GOOD BYE APRIL 【リップのせいにして】
GOOD BYE APRIL / リップのせいにして Official Music Video
読者さんやアーティストさんからおすすめしていただいたMVを毎日紹介する「紹介されたMV紹介チャレンジ」DAY26は、millaさんからおすすめしていただいたGOOD BYE APRILのMV3本のなかから【リップのせいにして】をピックアップ。監督はイノウエマナさんです。
【リップのせいにして】はベースの延本文音さんが作詞を、ギターヴォーカルの倉品 翔さんが作曲を担当しています。同曲を収録したフルアルバム『他人旅行』はクラウドファンディングで制作され、ゲストアーティストにシンガーソングライターのコレサワさん、Official髭男dismのサポートパーカッショニストとしてもお馴染みのぬましょうさん、トロンボーンプレイヤーの湯浅佳代子さん率いるホーンセクションなど様々な方々が参加した、とてもゴージャスな作品となっています。
同曲の歌詞は、男女のすれ違いを男性視点と女性視点で描くという【木綿のハンカチーフ】方式。彼が口紅が不味いと言ったからつけるのをやめたのに、彼は口紅をつけていない彼女に魅力を感じなくなってしまって、真っ赤な紅使いのもとへと去ってしまう――というのが彼女の言い分なのですが、彼からしてみるとこれは口紅をいいわけにした心変わりなんですよね。くぅ~。
GOOD BYE APRILは“現代版ニューミュージック”を掲げており、この曲はその形容がばっちり合うレトロなポップサウンド。MVの舞台は古材と土壁でできた小劇場「ザムザ阿佐谷」で、多数のファッション誌や広告など、幅広い分野で活躍中のチバユカさんと柳澤宜典さんが出演しています。世界観に合わせた劇場とキャストの衣装と振り付け、リップとリンクさせたほんのりピンクの色味、メンバーさんを取り巻くステージ展開など、すべてがキュートでユニーク。メンバーさんのダンスも観られます。
お互いが知らないそれぞれの想いには。高揚や執念、冷淡さが潜んでいるというなかなかシビアな歌詞ですが、それをこういうサウンドや映像で届けられると初夏の風のように爽やかに感じられるので、映像や音楽の力は偉大だな~と思います。救いが生まれますね。昔どなたかが「音楽では人を殺せないけれど、言葉では人を殺せる」とおっしゃっていましたが、歌詞は言葉であり音楽だからこそ、言葉や音楽という範疇に収まらず、歌詞でしかできない表現が生まれるのでしょう。洗練された華やかなポップソング&ムービー。なかなか恋をするのが難しいこの時期にほろ苦く響きます。
GOOD BYE APRILはいつもクリエイティヴな取り組みをなさっているのですが、結成10年目突入を記念して今月から6ヶ月連続で配信シングルをリリース。その第1弾楽曲【サマーレインと涙の跡】が好評配信中です。最新のエイプリルサウンドにぜひぜひ触れてみてください。millaさん、おすすめありがとうございました!(沖 さやこ)
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