人情の街・亀有に音楽を――朝倉 駿×大泉スバル「葛飾スクランブル2017」開催記念対談

LINEで送る
Pocket

 

◆kisekiのイヴェントを観に行って「あ、バンドやりてえわ」と思った

――THE SNEEZEが解散してから、朝倉さんと大泉さんはどのような関係性だったのでしょう?

大泉 彼はkisekiというバンドを始めて、自分はアイドルのマネージャーをやっていたんですけど(※アイドルグループ「プレイボールズ」のマネージャーでもあり、ボールボーイという立場でステージにも立っていた。大泉は2017年9月9日をもって卒業)、駿とはことあるごとに飲んでましたね(笑)。俺はバンド活動を辞めてからバンドのことを俯瞰できるようになって、卑屈な感じではなく「バンド・シーンって意外と小っちぇーんだな」とも思ったし、アイドルというエンタテインメントのなかで活動することによって「いまバンド活動したほうがうまくいくんじゃないか?」とも思ったりもして。でもそのときは「アイドルのマネージャーをやってみたい」という気持ちのほうが強かったから。

朝倉 ふたりで飲みながら「アイドル界隈はこんな感じだよ」「バンド界隈はこういう感じだよ」と近況報告をして。やっぱり僕はスバルから人として影響を受けているし、ヴォーカリストとしても尊敬している男なので、ずっとスバルに「バンドやんなよ」と言っていたんですよね。

ktsk_sc3

(L→R)大泉スバル、朝倉 駿

――朝倉さんはTHE SNEEZEの解散から3ヶ月後、2016年10月にkisekiの初ライヴを行いました。

朝倉 僕もスバルと同じで、THE SNEEZEを辞めたことが自分のなかでも大きいんです。THE SNEEZEが解散してからkisekiの初ライヴまでの3ヶ月間で友達のバンドのライヴをいろいろ観に行ったり、お世話になっていた人に直接会いに行ったりして、「THE SNEEZEでこんなこともできたな、こういうこともできたわ」と思うことがたくさんあって。僕もライヴはエンタテインメントだと思っているし――だから「ORCHESTRA」(※2017年4月13日、渋谷clubasiaにて開催)というイヴェントはバンドだけでなく吉本興業の若手芸人が出演したり、フードを出したり、美容師がお客さんのヘアカットをして、それをカメラマンが撮影してSNSのアイコンにできる企画を立てたりして。

大泉 駿は頭おかしいから、チケットも普通に売るんじゃなくて、100日で10000枚無料音源を配布して、それを手に入れた人間だけが500円のチケットを予約できて、予約して音源を持ってきた人間だけが入場できるシステムを立てたんですよ(笑)。100日で10000枚なんて配れないと思うじゃないですか。こいつ配りましたからね。

ktsk_sc4

朝倉 1日100枚配ればいける!って(笑)。

大泉 時には捨てられながら、それを拾いながら……(笑)。

朝倉 (笑)。いろんなところで配りました。出演してくれたバンドの助けもあって、有り難いことに当日はたくさんのお客さんにも来ていただけて。そのライヴにスバルが来てくれたんですよね。

ktsk_sc5

大泉 駿が新バンドでヴォーカルをやると聴いたときは「いや、無理っしょ(笑)」と思ったんですけど……バンドでもなんでも、何かの中心になるのは人間力がある人や「こいつやっぱ面白ぇわ!」と思える、誰かの心を動かすことができる人だと思う。俺は「ORCHESTRA」を観に行って「あ、バンドやりてえわ」と思ったんですよね。駿に動かされました。

朝倉 スバルから「辞めるわ。バンドやるわ」というメールが来たときは、「マジか」という衝撃と「よっしゃ! やっとやるかこいつ!」という喜びと、いろんな感情が巻き起こりましたね。

>> 次ページ
朝倉と大泉に共通する異様なまでの「行動力」の実態を探る!

LINEで送る
Pocket

1 2 3 4 5
Tags:,