JARNZΩが最新作『Flick The Switch!』で提唱する“ボーカルバンド”とは？
◆楽器のバンドで歌っているような感覚
――『Flick The Switch!』は「ライヴではどう表現するのだろう？」と気になって仕方がない曲ばかりです。
KEIΩ 録音した音をループマシンからも出すんですけど、基本的にはそのライヴの場で出ている音にエフェクトをかけて、CDの要素を表現する形ですね。ライヴにはライヴの良さが絶対にあるので、同じ曲でありながら別ヴァージョンで聴かせることができるラインを探してます。CDとは違うかたちで聴けるならそれはそれで楽しいじゃないですか。すでにライヴで披露している曲もありますけど、ライヴは自由度も上がるのでどの曲もまだアレンジが変わってくる可能性がありますね。自分たちでもワクワクしながら挑めたらいいなと思っています。
――エフェクトのかかった声のなかで歌うのと、かかっていない声のなかで歌うのは、メインヴォーカルとして感覚的に違いはありますか？
C.ChanΩ そのままの声でハモると、ロックな自分の声だけが露わに出すぎて汚くなっちゃうこともあったので、すごく気を遣ってたんですよね。エフェクトのかかった声が飛んでくると、楽器のバンドで歌っているような感覚のなかに自分の声が在るので、思い切り歌えて感情を込めやすくなりました。
HIDEΩ まったく気にしてないとは言いたいところなんですけど、ループマシンの存在でリズムが前よりもシビアになっているので、そこへの気遣いは増えましたね。最初は大変で「この演奏法もうやめたいな」と思っていました（笑）。でもいまはこれが歌いやすいし、リズムがタイトな中での抑揚感のつけ方も上達したと感じてるので、挑戦してよかったなと思ってますね。
――6ヶ月連続ライヴのラストがレコ発ライヴとなっています（※JARNZΩ Go ahead !! Six months Live Final～NEW Album『Flick The Switch!』レコ発ライブ～。2016年11月26日、Shibuya O-nestにて開催）。
C.ChanΩ リリース後で、ファンのみんなもたくさんCDを聴いたうえで来てくれると思うので、また特別な空間が生まれることを楽しみにしています。
HIDEΩ 1年間この「ボーカルバンド」という音楽をやりながら走り続けた結果となるので、それをどう絡ませどう魅せるのかが勝負ですね。
SEIYAΩ ゴールとスタートが同時に起こるライヴだね。その日を出発点に、2017年いろんなことが待っているので、思いっきり走り抜けるためのスタートにします。
◆『Flick The Switch!』Disc Review
JARNZΩ
『Flick The Switch!』
2016.11.2 on sale
JAGASTAR RECORDS
1回目の再生ボタンを押してからの35分48秒。スピーカーから流れるその音に戸惑った。楽器……？ いや、そんなはずはない。2回目の再生で彼らの声の群れを感知した瞬間、閃いたのである。ギターやベースでさえエフェクターで歪みやうねりを増幅して音を作り出すのに、「声」を楽器とするアカペラという形態が今までそれをしてこなかったのはなぜなのか。そこへ果敢に手を伸ばし詰め込んだ、それがまさに「ボーカルバンド」というサウンドだった。加えて声だけの楽曲ほど人間くささが出るものはない。後悔、諦め、怠惰、憤り、失望――迷い抱え込んだ君に届かないはずないだろう？ 混沌とした群衆に放り込む10個のSwitch。キャッチしたなら迷わず弾け。その暗闇はあふれる光で照らされ道は拓く。機械混じりの楽曲が続くなか、アルバムのラストを飾るのは声のみの弦楽合奏をイントロに流れる「ZERO」。その旋律で不意に涙が流れたのだから、やはり彼らはアカペラを愛していると思った。今までを壊すのではない、貶めるのではない。自らの声を楽器であり武器としたその音色（おんしょく）で、時代を塗りかえるための1枚だ。（みきちぱんだ）
◆Live Information
JARNZΩ Go ahead !! Six months Live Final
～NEW Album 『Flick The Switch!』レコ発ライブ～
【日程】2016年11月26日（土）
【場所】TSUTAYA O-nest
【時間】open 18:00/ start 18:30
【料金】前売:¥3000+D 当日:¥3500+D
【出演】JARNZΩ [Guest]D-51
【お買い求め方法】メール予約、プレイガイド、TSUTAYA O-nest店頭
◆More Information
JARNZΩ official site
