“なるべくしてなる”論

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◆バンドマンの考え方はかなり凝り固まってると思う。だから僕らはその逆を行く

――“バンドシーンへの違和感”とは?

mim_201803_8優作 僕らはライヴハウスがすべての最前線だと思いたくないんですよ。EDM調のバンドは縦ノリのシーンがあるんだからクラブでやればいいのに、なんでライヴハウスでライヴをするのかなと思う。バンドの音楽性によって最前線は違うと思うんですよね。ストリートかもしれないし、ネットライヴかもしれないし――もちろんライヴハウスでがつがつ泥くさくやっていくのも好きなんですけど、それだけでは物足りないというか。

 究極的なことを言えば、ライヴハウスが盛り上がってないと思うんですよ。じょじょに取り戻しつつあると思うけど、なにをやるにしてもやる前から「それはだめだ」「あれはだめだ」と決めつけてるやつがたくさんいる。ストリートで弾き語りをしている人が30人くらいお客さんを集めているのを見てなにも思わないのかな? バンドマンの考え方はかなり凝り固まってると思う。だから僕らはその逆を行く。自分なりにかっこいいものを作りたい。

――クリエイティヴな活動をしているのは、反面教師から生まれたものだったと。

mim_201803_12 ライヴペイントをしていたり、タップダンサーがいたりするタイプのアーティスティックなバンドなわけではないし、そういう見せ方をしているつもりではなかったのに、周りからは「クリエイター気質だね」と言われたりするんですよ。そういう世界観が提示できているなら、新しいものを作り出せるのかなと思って。行動で示して、仲間のバンドがそれを「いいね」と言ってくれて連鎖していく――そういうムーヴメントが興せたらと思っています。型にはまった考え方をしてしまう、器用じゃないバンドマンが多すぎる。その不器用さが良さでもあるかもしれないけど、不器用すぎる。こういうことを言うと敵を作るかもしれないけど……こうやってちゃんと本音を言わないとだめだと思うんですよね。

――というと?

 僕は結構失礼な人間なんですけど、それは相手を卑下するため、攻撃するために言っているわけではないんですよ。日本人は変に気を使うことが多いじゃないですか。でもそういう関係だといつまでも本音は話せないし、かったるいなって。なんならちょっと相手が「むかつくな」と思ったところから話したい。気を使っている間は絶対に仲良くなれない。

優作 気を使って友達を作るくらいなら、本音を言って集まってくれる人だけが友達でいいじゃないか……ということが『孤独と不安のレッスン』にも書いてあったんですよね。毎年地元の仲間と開催している「SMDR」や、今年の3月からAwesome HandsomesC SQUAREDと開催する「C.A.M TOUR 2018」も、そうやって集まってくれたメンバーだなと思います。

――さっきおっしゃっていた“凝り固まった考え”もそうですけど、相手の話を聞き入れない人は多いかもしれませんね。だからこそMade in Me.がそういう拒絶……というと言葉は強いかもしれませんが、バンドシーンに対してそういう姿勢になるんだろうなとも思います。1月にライヴを拝見したときも、最近のバンドシーンのライヴというものに対しての反抗心が顕著でしたし。

mim_201803_13 いまは自分も“solitaire”という言葉に引っ張られているところがあるんじゃないかな……と思うんですよね。だからこそ敵を作って孤独になりにいってるのかも(笑)。

――主張をし合うのも大事ですが、お互い相手の話を聞いたり、問いかけるのも大事ですよね。

優作 会話のキャッチボールができない人は多いですよね。僕らは問い掛けが下手なんですよ(苦笑)。彦と僕は結構意固地なところもあるから。

――自分のこだわりをひたすら突き通したうえで把握できる自分の性質もありますから。いまのMade in Me.にはそれが必要なことなのかもしれませんね。

 でもたしかに、3月から6月にかけてツアーをやるうえで、その“問い掛け”というのは有効かもしれませんね。いま言われたことで、ちょっとは意識するようになるかもしれないです。

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「この先は細かいジャブをたくさん打ちたい」
バンドシーンへの違和感を持つ彼らがいま見据える成し遂げたいこと

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