1曲1曲大切に届けたい ――miidaが作るライフワークとしての音楽

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――miidaが作るライフワークとしての音楽

L→R
沙田 瑞紀(Vo/Gt/Syn/Prog)
sugawara(Dr/Cho/Prog)

2019年10月に本格始動したmiida。ex.ねごとのギタリスト/コンポーザーの沙田瑞紀が、11年前に活動していたバンドメンバーであるドラマーのsugawaraを誘い結成された、2人組の音楽プロジェクトだ。ギタリストの彼女が歌うことも、ドラマーとの2人編成で活動していくことも、無所属での活動も、すべての理由は「音楽をライフワークとしていくこと」を目的にしたからだという。沙田の語るライフワークとはいったいどういうものなのか。そして彼女は現在、音楽とどんな付き合い方をしているのだろうか。沙田とsugawaraとの縁から、ふたりが抱いている音楽活動への想い、現在配信リリースされている2曲やこの先発表されるであろう楽曲の話題までを訊く。それらはすべてふたりの生き方の話へとつながっていった。

取材・文 沖 さやこ
撮影 井上ユリ(TwitterInstagram

 

miida-blue_ap◆miida(みーだ)
およそ12年間活動し2019年7月に解散したバンド・ねごとのギタリスト/コンポーザーの沙田瑞紀、ジャパニーズアーバンソウルを奏でるecke、ロックバンド SYMBOLのドラマーなどで活動中のsugawaraによる、2人編成の音楽プロジェクト。音源リリースもないなか、2019年10月4日下北沢GARAGEにて開催した初ワンマンライヴ「miida“firstshow”」のチケットは即完し、超満員のなか成功を収める。ボーカリストとして未知なる可能性を秘める沙田の歌声とsugawaraのタイトなグルーヴを軸にしながら、ミニマル、メロウ、ヒップホップなど、型にはまらない音楽表現の可能性を追求していく。

 

◆活動まるごとDIYで、いちから音楽を作るということをやってみたかった

――2008年頃、瑞紀さんとsugawaraさんは「today」というバンドを組んでらっしゃったんですよね。ヴォーカルは現在The Cheresaseraとして活動中の宍戸 翼さんだったと。

沙田瑞紀(Vo/Gt/Syn/Prog) そうなんです。わたしが高校生で、sugawaraさんは大学2年生で、宍戸さんは大学1年生で。1年くらい活動しました。

――sugawaraさんと宍戸さんは大学の先輩後輩同士。瑞紀さんは宍戸さんと同じ千葉県出身で、地元のバンドマンの先輩後輩という縁でtodayは結成に至ったんですよね

sugawara(Dr/Cho/Prog) 最初にスタジオに入ったときから、沙田はギターがうまくて。年下とは思えなかった。

沙田 その当時はポストロック全盛期だったので、sugawaraさんは入り組んでいて手数が多い、難しいプレイをしていて。「すごい!」って思ってました。でもわたしはおしゃべりなほうではないので、それをちゃんとsugawaraさんに伝えた記憶はないです(笑)。

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(L→R)沙田 瑞紀、sugawara

――ははは。1年ほど活動したのち、todayは解散することになって、瑞紀さんはねごとでデビューをする。それ以降、おふたりは年1くらいで連絡を取り合っていたんですよね。

sugawara たまに僕が「ねごとのライブ行きたい!」って連絡をして観に行ったり、そのあとまた連絡してちょっとお茶して「最近どんな曲聴いてる?」って話したり。お互い曲を作るので、曲作りに関する話もしてました。

沙田 sugawaraさんから「うちのバンドの新譜のコメントを書いてくれない?」って連絡が来たりね。sugawaraさんはtodayが解散したあとも、ずっとなにかしらバンド活動を続けていて、「ほんとに音楽好きなんだろうなあ」と思ってました。

sugawara ねごとは年々規模が大きくなっていて、すごく頑張ってるなあ、すごいなあと思ってましたね。でも同時に悔しさやうらやましさもありました。でも身近な人がどんどんステップアップしていく様子を見ているのは……楽しかったです。励みになってました。

――そんな11年間を経て、2018年の年末にねごとの解散が決定します。瑞紀さんはそのタイミングで「ライフワークとして音楽を続けたい」と思われたそうですが、現在フリーランスという形態で、インディーズシーンで活動しているのは、それが理由ですか?

沙田 そうですね。所属していた事務所もレーベルもすごく大事にしてくれていたので、「なんで残らないの?」と言ってくれたんですけど。自分はインディーズシーンに身を置いたことがなかったので活動まるごとDIYで、いちから音楽を作るということをやってみたかった。


ねごと – 水中都市 -LAST LIVE-

――ねごとは飛び級でしたよね。『閃光ライオット2008』で審査員特別賞を獲得して、自分たちでバンドを動かしていく経験がないまますぐデビューが決まります。

沙田 全方位守ってもらえる環境、チーム一丸となって動いていくスタイルで音楽活動を続けていました。

――わたしもねごとと5年間お仕事させていただきましたが、すごく大事にされていて、しっかり守られているという印象がありました。

沙田 そのぶん「自分はこの環境がなくなったとき、ちゃんと動けるのかな? ちゃんと自分で考えることができるのかな?」と思うようにもなったんです。だから解散という節目で、無所属の活動をしていこうと思いました。sugawaraさんと一緒にやっていきたいとお願いしたときにも、それは説明しましたね。

>> 沙田の「音楽よりも大事なことがあるから音楽を楽しめている」というツイートの真意とは? 音楽と生活の関係を考える

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