メロディアスでファンタジックな“毒”ロック――名古屋の男女混合バンド・カヨを徹底解剖

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◆『CHITOSE E.P』を作ったことで、自分たちが本当にやりたいこと、こんなバンドにしていきたいというヴィジョンがしっかり固まった

――『CHITOSE E.P』に収録されている3曲も、それぞれ趣向が異なります。目指している音楽というと、先ほどおっしゃっていた“メロディアス”という部分でしょうか?

ワカ そうですね。メロディアス、サアヤの歌声、5人のアンサンブル――その3つを守っていれば、どんなことをやってもいいと思っているんです。

イケヅ あとカヨらしさというのは、今回のツアータイトルの「千歳行脚~回る毒にご注意を~」にもある、“毒気”がポイントだと思います。その毒というのはちょっとひねくれていたり、ちょっと変わった感じとか――『CHITOSE E.P』の2曲目の【Mu】はちょっとラップみたいになっていたり、歌詞も面白かったりして。そういうものを僕らは“毒”と表現しているんですよね。それはワカがちょっと引っかかるメロディを持ってきたりするので。

ワカ 耳に残るようなフレーズにしたいから繰り返しを入れたりしてますね。

――【千歳ダンス】はまさにそうですよね。「1、2、3」の歌詞とメロディが頭に残ります。

ワカ サアヤの声が映えるラインと、自分のいいと思うラインのせめぎ合いで作っています。フレーズもメンバーにイメージを伝えてそれぞれで作ってもらって、本当に気になるところだけ直してもらう程度だから、前よりも自由度が高くなりました。“毒”というワードが出てきたのは、今回の3曲を作れたからだと思います。結成当初からのハッピーでポップな要素に“毒”が入ったことでいまのかたちがあるのかと。


カヨ “千歳ダンス” (Official Music Video)


カヨ – Mu 【Official Audio】

――『UTATCHAINA』と『CHITOSE E.P』を作り終えたことが“毒”というワードを導き出した、“毒”という存在に気付くきっかけになったということは、曲を完成させたことでバンドが次のステップに進んだということでしょうね。

イケヅ たしかに。そういう感覚はありますね。

サアヤ 特に『CHITOSE E.P』の3曲を作ったことで、自分たちが本当にやりたいこと、こんなバンドにしていきたいというヴィジョンがしっかり固まったなー……と思っていて。だから本当に大事な3曲なんです。

――そのレコ発ツアー「千歳行脚~回る毒にご注意を~」の初日が2017年11月22日の新栄APOLLO BASEで開催されました。どんな1日になりましたか?

イケヅ 僕は緊張しいだからライヴの日はごはん食べられなくなるんですけど、その日は人生で初めて緊張しなくて。レコーディングしようと決めたあとにレコーディングをして、アー写を撮ってMVを録って、レコ発までの間にいろんなところでライヴもして、いろいろ準備もして――いままで積み上げてきたものをやっと見せられるんだ!という気持ちが強かったんですよね。だから初日がどんな日になったかというと……記念日?(笑)

一同 記念日!(笑)

kayo_ph10

イケヅ こっから始まるぜ!って感じだったから、わくわくしかなかったんです。だから終わっちゃったときは寂しかったけど、ツアーを回る原動力にもなっています。

ヒロミ 「やっと始まった!」感はすごくありましたね。だからやっぱり記念日かな(笑)。

モリシタ うん。記念日の意味合いもありつつ……いままで観てくれてた人たちにも「前以上にかっこよくなっただろ?」という新しいイメージを持ってもらうためにめちゃくちゃ気合いを入れました。本番は記憶がないくらい夢中だったし、楽しかったですね。

サアヤ そうだね! 色々準備をして、いろんな変化をしたうえでのレコ発ツアー初日で、ようやくスタートラインに立った気持ちで「どうだ! これがカヨです!」と言えたんですよね。たくさんのお客さんに観てもらえてうれしかったし、それと同時にもっともっといろんな人に観てもらいたいという気持ちが強くなりました。そういう意味でも、やっぱり記念日だなと思いますね。

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