Awesome City Club 【4月のマーチ】

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Awesome City Club – 4月のマーチ (Music Video)

読者さんやアーティストさんからおすすめしていただいたMVを毎日紹介する「紹介されたMV紹介チャレンジ」。DAY34は、ロストマンさんからおすすめしていただいたAwesome City Clubの2015年公開のMV。年間の優れたミュージックビデオを表彰する音楽アワード「MTV VMAJ 2015」ノミネート作品です。

メジャーデビュー作品である1stアルバム『Awesome City Tracks』収録の、PORIN(Vo/Syn)さんヴォーカル曲。MVはガーリーな世界観に定評のある、コトリフィルムの佐渡恵理さんが監督し、振り付けをダンスパフォーマー/振付家/モデルのホナガヨウコさんが担当。PORINさんがコミカルなダンスを交えながら様々な衣装に「生着替え」させられていく、コケティッシュな魅力が花開く作品です。

男友達がこの曲を聴いたときに「大人に憧れる小さい女の子が背伸びをする話の曲だ」と言っていたんですが、わたしは「4月という新しいものが始まるときのわくわくと不安がごちゃまぜになった感情と、大人になった女性に潜む少女性の化合」にしか受け取れなかったです。「男はいつまでも少年」と言いますが、女性もなかなか心のなかの少女が消えないものですよね。

これは個人的な考察なんですけど、PORINさん以外のメンバーが扮するブルーグレーのスーツに身を包んだサングラス隊はたぶん「世間」や「外界」の象徴で、「手」が印象的なのは文字通り「手を加える」ってことだとも思うんですよね。彼らはてきぱきとPORINさんをめちゃくちゃ可愛くコーディネイトしていきます。しっかりその手と一緒に踊りを交えるPORINさんはしっかり踊れているしとっても可愛らしいのに、全然笑っていないんですよね。おうちで表情を明るくしようと鏡に向かって顔をほぐしていたのに。着せ替え人形みたい。だけどベッドの上で思うがままに飛び跳ねているときは本当に笑顔で、髪の毛をセットしていない部屋着の姿でも魅力的だったりするんですよね。それは「自由」の力だとも思う。

着飾っている状態と素の状態、それぞれのシーンで異なる魅力が輝くということだとも思うし、他人の手によって着飾った状態では笑顔を出せないというところも、まだまだ未成熟なニュアンスが出ている気がします。4月の曲でありながらブルーグレーがテーマカラーになっているところも、フレッシュと不安が融合したフラットな感覚がそのまま反映されているような。マネキンや馬車に掛けたウィッグを優しく撫でるシーンは、外に出ていくための大事なアイテムにも見えました。

そしてシンプルに、生着替えや部屋着のシーンにどきどきしちゃう自分がいましたね。あとはお部屋の小物がとっても可愛いところもポイント。ダイヤル式の電話……! 飾ってある雑誌(?)に「At last, no smudgy fingers」の広告が出ているところは、手が印象的な振り付けと演出とリンクされてるのかな。いろんな受け取り方ができるMVだと思うので、観た人同士でいろいろ考察を語り合うと楽しいと思います。ロストマンさん、おすすめありがとうございました!(沖 さやこ)

 

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Artist Page – Awesome City Club

◆Artist Information
https://www.awesomecityclub.com/
https://twitter.com/ccawesome

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