モーモールルギャバン 【消えて】
モーモールルギャバンの6月12日にリリースされるニューシングル表題曲。今年の2月にゲイリー・ビッチェ氏に「IMPERIAL BLUEの曲はシラフで作ったと言ったらライターの沖さんが“これからはシラフで作曲してください!!”と言うので素直にシラフで曲作ってます」とつぶやかれてしまい、ええ~! わたしごときの意見をご採用いただくなんてほんとごめんなさい~!! って気持ちだったんですが、【消えて】聴いて確信。ゲイリーさんこれからもシラフで曲作ってください!!!(いやこれからもどんな方法でもいいです調子に乗りましたごめんなさい)
どうやらこの曲はゲイリーさんが単身インドを訪れた際に目にした火葬場の風景から着想を得ているそうです。「インドの火葬場は焚き火のよう」とのことで調べてみたら、ガンジス川の岸にはいくつもの火葬場が点在していて、多数の木片のなかに遺体をくべて火をつけて、灰を川に流すとのことで(※こちらのサイトに写真がありました)。その様子を眺めていたゲイリーさんが「日常と輪廻転生」をテーマに制作したものです。
モーモールルギャバンの根っこにあるものは【悲しみは地下鉄で】で表れているような切なさや繊細さだと思っています。でも照れ屋さん(?)だから、そういう部分をどーんと前面に出した曲は少なくて、だからこそ【パンティー泥棒の唄】とか【ユキちゃんの遺伝子】とか【ガラスの三十代】や【サノバ・ビッチェ】……挙げればキリがないほど、哀愁を感じさせながらもユーモアたっぷりの曲が生まれてきたのでしょう。
セルフプロデュースを始めた『IMPERIAL BLUE』以降の曲は、ソングライターであるゲイリーさんの等身大のピュアな感性が表現されているなあと思います。【消えて】はミュージックビデオも日常を切り取ったような映像が繰り広げられ、ずっとスローモーションで進んでいくところに日常の美しさを感じるだけでなく、我々人間はこのスピードで日々を過ごすことはできないんだな、人の一生はあっという間だな、だからこそ美しいのかもしれないな、と思ったりもしました。
あと、舞台が日常なのにもかかわらず、映るのは終始3人だけだったり、家にも生活感がなかったりして、現実のなかの非現実みたいな描写がとても鋭くてあたたかく、心地よかったです。今回も監督はモーモールルギャバンがインドで出会った山辺真美さん。モーモー×山辺さんのMVは今回で3本目だけど、どのMVも趣向が違うのに好相性です。
着想を得た出来事もテーマも重いものですが、重いだけのものにしていない楽曲のポップセンスやロマンチシズムもすごく優しく響きます。これぞ愛ですね……。愛ですね!! 最新作にも初期にもキラーチューンがある今のモーモールルギャバンは、過去一で最強なのではないでしょうか。(沖 さやこ)
◆Release Information
new single 『消えて』
2019.6.12 ON SALE
¥1,574+tax BZCM-1097
[CD]
1.消えて
2.RAINBOW WINE
3.消えて (Instrumental)
[DVD]
1. 消えて Music Video
2. IMPERIAL BLUE Music Video
3. 7秒 Music Video
◆Spotify
◆More Information
http://mowmowlulugyaban.com/
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