その日常はなぜ日常なのか――creature falls umbrellaの音楽に渦巻くグシミヤギヒデユキの思考

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◆聴いて心臓を鷲づかみにされる感覚がメロディ

――【クローゼット】は思い切りシンプルで、グッシーさんのメロディセンスが前面に出た曲。メロディが良くないと成立しないアレンジです。

この曲はAメロとBメロのメロディが二転三転してるんで、同じくらいアレンジも変わってて。ライヴで演奏しはじめたときと比べたらめちゃくちゃ変わってますね。最初はもっとテクい感じだったし、メロディももっと無理があったんです。それがどんどんどんどんシンプルになっていって、最終形がこれですね。サイダーガールの知さん(Gt)も音源になる前からこの曲を気に入ってくれていて。自分の好きな音楽の影響をそのまま落としこんでいる感じはあるかもしれないです。自分が好きな3ピースバンドのメロディ感というか。


creature falls umbrella「クローゼット」MV

――ギタリストで活動しているグッシーさんからは感じられなかったグッシーさんをたくさん知ることができました。歌詞の面もそうですし、何よりグッシーさんは印象に残るメロディを作る人なんだなと。

メロディに関しては、だいぶ昔に感傷ベクトルの(田口)囁一さんが「グッシーはメロディがいいね」と言ってくれたことがあって。こういう言い方をすると頭悪いかもしれないですけど……メロディはエモですね。聴いて心臓を鷲づかみにされる感覚=メロディかなって。このコードに対してこの音をはめるというセオリーはあるけれど、それがエモくなかったら絶対正解じゃないと思ってるんです。だから自分の感情的な部分がメロディには出ているのかも。「エモ」は僕にとってすごく大きなキーワードなんです。すごく美しいものなので、目指してるところでもありますね。

s__17A6691――少し話題が戻りますが、エモも自然に沸きあがるものですよね。人のなかから生まれてるものだから人工的とも言えるかもしれないけれど(笑)。

そうですよね、自分から出てくるものは自然なものなのか、それとも人工的なものなのか――。それは自分で答えを出さないといけないなと思いますね。

――グッシーさんの作る曲は自分を掘っていくことで生まれてくるものだと思うので、これからご自分で曲を作って歌っていくとなると、自分探しの旅が続きそうですね。

本当に。曲作りはずっと自分とにらめっこしてるような感覚ですからね。ギタリストのときは自分で曲を作らないぶん強気な部分もあるのかもしれないし、「俺、変なことしてるでしょ?」みたいな自負もあったりするし(笑)。でもこの6曲を作るときは本当に……ギターだけの音楽活動のときの自分を思い出して「なんであんなことやれてたんだろう?」と思うくらいでした。メンバーはふたりとも後輩だから自分が先導しないと、リーダーとして動かないとという気負いもどこかにあったけど、リーダーの資質はまったくないし、人間として防御力がすごく低い(笑)。このアルバムを作って自分は思ったよりも卑屈だし、打たれ弱いし華奢だしシャイだなと思いましたね。

――そのあとの楽曲のことももう考えてらっしゃるんですか?

自分のなかでは次のヴィジョンが見えつつあるところで、それは『mistletoe』からわりとガラッと変わる気がしてるんですよね。きっとそのあとも変わっていくんでしょうけど、『mistletoe』ではしっかりといまの自分のモードを残せたなと思っています。

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◆Release Information
mistletoe_jk1st Mini Album 「mistletoe」
2016/7/27(水)発売 ¥1,500(tax in)
【収録曲】
1. クローゼット
2. 彗星
3. トリガー・ハッピー
4. シリウス
5. 機械じかけの森
6. 題名のない絵画の中で
BOOTHで購入する⇒https://cfu-official.booth.pm/
アルバム特設サイト:http://creature-falls-umbrella.net/1st-mini/

◆Live Information
2016/9/3(土) 大塚Hearts+
creature falls umbrella企画【傘の下の音楽祭】
w/ Marmalade butcher / aquarifa / toah /
open 17:30 /start 18:00
adv 2500 / door 3000 +1drink(600)
チケット発売中:イープラス

◆More Information
creature falls umbrella official website

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