ガストバーナーが『Good Luck』で見せた立体的な音像 変わり続けるバンドの揺るぎないポリシーを探る
◆今後老いと戦う必要はあるけれど、それはそれで20代とは違う面白さがあると思う
――30代は20代よりも成長を実感できる機会が少なくなるので、それができるガストバーナーはとても理想的な環境なのではないでしょうか。
加納 本当にそうですね。……この前再結成したDOPING PANDAを観に行ったんですけど、解散前に観た時よりもかっこよかったし、感動したんですよ。すごくフレッシュで、観ている人間に昔の曲を懐メロと感じさせなかったし、何よりも新曲がすごく良かったんです！
はるきち あー、それはすごくかっこいいね！
加納 やっぱり僕も前のバンドにいた時と比較すると身体の感覚は違うし、あの時みたいに動き回れんなあと感じる瞬間はあるんです。でもDOPING PANDAを観て「40代になってもこんなふうにバンドができるんだ」と思って、まだまだ自分もいろんなことが試せるな、試していいんだな、まだまだやれるじゃんと刺激になりました。もっともっといい作品を作らなあかんなと思いましたね。今後老いと戦う必要はあるけれど、それはそれで20代とは違う面白さがあるんだろうなと思っています。
――ギリ昭和時代に生まれた人ならではの年齢の重ね方もできると思います。個人的には、多感な時期に90～00年代を過ごせた経験は財産だなと思っているんです。いろんなジャンルの音楽が盛り上がっていた時代だったので。
はるきち その影響かもしれないけど、僕らの世代ってジャンルに対する偏見がない人が多いですよね。ぎりぎりVOCALOIDも通ってるし。
加納 何もしていなくても、いろんな音楽が流れていた時代に幼少期から思春期を過ごしてますもんね。そのなかで自分はバンドを選んだけど、僕がバンドを始めてからも、アーティストの活動方法はどんどん増えていって、それも面白いなと思う。
はるきち みそっかすの頃もバンド以外にいろんなシーンの人と対バンしてきたんです。あんまり意識してなかったけど、幅広いジャンルの音楽を受け入れられることは幸運だなって。
加納 バンドが好きだからバンドを続けているし、その一方で最近は音楽に傾倒し始めた頃みたいに、いろんな音楽を聴き漁るようになってるんですよ。探せばかっこいい音楽はいっぱいあるなと実感しているし、いいと思うものはガストバーナーにも取り入れていきたいですね。
はるきち ガストバーナーも「ハロウィンパーティー」とかにはVOCALOIDっぽい要素がありますしね。バンドは終わったと言われてるけど、海外にはManeskinみたいなコテコテのロックをやってる若いバンドがいたりするし、またバンドの時代が来るのかなあとも思うし。
――そうですね。『Good Luck』でこれだけ手数が増えたとなると皆さんもやりたいことがさらに増えたのではないでしょうか？
はるきち そうなんですよ、だからめちゃくちゃ楽しいんです。リリースしたばっかりだけど、曲作りは続けてるしね？
加納 現時点で4曲くらい新曲ができてますもんね。作品をリリースしたばかりで「新しい作品はどんなものを作ろう？」と考えられているのは、今のガストバーナーにとってとてもいいことだと思っていますね。そんな経験をしたのは、バンドマン人生で今回が初めてなんです。今までは納期に追われることばっかりだったので……（笑）。今後も1年に1回、ちゃんとこだわった作品を出せるのが理想ですね。『Good Luck』リリースツアーを経てどんな曲ができるのかも楽しみなんです。
――『Good Luck』リリースツアーの対バンのお相手も、先輩、同世代、若手と様々ですが、確固たるポリシーを持ったバンド揃いです。
加納 今回のツアーはガストバーナーで初めて行くライブハウスや、ガストバーナーとして初めて会うバンドが多いんですよね。
はるきち 東京にはフルさん（古川貴之。ex.THE PINBALLS・Vo）の新しいバンド、MARSBERG SUBWAY SYSTEMも出てくれることになったしね。稲毛に出てくれるpostmanは名古屋の後輩で、2020年の「みそフェス」（※みそっかす主催のサーキットイベント）にも出てくれていて。今の時代にあの年齢でバンドをやってるって、かなりの音楽好きだと思うんですよ。だから若いバンドには期待をしちゃうし、実際postmanはかっこいいし。そういう意味でも一緒にやりたかったんですよね。
加納 若い子と競演できるのは楽しいですね。音楽のこともそうだけど、それ以外にもいろんな話を聞きたい（笑）。今の若い子たちは僕らよりもたくさんの情報のなかで育ってきているから、絶対的にスペックが高いんですよ。そのなかで感じてきたことを教えてもらうのはすごく勉強になるし、自分が生きていくうえでのヒントになるんですよね。
はるきち 老害にはなりたくないからねえ……（笑）。
加納 （笑）。まだまだ新しい物事を知りたいですよね。今回の7箇所のライブハウスの名前が載ったツアーフライヤーを見て、すごくうれしくて。久しぶりにツアーを回れるんだなという喜びが大きいですね。
はるきち ツアーらしいツアーを回れるのがうれしいよね。本当は北海道とか福岡にも行きたいんだけど、まずはちょっとずつ広げていこうかなって。やっぱりガストバーナーというバンドとして、１からやっていく気持ちでいかないといけないなと思うんです。『Good Luck』は難しい曲が多いから、このツアーを大成功させたら無敵になれる気がする。ライブを重ねて仕上がりつつあるガストバーナーを、皆さんに観ていただきたいですね。ここで自信をつけて、次のツアーでもう少し遠くまで足を伸ばせたらいいなと思ってます。
――『Happy』と『Good Luck』という2枚が生まれて、少しずつ活動のスケールも大きくなって、ガストバーナーの今後を楽しみにしている人は増えていると思います。
加納 だとありがたいですね。これからも自分が感動できるものを作っていきたいです。
はるきち そうだね。「これ前のとほとんど同じじゃん」みたいな曲やアルバムは作りたくない。
加納 だからインプットしていきたいですよね。アウトプットがうまくなるのは、経験を重ねた特権だと思うので。
はるきち 『Happy』の時はわざわざ2000年代のUKロックやオルタナの雰囲気を意識して作ったけど、『Good Luck』はどうせこの4人で鳴らしたらガストバーナーになるだろうなと思ったから、制限を取っ払って自由に好きな音楽を作ったんです。そしたら本当にガストバーナーの音になったんですよね。僕はいろんなジャンルの音楽が好きだから作る曲はずっと変わっていくと思うし、次の作品も好き勝手やったらガストバーナーになるんだろうし……この4人で鳴らせば何をやってもガストバーナーなんでしょうね。そういうの、すごくいいですよね。（了）
photo by 雷
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◆Release Information
2nd Mini Album『Good Luck』
2022.4.27 on sale
ドリルおじさんレコーズ
￥2,000.- (tax in) DOR-006
[Track List]
1. GoodLuck
2. ディストピア
3. Give me Money
4. ハロウィンパーティー
5. 悪夢
6. Rock is Dead
7. 星の海と月の舟
8. DANCE
Buy：https://gasandburner.base.shop/items/59016345
Streaming : https://linkco.re/Xv87pazq
◆Tour Information
「ガストバーナー 2ndミニアルバム『Good Luck』リリースツアー』」
◯5月28日（土）神戸・太陽と虎
OPEN / START 17:00 / 17:30
前売 3,000円（＋1D）
act/ ガストバーナー, folca, the twenties, ZOOZ
◯5月29日（日）京都・二条GROWLY
OPEN / START 17:00 / 17:30
前売 3,000円（＋1D）
act/ ガストバーナー, folca, the twenties, ヤジマX KYOTO
◯6月18日（土）大阪・寺田町Fireloop
OPEN / START 17:00 / 17:30
前売 3,000円（＋1D）
act/ ガストバーナー, （夜と）SAMPO, HERE
◯6月19日（日）名古屋・新栄CLUB ROCK’N’ROLL
OPEN / START 17:00 / 17:30
前売 3,000円（＋1D）
act/ ガストバーナー, シンガロンパレード, ミスタニスタ
◯7月16日（土）東京・池袋Adm
OPEN / START 17:30 / 18:00
前売 3,000円（＋1D）
act/ ガストバーナー, MARSBERG SUBWAY SYSTEM
◯7月17日（日）千葉・稲毛K‘s Dream
OPEN / START 17:00 / 17:30
前売 3,000円（＋1D）
act/ ガストバーナー, GRAND FAMILY ORCHESTRA, postman, SHIFT_CONTROL
◯7月23日（土）名古屋・池下UPSET
OPEN / START 17:30 / 18:00
前売 3,500円（＋1D）
act/ ガストバーナー, and more!!
◆Spotify
Artist Page｜ガストバーナー
◆More Information
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