絶えず変化し続けるロックバンドWOMCADOLE、その原動力の源とは(前編)
◆借り物の言葉では伝えられへんな、自分の言葉じゃないとあかんなと思った
――樋口さんがギターヴォーカルに転身したのはどのタイミングだったんですか?
古澤 僕が中学を卒業した後ですね。樋口の「好きな子に告白したい」という気持ちが高まって、中学3年生の文化祭で樋口はRADWIMPSのコピバンとして「ロコモコ」ってバンドを組んで、ギターヴォーカルを始めたんですよ。
安田 「フランクフルト」といい「ロコモコ」といいバンド名全部食べ物すぎん?
――もしかしてその「好きな子」というのはWOMCADOLEの最初期曲である【クレヨン】で歌われている初恋の子のことですか?
安田 サッカー部で樋口が右サイドばっか走ってたのも、その初恋の子が影響してるって言うてなかったっけ?
樋口 そうそう。サッカー部の横で初恋の子の入ってた部活が練習をしていて。右サイドに行けばよりその子の近くに行けて……走りが速いとかっこええからそこでめちゃくちゃ走ってました(笑)。
――(笑)。文化祭ライヴで告白は成功したんですか?
樋口 けっこう近い位置で観てくれていたんですけど、俺は緊張しすぎて保護者席しか見てられんかった(笑)。ラストの3曲目で「好きな子のために練習してきました」と言ってRADWIMPSの【もしも】(※2003年5月リリースのシングル曲)を歌うという……青かったっすね(笑)。でも「あれだけじゃ伝わってへんな、やっぱ借り物の言葉では伝えられへんな、自分の言葉じゃないとあかんな」と思ったんです。そこからオリジナルを作ろう、と思ったんですよね。
古澤 ……なんか樋口はロマンチックに言うてますけど、実際のところは、樋口はステージで演奏したあとにちゃんと電話なりメールなりで気持ちを伝えることをせえへんまま、もたもたしてたら好きな子をほかの男に取られてもうたんです(笑)。
樋口 中学生のザコい感じ!!(笑) 取られた悔しさもあるし、ちんたらしてた俺にも腹が立ったし……そういう気持ちがなかったら俺はオリジナルを作り始めてへんと思います。気持ち的にはコピバンで歌い始めたあたりから音楽でやっていくつもりでしたね。高校も行かんとしようとしてたくらいやった。
――なぜ進学を?
樋口 先生が「高校は行っとけ」って言うから。
安田 真っ当な大人の意見に従ったわけやな(笑)。
>> 樋口と古澤の再会によりWOMCADOLE結成。ライヴハウスデビュー、パートチェンジを繰り返しながら続けるバンド活動の実態は