まだまだ諦めたくない、叶えたい――人生を歌い続けるQaijff 森 彩乃が燃やす音楽への情熱

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◆自分たちの思うがままに音楽をやれる環境を作れているからこそ、もっともっとバンドを広げていきたい

――Qaijffは2016年から名古屋グランパスのオフィシャルサポートソングを書き下ろしていますが、書き下ろすごとに楽曲にはスタジアムの情景が生々しく映し出されている印象があります。

 毎回「グランパスの応援歌」という同じテーマの制作なので生み出す大変さ、苦しさがある反面、テーマは同じでも毎年選手が入れ替わったり、戦術も変わったりするので、いざ着手してみると曲にしたいことは毎年違うんですよね。チームやサポーターの皆さん、グランパスファミリーとの関わりを経て、年月を重ねるごとに思い出も増えていくし思い入れも強くなりますし、掘り下げてアップデートしていけたらと思いながら毎回制作しています。

――同時にこの10年で、Qaijffの状況も目まぐるしく変わっていました。

 本当にそうですね。メジャーデビューして、いろんな経験をして、コロナ禍があって、三輪が活動休止をして、独立をして、乳がんになって……。グランパスの状況とリンクしたり、チームからものすごいパワーをもらったり。伝えたい思いや書きたいことは毎年浮かんできますね。

――2024年の名古屋グランパスオフィシャルサポートソング「誇れ」は、その象徴のような曲だと思います。

 2023年4月に乳がんを公表して、そのあとすぐのグランパスのホーム戦で、サポーターの方と選手やチームが一丸となってサプライズででっかい横断幕を用意してくれたんです(※外部リンク)。ほんとにびっくりして、めっちゃくちゃ号泣して。そうやって応援してもらって、あらためて思ったんですよね。何万人といるサポーターの中にはわたしよりももっと重い病気の人もいるかもしれないし、同じ乳がんの人もいるかもしれないし、家族が大病を治療中という人がいるかもしれない。だからスタジアムにいる人はもちろん、来たくても来れない人にも、心から音楽で返したい、あのとき感じた喜びや思いを全部曲に込めなきゃという気持ちで「誇れ」を作りました。

 「チームはどうしたら強くなれるんだろう」と真剣に考えたときに、そこに集まる人たち全員が自分自身に誇りを持っている状態なんじゃないかなと思ったんです。実際にプレーするのは選手だけど、その選手を支える監督やコーチがいて、それを支える大勢のスタッフがいて、それを応援するグランパスファミリーがいて、Qaijffがいて。そのなかには病気になったわたしもいて、つらい思いを抱えている人もいて。だけど全員が自分の人生に誇りを持ったポジティブな状態で、みんなでスタジアムで集まりたいなと思ったんですよね。

――そんな強い思いが込められた「誇れ」を経て、Qaijffが今年リリースする名古屋グランパスオフィシャルサポートソングは「掴まえろ頂点を」。

 「誇れ」が自分たちとしてもすごく大事すぎる曲になったのと、やっぱり引き続き担当させていただいているぶん毎回「前回を超えないと」という気持ちはあって、プレッシャーもありました。でも「誇れ」の次に相応しい曲ができたと思っています。

――タイトルは今まで書き下ろしたサポートソングのなかで最も直球で力強い言葉なのが印象的でした。

 自分の人生や音楽活動を通じて「言霊」を信じたいなと特に最近思っていて。病気になったときにたくさんの人から励ましの言葉をいただいて、それが本当にパワーになった。言葉の力を痛感したんです。“頂点”はスポーツにおいて“優勝”なので、この言葉を使うのは勇気が要ることではあるんです。だけど2024年にグランパスがYBCルヴァンカップで優勝して、今年は皆さんリーグ戦での優勝を望んでいるし、3冠獲得も期待している。今の自分たちだから言い切る覚悟を持てたと思っています。

――ここまで書けたのも、きっといまQaijffが「諦めたくない」とメラメラしているからかもしれません。

 それもありますね。やっぱりわたしたちは現状に満足していないんです。自分たちの思うがままに音楽をやれる環境を作れているからこそ、もっとバンドを広げていきたいし、もっと多くの人に聴いてもらいたいと強く願っていて。「掴まえろ頂点を」には自分たちとしてもどんどんチャレンジしていきたいという思いを込めました。最初のほうにも話したとおり「諦めたほうが幸せなこともあるんじゃないか」とも思うんです。でも自分に関してはまだまだ全然諦めたくないし、叶えたいと思っている自分がいるんですよね。だったらチャレンジし続けるべきなんじゃないかなって。

――そうですね。まだ叶えていない夢がいくつもあって、それを諦めたくなくて続けているという人は、この世にたくさんいると思います。

 チャレンジし続けるのは苦しいけど、叶えられる可能性はゼロではないし、もしその時が訪れたらめちゃくちゃ最高だなと思うんですよね。理想の自分をイメージして前向きに走る。やっぱりアスリートやサッカー選手のインタビューを読んでいると、皆さんめちゃくちゃ前向きなんですよ。ミュージシャンや芸術家にとってはネガティブな面も大事な感性のひとつだけど、アスリートの皆さんは落ち込んだり苦しい瞬間にどうメンタルをコントロールするかが重要なんだろうなと思うんです。内田も、小学校から高校まで名古屋グランパスのユースチームに所属していたからなのか、すごくポジティブ思考で。

――確かに内田さんは強さと優しさを併せ持った方ですよね。落ち着いていらっしゃいますし。

 プロサッカー選手を目指して所属していたのに、高校2年でバンドがやりたくて辞めて……ほんとバンドマンというよりアスリートだなと感じます。わたしも最近はネガティブになりそうなときに「こんな苦しい時期を超えて、その先でこれが叶ったらかっこよくない!?」と思うようにしていますね。2025年になってから今のところメンタルコントロールは成功しています。

――Qaijffが前を進んでこれた理由が腑に落ちました。ここからさらにいろんなチャレンジをしていくQaijffが観られると思うと、とても勇気づけられます。

 まだまだ体験していないことがたくさんあるし、そういうことにずっとチャレンジしていきたいんですよね。ずっと同じことを繰り返していると、続けるのも苦しくなっていく気がする。セルフで動いているからこそ、チャレンジをやめたらいけないよなと思っていますね。

Qaijff2502_5

 

◆Release Information
Qaijff2502_4Digital Single「掴まえろ頂点を」
2025.2.22 on sale
Jリーグ名古屋グランパス2025シーズンオフィシャルサポートソング
Listen https://linkco.re/1h63e20y

Qaijff2502_3Digital Single「されども人間」
2025.02.21 digital release
舞台「転校生AH」主題歌
Listen https://linkco.re/aBnTv2B4

◆Live Information
2025.03.20(木・祝) LUPINUS ROCK FESTIVAL 2025
@下北沢12会場
OPEN 11:30 START 12:00

2025.04.11(金) Zeela presents. PASSIONISTA
@大阪 梅田Zeela
[ACT] 草野華余子 / Qaijff / そこに鳴る
OPEN 18:00 START 18:30

2025.04.28(月) NUMASHO Presents「sfz∧」
@東京 新代田FEVER
[GUEST] Awkmiu / Qaijff
OPEN 18:30 START 19:00
※全券種タンバリン付き
※各アーティストにパーカッショニストぬましょう参加、オーディエンスがタンバリン参加で作り上げる参加型エンターテイメント

2025.05.03(土) Qaijff ONE-MAN LIVE 2025「掴まえろ頂点を」
@名古屋 CLUB QUATTRO
OPEN 17:30 START 18:00

2025.06.13(金) NUMASHO Presents「sfz∧」
@大阪 OSAKA MUSE
[GUEST] Awkmiu / Qaijff
OPEN 18:30 START 19:00
※全券種タンバリン付き
※各アーティストにパーカッショニストぬましょう参加、オーディエンスがタンバリン参加で作り上げる参加型エンターテイメント

◆Streaming

◆More Information
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