長く音楽を続けたい―― 歩みを止めず進み続けたBrian the Sunの10年（後編）
◆自分の思っていることを思っている通りにやりたいからギターを持って歌っている
――本当に一歩一歩進んでいますよね、Brian the Sunは。
白山 それしかできひんし、それでいいと思っています。それは僕らが自主でやっているときからのポリシーというか、イベントの規模の上げ方もそういう方法を取ってきたので。いまいろんな人と関わりながらもそのペース感でできているのはうれしいですね。地に足ついた状態でいたいから。
――いまは音楽のことだけを考えられる環境にありますし。
森 うん。集客とか考えなあかんのかもしれへんけど、それは俺の仕事ではないから。
――そうですね。この前の『Maybe』のレコ発ツアーファイナルのLIQUIDROOM公演も、THE ORAL CIGARETTESのパーカーを着ている女の子や、04 Limited SazabysのTシャツを着た男の子も多くて、スペースシャワー列伝2015からBrian the Sunの音楽を知って、いまもBrian the Sunの音楽が好きでいる人たちがたくさんいるんだなと思いました。
白山 Brian the Sunのライヴって面白いんですよ。ディッキーズ履いてるキッズの横に普通の恰好をした親子がいたり、最前列にカップルがおったり。普段は荷物を全部預けてライヴハウスに暴れに行く、みたいな感じの子が、僕らのライヴが終わって汗ひとつかいてないんですけど、満足した顔をしている。それはめっちゃうれしいことなんです。
小川 「あ、俺らの音楽が好きなんや」と思うな。
白山 うん。「音楽が通じたんや」と思う瞬間ですね。ツアーファイナルのリキッドも、すごくフロアがいい雰囲気で。僕らも自由に羽を伸ばしまくった結果、まったく時間のことを考えず本当に気持ちよくやらせてもらって、あんな長尺のライヴをしてしまうという（笑）。
――あははは。アドリブのアンコール、すごく良かったですよね。メンバー全員が気持ちのままに進んでいって、音楽が止まらずにどんどん沸き上がっていくのが痛快でした。
白山 言葉の通り「ライヴ」でしたよね。
――そうですね。台本がきちんとあるショウでは感じられない高揚でした。もちろんそういう表現方法はひとつのかたちだと思うんですけど、いまのBrian the Sunはどんどん、そのときそのときの自分たちで体当たりしても、それがしっかりと様になる、そしてBrian the Sunにしか作れないものになっていると思います。
白山 メジャーデビューをして、「そんなに意地張って音楽やらんでも大丈夫なんや」とも気付いたし、そこから半年経って自分たちのかたちみたいなものを見つけられたかなと。その感じで広げていけてるのは本当にうれしいです。
小川 より自然に過ごせるようにはなってますね。
森 僕らのライヴはエンタテインメントやショウとは若干違う気がするから。……うちの親父が落語家なんですけど、「（演目が決まっている）落語でどうやって個性出すねん」と聞いたときに「模倣を完璧にやりきったうえで出てくる色が本物の個性や」と言われて、なるほどなと思ったんです。完璧なショウにも毎回微細な違いはあって、それはそれで楽しいものやと思うんですけど、自分はそれとはまた別軸で、自分の思っていることを思っている通りにやりたいからギターを持って歌ってる。「今日のライヴ、ハッピーで良かったですね」と言われたら「じゃあ違うことやってみようかなあ」と思ったりもするし（笑）。……ああー。ツアーしてないとき落ち着かへんわ。早くツアー回りたいなあー。始まるまでの間しんどいなあー……。
――（笑）。ツアーとライヴ遠征は違うものですしね。
小川 いま俺ら、30分ライヴに苦戦中なんですよ（笑）。
白山 原点に戻ってるな（笑）。今年からフェスに出させてもらえるようになって、いちばん小っさいステージで、入口から遠くて、それでも観に来てくれた人たちに対して30分でどうするのか――これはいまのBrian the Sunの課題ですね。
――その課題は間違いなくステップアップしている証だと思いますよ。Brian the Sunは牛歩かもしれないけど、本当に止まっていないなと。
森 休むときは解散するときですね。休むのは無理っす。1回離れたら、みんながみんな自分のことしてまうと思うから。
白山 活動休止からの再始動はない気がする。まだ駿汰だけ海外でライヴをしていないので、その埋められないグルーヴをなんとかしなければいけないというミッションもあるし（笑）、メジャー1年目なので、まだまだ止まってられないですね。来年結成10周年で、メンバーが26～27歳になって。20周年にはどんな顔してるかが楽しみです。
――メジャーというフィールドは、ソングライターとしてプレッシャーも大きいと思いますが。
森 ……大丈夫です。たぶん。売れると思います、俺らは。たぶんね。
――根拠はありますか？
森 ないです。根拠のある自信なんて、脆いっすよね。意地でも（メンバーを）食わせますわ。
――頼もしい。楽器隊もパワーアップしてますしね。
森 まだまだっすけどね！（笑）
田中 邁進します（笑）。
森 がんばってくれたまえ！（笑）
白山 （笑）。36歳もこんな感じで迎えられるといいなと思ってますね。
Brian the Sun 『パトスとエートス』Music Video Short Ver.
Brian the Sun（ブライアン・ザ・サン）
2007年5月、大阪にて中学の頃から音楽活動をしていたVo.＆Gt.森を中心に同じ高校の軽音部だったBa.白山とバンドを結成。2008年夏にメンバーで「閃光ライオット2008」決勝に出場、準グランプリを獲得。その後、何度かのメンバーチェンジを経て、2010年1月にGt.小川、2011年4月にDr.田中が加入し現在のメンバーとなり、本格的に活動を開始する。2012年7月に初の全国流通盤となるシングル『Sister』をリリース後、東阪のレコ発ワンマンを成功させるなど、インディーズシーンにその存在感を示す。2013年からはSPACE SHOWER MUSICと契約し、活動の幅をさらに拡げ、２枚のミニアルバム『彼女はゼロフィリア』『シュレディンガーの猫』と２枚のフルアルバム『Baked Plum Cake』『Brian the Sun』をリリース。全国規模でのリリースツアーや、各地でのフェスやサーキットなどへ数多く出演。ライブを中心に精力的に活動。2015年には「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2015」への出演も果たし、バンドとしての実力と実績を確実なものとした。2016年1月、ソニーミュージックレーベルズのEPICレコードジャパンと契約。6月1日に発売となるメジャーデビューシングル『HEROES』は、集英社「週刊ジャンプ」にて連載中の大人気漫画「僕のヒーローアカデミア」のTVアニメ（MBS系全国28局ネット）のエンディング曲に大抜擢。メジャーデビュー日の翌日 6 月 2 日からは、全国 18 か所で行われるライブツアー “Brian the Sun TOUR2016「HEROES」”をスタート。全国各地での大型夏フェスにも参加した。続く9月6日にはセカンドシングル『Maybe』をリリース、この楽曲は、講談社『good!アフタヌーン』にて連載中の漫画「甘々と稲妻」のTVアニメ（MXTV、読売テレビ他）のエンディング曲として採用され、10月から11月にかけてはシングル『Maybe』のリリースツアーとして全国６か所での対バンライブを敢行。2017年1月11日には、メジャー1stフルアルバム『パトスとエートス』をリリース。表題曲「パトスとエートス」は、TBSテレビ「SUPER SOCCER」のエンディングテーマに決定している。
（オフィシャルサイト／オフィシャルTwitter／オフィシャルFacebook）
◆Release Information
Brian the Sun『パトスとエートス』
2017.1.11 on sale
・初回生産限定盤（CD＋DVD） ESCL-4682~3 ￥3,333 (without tax)
DVD内容
『Brian the Sun TOUR 2016 “HEROES”』ツアードキュメント
『Brian the Sun TOUR 2016 “HEROES”』2016.6.18 渋谷クラブクアトロ ライブ映像
「しゅがーでいず」ミュージックビデオ
・通常盤（CD） ESCL-4784 ￥2,700 (without tax)
Amazon：パトスとエートス(初回生産限定盤)(DVD付)
Amazon：パトスとエートス(通常盤)
◆Live Information
メジャー1stアルバム「パトスとエートス」リリース記念スペシャルLIVE
・2017年2月11日（土・祝）Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
開場 17:30 / 開演18:00
・2017年2月17日（金）Music Club JANUS
開場 18:30 / 開演19:00
各公演￥2,000（税込）整理番号付
※ドリンク代 別途必要（東京公演￥500 大阪公演￥600）
※席種：全自由
◆More information
Brian the Sun official website
