絶えず変化し続けるロックバンドWOMCADOLE、その原動力の源とは(後編)

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womcadole_2018_2_1絶えず変化し続けるロックバンドWOMCADOLE
その原動力の源とは(後編)

L→R
樋口 侑希(Vo/Gt)
古澤 徳之(Gt/Cho)
安田 吉希(Dr/Cho)
黒野 滉大(Ba)

2016年の活動再開の覚醒の背景を探るべく行った、滋賀出身のスーパーロックバンド・WOMCADOLEのヒストリーを辿るメンバー全員インタヴュー。前編では中学時代のコピーバンド時代の話題からWOMCADOLE結成、ライヴハウスに出演してバンド活動に本腰を入れるまでの経緯を訊いた。後編で語られるのは彼らが決勝まで勝ち進んだ『閃光ライオット2013』以降の出来事である。いままで語られることがなかった活動休止と活動再開の裏側、それを経てなぜWOMCADOLEは急激に変化をしたのか、1歩1歩ステップアップする現在の心情とは。バンドのメンタリティに言及する。

取材・文 沖 さやこ
撮影 安西 美樹

インタビュー前編:
絶えず変化し続けるロックバンドWOMCADOLE、その原動力の源とは(前編)

 

◆バンドとしては『閃光ライオット2013』出場以降が大変だった

――2013年、WOMCADOLEは『閃光ライオット』のファイナリストまで勝ち進みます。

黒野 滉大(Ba) 俺も前のバンドでその年の『閃光ライオット』にエントリーしていて。スタジオ審査の会場もWOMCADOLEと同じやって、終わってすぐ安田が、まだ結果出てへんのに「ここは通過点や」みたいな「俺ら受かったぜ」的なツイートしてたのよく覚えてます(笑)。

安田 吉希(Dr/Cho) おい!(笑) 厨二病こじらせててん! ほじくり返すなや!

古澤 徳之(Gt/Cho) 僕らは最終審査まで残ったんですけど、抜けたり入ったりしていたベースが最終審査の1週間前に脱退してしまったんですよ。僕らとしてはバンドを組んでからずっと思い描いていた場所やからあの4人で立ちたかったし、樋口も「やれるって! いけるって!!」と説得したんですけどどうにもならなくて。

安田 樋口のは説得というか根性論やけど(笑)。

樋口 侑希(Vo/Gt) 基本的にこんなマインドなので(笑)。

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樋口侑希(Vo/Gt)

古澤 それで滋賀の無料イヴェントの『Save the Birthday』のスタッフの女の子がちょっとベースをやっていたことがあるというので、その子でいくしかない!ということでその子をみちみちに鍛えて閃光ライオット最終審査当日を迎え……。

黒野 最終審査の様子は、俺も生放送で観てましたね。

安田 グランプリ発表の時に出場バンドが全員ステージに出てきて、グランプリのバンドが最後に演奏するんですけど、俺はそこでWOMCADOLEの名前が呼ばれるのを待っていたんです。でも樋口が耳打ちしてきて。「アンプの数が俺らじゃない」って。

樋口 うん。3ピースバンドやなと思った。

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黒野滉大(Ba)

――その年のグランプリはフィッシュライフでした。

古澤 賞なにも取れんくて、めっちゃ悔しかったですね。バンドとしてはそこからが大変でした。ベースが固まらんくなっちゃったのと、「閃光ライオットファイナリスト」だからほかのバンドと仲良くできんくなっちゃったんです。

――ああ、閃光ライオットがきっかけでお客さんも増えたりするし、それを面白く思わない人もある程度いるかもしれませんね。

古澤 安田には門限があって、樋口も家に帰ってたんで、打ち上げは僕だけで出ることが多くて。そのときにいろいろ言われたりしましたね。そういう人たちはもうバンドをやっていないですけど、しんどかったです。でもそういう経験があったからバンドが失敗しなくて済んだのかなとも思います。

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古澤徳之(Gt/Cho)

――そこからベーシストが安定しない時期が続き、前任ベーシストの堀江俊吾さんが2014年4月に加入します。

古澤 もともと堀江くんとは、僕がサポートで参加していたバンドで対バンしたことがきっかけで知り合ったんです。だから樋口と安田はほぼ堀江くんのことを知らない状態やったんですよね。WOMCADOLEはその年の3月に『夜明け前に』というアルバムを自主で出して、ツアーを回っていて。

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安田吉希(Dr/Cho)

安田 樋口と僕は高校卒業してすぐくらい、のりちゃんは大学生で、3人ともまだ免許を持っていなくて。ツアーの知識がなさすぎて新幹線でも間に合わないスケジュールを組んでしまったから、運転できるサポートメンバーが必要やなという話になったんです。

古澤 それでバンドが解散したばかりの堀江くんにサポートをお願いしました。

>> 堀江俊吾の脱退から3年弱。樋口、古澤、安田がいま思う彼とのバンド活動、そして脱退とは

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