ザ・スロットル、自らレッテルを剥がした第2フェーズの“NEW侍ロックンロール”(前編)
◆思想がない音楽を作ることが、逆に思想
――2017年12月にリリースされた『A』は現在の5人のメンバーと、2017年10月に脱退した向後寛隆さんの6人で制作したアルバムなんですよね。6月におふたりが加入なさって、10月のワンマンライヴで『A』収録曲も多数披露なさっていたということは、制作はこの約3ヶ月の期間で行われたということでしょうか。
菊池 7月末あたりから曲を作り始めて、9月にレコーディングでした。
飯笹 加入してすぐにCDを作るという(笑)。
熊田 おまけにふたりはライヴで既存の曲も演奏しないといけないから、それも覚えないといけなくて。
成田 うん。ふたりは結構大変だったと思います。
高岩 急ピッチの作業はトレーニングにもなりました。CONNECTONEのスタッフさんとの話し合いで、「もうジャンルもごちゃ混ぜで、わけわかんないアルバムのほうがいいよね! 年代とかも関係ないよ」と言ってもらって――それが俺たちの考えていた“レッテルを剥がす”という作業ともリンクしたんですよね。
――路上ライヴをやめたあともレッテル剥がしはまだまだ続いていたと。
高岩 『A』が完成した現在も、まだまだレッテルを剥がしている最中です。『A』は「これからこういうことをやっていくから」という提示でもありますね。いままで“ザ・スロットルらしさ”を意識して曲作りをしてきたんですけど、今回はそれを削っていったから――その作業は結構ムズかった。ライヴでやり込んでいない出来立ての新曲をレコーディングしていくという状況だったので、音源化することを考えて曲作りしていきましたね。
成田 ふたりが加入する前に作っていた曲にキーボードとマシーンの要素を足しても、どうもしっくりこなくて。だから『A』には、このメンバーになってから作った曲だけが入っているんです。
――それまでのザ・スロットルは音楽を手段にして思想を伝えていくイメージがありましたが、今回は音楽的な側面で見せていくことや、音楽を楽しむことが主軸になっているのかな、とも思いました。
高岩 言われてみるとそうかもしれない。『A』の曲は歌詞もダサいし(笑)。「高岩 遼の歌詞は強すぎるから、聴き手が引いてしまう側面もある」と言われたんですよ。だからやわらかくて大衆的なものは意識したかな。なんも考えなくても口ずさめる、思想がないもの――そういう音楽を作ることが、逆に思想でもあるかなって。
熊田 哲学だね(笑)。「こういう作品にしよう」とは決め込まず、(曲調などは)自由に作っていきました。藍と博貴が入ったことで出来ることが増えて、あれもこれもと入れられて、今回はずっと想像していたこと、やりたかったことを実現できましたね。
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ザ・スロットル、自らレッテルを剥がした第2フェーズの“NEW侍ロックンロール”(後編)
『A』というアルバムに潜む意志や思想が明らかに!
◆Release Information
・Amazon:ザ・スロットル『A』
◆Release Live Information
THE THROTTLE NEW ALBUM RELEASE LIVE
【Live A Tokyo】
2018年1月25日(木)@東京 新代田FEVER
出演:ザ・スロットル(ワンマン)
OPEN 18:45 START 19:30
チケット前売り:¥3,300+D
【Live A Osaka】
2018年2月1日(木)@大阪 Live House Pangea
出演:ザ・スロットル(ワンマン)
OPEN 18:45 START 19:30
チケット前売り:¥3,300+D
◆More Information
ザ・スロットル オフィシャルサイト