絶えず変化し続けるロックバンドWOMCADOLE、その原動力の源とは(前編)

LINEで送る
Pocket

◆【クレヨン】に衝撃を受けて、10分後にはメンバーに「ごめん、こいつとバンド組むわ」言うてスタジオを出た

――樋口さんは古澤さんと別の高校に進学したんですよね。

古澤 高校に入った僕は違うバンドを組んでいて、サッカー部に入っていたんです。そしたら高校2年になったタイミングで、高1になった樋口とサッカー部の練習試合で再会したんですよね。

樋口 俺の高校のサッカー部の先輩がウザくてイキリで俺の敵やったんです(笑)。いっつも髪の毛の外ハネ意識しとって、「そんなん走ったら一瞬で消えるやろ! 俺はこんなに全力出して走ってんのに! おもんな!」と思ってて。そんな時にのりぴーと練習試合で再会しました。ぼっこぼこに負けました(笑)。

womcadole_2018_1_6

古澤 樋口の高校のサッカー部めちゃくちゃ弱かったんです(笑)。その時は樋口と「久し振り、最近どうしてる?」「曲を作ったりしてるよ」みたいに軽い会話をしたくらいで、そのあとに駅での再会があるんです。樋口に「どこ行くん?」と訊かれて「今からバンド練習」と答えたら「俺もついていくわ」と言われて。……樋口なんのために電車乗ろうとしてたんやろなあ(笑)。

樋口 (笑)。まあ取り敢えずついていったんです。

古澤 樋口はドラムがうまかったので、スタジオでまずドラムを叩かせて。そしたら「最近1曲オリジナル曲ができてん」と樋口が言い出して――それが【クレヨン】でした。その時に衝撃を受けて、10分後にはメンバーに「ごめん、こいつとバンド組むわ」言うてスタジオを出て、樋口と帰りながら「一緒にバンドを組もうや」と。それで中学時代のコピバンのメンバーを集めて結成したのがWOMCADOLEですね。

womcadole_2018_1_7

――結成してすぐにライヴハウスでライヴをするんですよね?

古澤 はい。僕らはライヴハウスに出られればメジャーデビューやと思ってたので「ライヴハウスに出てメジャーに行くぞ!」と言って大津のライヴハウスB-FLATの扉を叩きました(笑)。

樋口 車もタクシー代もない高校生の俺らはどこに行くにも電車移動と徒歩移動で。でも「曲できたしメジャー行ける!」と思ってました(笑)。

古澤 「【クレヨン】が世界を変える!」と思ってました(笑)。RADWIMPSのコピーとオリジナルを組み合わせて1回目のライヴをやって、そのライヴでバレー部に所属していたドラムが「部活で全国目指すわ」と言って抜けまして。2回目のライヴは3ピースになったので、僕と樋口ともうひとりでライヴ中に曲ごとにパートチェンジをするという(笑)。

womcadole_2018_1_8

樋口 そのパートチェンジも移動の仕方決めときゃいいのに、お互いどう移動するかわからんから当たりそうになったりしどろもどろしてたりして、めちゃくちゃおもろくて(笑)。のりぴーは中3からそのあたりまで曲を作っていて、作った曲とか歌詞をメモしてあるノートに赤ペンで赤線二重丸したり、「これは売れる!」みたいに書いてたりしてました。「Crying You」ってタイトルの曲があって……タイトルのくさみが!(笑)

古澤 おい! 中学生や!

樋口 そのノート、うちにいまもあるんです(笑)。

古澤 高校受験の時に塾からもらった小さめのノートに歌詞を書いていて、それを樋口に見せたりしてて、樋口は「おお! ええやんけ!」とか言うてたのにいまになってめちゃディスりすぎやろ!(笑)

womcadole_2018_1_9

――ははは。樋口さんが【黒い街】を書いたのも、高校時代ですよね。

樋口 そうです。ほんまうちのあたりはド田舎で街灯もないんで、陽が落ちたら真っ暗なんです。家の明かりしか見えへんくて。それを書いた曲なんですけど、俺、漢字を都会に使う「街」にしてもうて……。

安田 【黒い街】の実態は「暗い字(あざ)」です(笑)。

>> ドラマー安田吉希の正式加入と黒野滉大のバンド活動のスタート、WOMCADOLEの活動が本格化する2012年

LINEで送る
Pocket

1 2 3 4
Tags: