絶えず変化し続けるロックバンドWOMCADOLE、その原動力の源とは(後編)

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◆【ワンダー】をこの4人でWOMCADOLEとして鳴らした時にグワッ!とくるものがあったし、直感で「これはいける!」と思った

――WOMCADOLEは活動休止前と活動休止後でガラッとバンドのモードが変わりましたよね。『ワンダー/オモチャの兵隊』と『15cmの行方』はバンド像も明確に定まった、迷いのない作品だと思いました。

樋口 それまで俺はひとつのテーマを何本も枝を作って広げることができんかったんですけど、あの時生まれた赤い気持ちで、めちゃくちゃたくさん曲が作れたんです。そう考えると全部俺にとってなければいけなかった時期やったと思うし、あの時のことはいまでも絶対忘れられへんから。……【ワンダー】とか、めちゃくちゃ素直に作れたんですよね。

――そうですね。気持ちが混じり気なく伝わってくる曲だと思います

樋口 俺はしゃべりで意思を伝えるのがめちゃくちゃ下手くそやから、ひとりの世界に入ってしっかりバァーッと作るほうが気持ちを伝えやすい。だからその時の気持ちが全部こめられた【ワンダー】をこの4人でWOMCADOLEとして鳴らした時にグワッ!とくるものがあったし、直感で「これはいける!」と思った。このCDを持って一つひとつのライヴハウスを回れたこともすげえ俺にとってでかいことなんです。その景色を見た気持ちから【唄う】(※『15cmの行方』収録曲)も生まれたんですよね。

古澤 そのあとは前向きに進んでいて現在に至る――って感じですね。沖さんは活動再開以降の僕らと話してくれてるから、あとは知ってくれているとおりです。

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――初めてお会いする前からWOMCADOLEの存在は知っていたしリード曲を聴く機会はあったけれど、駆り立てられたのは『15cmの行方』の収録曲を聴いた時でした。でも、それはそれまでにみなさんがいろんなことを乗り越えたからだったんですね。

樋口 ほんまいろいろありましたよ! いまちょっと俺ダウナーなんですよ。ちゅうても、いい感じのほうのダウナーなんですけど。

古澤 自分たちを客観視しながら言葉にしていく機会がいままでなかったもんなあ。いま樋口は初めてそれをやったことで原点回帰してるっぽいんです。

樋口 こうやってじっくりバンドのことを思い出しながら話す機会がいままでなかったし、10代の頃から友達にも本心をしゃべっていくような人間ではなかったし……おかんにもなんも言わんまま音楽をやることだけ言うて、これまでずっと自分のことをしゃべらずに生きてきたんです。だからこそ自分のなかでためこんだりもしていたし、それはいまも変わっていないと思う。だからこそ音楽を作っているし、まず自分に歌っていると思う。……もうね、こういう話をしてくると音楽したくなってくるんですよ!

安田 あははは! まあ「ダウナー」って言い始めたあたりからその感じうすうす気付いてたけど(笑)。

樋口 ギター弾きながらしゃべったほうがうまくいくかもしれん。次のインタヴューそれでやってみましょう!

――あははは。黒野さんも存在感が出てきて、バンドとしてもどんどん面白くなっているなと思っています。

安田 そうなんですよ。黒野のドヤ感、ちょっと腹立ちますよね(笑)。

黒野 カラオケで歌うのすら拒んでた音痴の俺がライヴのステージで歌ったりもして、自信がついたんです。それがベースに影響出てきたりもしていますね。

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古澤 ほんま!? 黒野の言うてること、ふざけてんのか真面目なんかわからん!(笑)

黒野 これはほんまやって! まじで人間味がベースプレイに影響出るなってめっちゃ思います。

安田 いまの4人は信頼し合っているからこそいろいろ意見を言い合えていて、関係性も心地いいし楽しいんです。いまは4人一丸となって突き進んでいる感覚がありますね。

――それはなにより。これからもWOMCADOLEは「いま」を鳴らして前に進んでいくんでしょうね。

古澤 黒野が入ってからの3年弱で、みんな顔つきが変わったなと思うんですよ。特に黒野は憎たらしくもなったしかっこよくもなった――それは自分を出してきたということやと思うし、自分らしさをこのバンドに入れたいと思うようになったんやなと思うんです。このバンドはまだまだ変わると思いますね。

黒野 俺、ずっと怒らない人間やったんですけど、それはなんも考えてへんとペラッペラやったからなんです。人生経験を重ねて中身ができてきて自分を持つようになると、キレないことなんてないんやなと実感してます。WOMCADOLEに加入して人としての器がでかくなったというか、器のなかに中身が入った気がしていますね。

安田 つねに前回を超えないといけないという使命感に近いものがあるんです。毎回それを更新し続けている感覚はあるので、これをさらに更新するためにはメンバー各々の人間力が重要やと思っているところですね。

樋口 バンドは楽しいっすね。まだまだいろんな音楽がしたい。もっといろんなことに挑戦したい。それは曲作りもライヴもそうやし。俺たちならそれができると思っています。人間は変わり続けるし、俺らはマグロみたいに止まると死ぬ。これからも俺らは最強のスピードで、その瞬間瞬間で生まれるスピード感で体当たりし続けなければ、突進し続けなければいけない――。これからもやったります!

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womcadole_a_photo201811WOMCADOLE(うぉんかどーれ)
樋口侑希(Vo/Gt)、古澤徳之(Gt/Cho)、黒野滉大(Ba)安田吉希(Dr/Cho)の4名からなる滋賀発関西から全国にかけて活動する4ピースロックバンド。初期衝動を遥かに凌駕する速度で瞬間沸騰する4名による爆音。躊躇わずに、最短距離で、オーディエンスの左胸に放たれ続ける樋口侑希の唄を武器とする。2011年結成。精力的にデモ音源のリリースを重ね、全国でライヴ活動をし、2015年8月待望となる全国流通盤「ワタシノハナシ」をリリース。2015年12月メンバーの脱退によりバンド活動休止。2016年7月1日、ベーシストに黒野滉大を迎え活動再開。完全会場限定Sg『ワンダー/オモチャの兵隊』を携えて全国でのライヴ活動を行う。2017年1月11日に2nd mini Album『15cmの行方』をリリース。リリースツアー「俺らは生きているんだツアー」はバンドのホーム滋賀B-FLATワンマン公演、ファイナルの東京下北沢SHELTERワンマン公演などソールドアウト公演を連発して盛況に終えた。9月には初シングル『アオキハルヘ』を、2018年3月には1st FULL Album「今宵零時、その方角へ」を発売。春から夏かけてリリースツアー「己の心に吠えろよツアー」を開催し、ファイナルの東京ebisu LIQUID ROOM公演はかつてない熱狂を引き起こした。次なるアクションが注目されるなか、11月28日には2ndシングル『ライター』を発売し、東名阪CLUB QUATTRO公演を含む「己の炎を絶やすなツアー」を開催する。
official siteofficial Twitter

 


【MV】ライター/WOMCADOLE

 

◆Release Information
 
2nd Single「ライター」
2018.11.28 on sale
写真左:初回盤(CD+DVD)¥2,200+税 UNCR-08~09
写真右:通常版(CD)¥1,000+税 UNCR-12

◆Tour Information
「己の炎を絶やすなツアー」
2018年
12/5(水)MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
12/14(金)北海道札幌COLONY
12/21(金)新潟CLUB RIVERST
12/22(土)長野松本LIVEHOUSE ALECX
2019年
1/17(木)東京渋谷CLUB QUATTRO
1/18(金)愛知名古屋CLUB QUATTRO
1/31(木)大阪梅田CLUB QUATTRO
※全公演ゲストバンドを1組迎えた2マン公演です。
※全公演チケット一般発売中。詳細はWOMCADOLE OFFICIAL SITE

◆More Information
WOMCADOLE OFFICIAL SITE

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