フリーペーパーとウェブマガジン、ふたつの自主制作メディアが考える「いま発信したい」こと

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◆もっとちゃんとバンドさんの魅力を伝えるために
どうするべきかを考える

 FACEのコンセプトはさきほどおっしゃっていた「それほど知られていない良いバンドを広めたい」という気持ちなんですよね。

四関 はい。みんな知らないだけでこんなにいい音楽が溢れているのは勿体ない、知らない人に知ってもらうきっかけに少しでもなれたら……と思っています。フリーペーパーは気軽に持って帰れるし、形として手元に残るからちょっとしたときに読み返すことができるし。形に残せるもので伝えられたらいいなと。

 「形に残る」のは絶対条件だった?

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FACE号外「アナーキーインザ3K」号(左)と「FACE Vol.7」(右)

四関 わたしはスクラップブッキングが好きで、好きなものは切り取ってでも取っておきたくて。自分の好きなように形を変えることができる楽しみもあるかなって。だから好きなものだけ残してくれてもいいなと思っています。

 4号くらいまではCrest色が強めですね。

四関 最初のうちは室さんに企画を持っていって、「それならこのバンドはどう?」とおすすめしていただいていました。でも単純に自分が今知ってほしいバンドも出てきたり、何よりCrestのバンドさんをもっと広めたいと思って始めたのに、Crestに出ているバンドしか載っていなかったら広がらないなと思って。Crestに出たことがないバンドや少し界隈の違うバンドに出てもらうことで、両方向からつながりが広がればいいのかな……と考え始めて。そこから自分でブッキングするようになって5号(2015年3月25日発行)ではasobiusに表紙を飾っていただきました。

 FACEは撮り下ろし写真も多い。ページごとに景色も違うので、雑誌編集を学んだ人のページ構成だと思います。このページ数でそれをやれるのはなかなかすごいなと。ページを開くとまずライヴレポートが載っているのも特徴的ですし、いちばん写真が大胆に使われているページ構成だと思います。

四関 FACEの制作はスクールの先生が手伝ってくれていて、わたしが台割と大体のデザインを考えて、それを先生がイラストレーターに落としてくれるんです。CDを聴いてほしい気持ちもあるんですけど、まずはライヴハウスに来てほしいという気持ちが強くて。ライヴの臨場感も出したいので、それを紙で伝えるとなるとやっぱり写真だと思うんです。その写真も小さいものだけだと、何がなんだかわからないし。だったら1個どん!と大きく、そのときの雰囲気が出ているものをメインに持ってくるとその人たちを伝えられるかなって。

 バンドさんに合わせて誌面構成ができるのは紙の強みですよね。うちはウェブマガジンだし、わたし自身がウェブのテクニックを持っていないので、どうしても同じようなページ構成にしかできなくて。だからこそ撮り下ろし写真は固執したい部分でもあります。うちはライヴ写真は大体オフィシャルさんからお借りするんですけど、そういう場合は絶対にメイン画像を他のメディアさんとは違うものにしたいんですよ。でもアーティストサイドさんと相談すると、その意見が通らないことも多いので……そこをどう説得するかも編集に必要な能力だなと。少し話はズレましたが、やはりメディア運営において「ここでしか見られない」というのは大事ですよね。

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「FACE Vol.7」より。どちらも撮り下ろし写真

四関 そうですね。スクールの先生も「“ここでしか見られない写真”は大事だと思うよ」と言っていて。だからFACEもわたしが撮り下ろし写真を撮っていたんです。もともとカメラが好きでいろいろ持っているんですけど、やっぱり趣味程度の力量で。「もっとちゃんとバンドさんの魅力を伝えるためにはちゃんとしたカメラマンさんに撮ってもらいたいな」と思ったんです。

 キュウソネコカミやTHE ORAL CIGARETTESなどのオフィシャル・フォトでも知られるViola Kamさんや、ライヴ写真を中心に様々なバンドさんの写真を撮影しているMASANORI FUJIKAWAさんなどが撮り下ろし写真を担当してらっしゃいますね。

四関 Violaちゃんは残響shopの閉店イヴェントで撮影をしていたので、そのときに声を掛けて。FUJIKAWAさんはずっとお話したいなと思ってたんですけど、ライヴハウスだと忙しそうなのでなかなか声を掛けづらくて。そしたら偶然、街で見かけたんです! だから「チャンスだ!」と思って話しかけて、「こんなフリーペーパーをやっているんです」と話したら意気投合して、FUJIKAWAさんもたまたまオフだったのでそのあと3時間話し込んで(笑)。それから協力してもらうようになりました。

 へえ! すごい! 四関さんのまっすぐな姿勢が伝わっているんでしょうね。

>> すでに知っている情報しか載っていない媒体が多い

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