1曲1曲大切に届けたい ――miidaが作るライフワークとしての音楽
◆音楽としての良さもある、新しくてかっこいい音楽を作りたい
――sugawaraさんの「miidaでこういう音楽をやりたい」というイメージとは?
sugawara 「新しい」と思える音楽を作っていきたいですね。「あの曲っぽいな」とか、「聴いたことある気がする」という曲だとつまらないなと思っちゃうタイプだから。オマージュみたいなものをちょっと入れたりとかは他のバンドでもやっているんですけど、新しくてかっこいい音楽を作りたいなって。奇を衒うというよりは、音楽としての良さもある新しいものを常に考えています。
沙田 sugawaraさんの作る曲はsugawaraさんの好きなものが色濃く出ていて、ビートの作り方ひとつにしても、sugawaraさんの「こういうことがしたい」がはっきり見えるんです。だから「じゃあこういうふうにしたら?」と提案もできるし、ブラッシュアップのしがいがもあって、うれしいしやりやすいです。
――この前ワンマンでやってらっしゃった13曲のうち、sugawaraさんの曲はどれなんですか?
沙田 【HOPE】【wagon】【taxi】。あと、【empty】が半分半分ですね。
――【wagon】はポストロック要素のあるドラムが印象的でした。
沙田 ですよね。本人もさっき言っていたけれど、sugawaraさんの作る曲はヒップホップとかポストロックとか、ルーツがちゃんと見えるのがいいなって。「流行りのビートをいれました」じゃない、自分が音楽が好きだからこそ生まれてくるものだと思います。
――となるとヒップホップ的なビート感が心地いい【good morning】は瑞紀さんの曲ですか。ねごとの時には見せなかった表情だと思いました。
沙田 ねごとの時は、ねごとに捧げたソングライティングが多かったので、ねごとに似合うものを考えて作っていたんですよね。ねごとというジャンル感を大事にしていた。そう考えると【good morning】はまったく別軸から生まれてきた曲です。
――そういう別軸の楽曲もありつつ、【Blue】のようにねごとの匂いがする曲もあると。
沙田 実は【Blue】はねごとの頃、ねごとのために作っていた曲なんです(笑)。
――あら、そうだったんですか。
沙田 解散が決まるまえに作っていた新曲のうちのひとつで。自分も気に入っていた曲なのでmiidaでやることにしました。今の自分で新たにメロディと歌詞を考えて書き直したので、ねごとの自分とmiidaの自分がドッキングしたような曲です。ただ、ドラマーが違うしアレンジも変わっているので、全然違う感触ですね。「ドラマーが違うとビートのノリもこんなに違うんだ!」と感じて、音楽は本当に正解がなくて面白いなと思って。【Blue】を作っていたときに、「これからはこのsugawaraさんのビートを正解にしていくんだな」という気持ちも出てきました。
――ねごとのために作っていた曲だから、なおさらそれを強く感じられたのかも。
沙田 うんうん。いちから作った曲は最初からsugawaraさんが叩くために作っているけど、【Blue】はノリが全然違う。そのなかでsugawaraさんは必死でくらいついてくれてて(笑)。それもうれしかったです。
――【Blue】にある「ねごとっぽいけどねごとじゃない」というグルーヴが、sugawaraさんの癖なんでしょうね。
sugawara 出ちゃいますね(笑)。
――歌詞もリスタート感があって、拝見したライヴ2回とも【Blue】が1曲目だったので、始まりの曲というイメージがあります。
沙田 そうですね。スタートダッシュの曲というか。背筋がピンとなる曲です。
>> 今後miidaはどのように活動していくのか。ふたりのヴィジョンとは