等身大をさらけ出すリリィ、さよなら。の攻勢――成長を続ける楽曲たち

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◆ライヴに来てくれる人たちのためにちゃんと歌おうと思った

――【フラッシュバック】や【時間よ止まれ】だけでなく、M-3【未送信のラブソング】など今作はライヴでおなじみの曲も多いので、ファンの方々には待望の音源化という曲も多いですよね。

もともとYouTubeに公開してた【未送信~】はピアノ弾き語りでもっとずっとバラード調だったんですけど、僕のなかに最初からずっとサビでひずんだギターを入れたいというイメージがあったんです。それが今回ようやくかたちになって。

l-91――今作のアレンジはヒロキさんの世界観とがっちりタッグが組めてるなとも思って。ヒロキさんの感情の起伏を音で出してる気がする。

すごいんですよ。アレンジャーの池窪浩一さんはほんとプロ中のプロですし、チームのグルーヴは格段に上がってます。前作は楽曲のさわりや僕のパッと見のキャラクターに合うような、綺麗にまとまったサウンドになってたんですけど……こいつはそんなやつじゃないと池窪さんもお気づきになったんでしょうね(笑)。やっぱり前作は名刺代わりだったので、ちゃんと世界を作り上げるような作品だったんですけど、今回はガンガン攻めました。池窪さんも「やったれやったれ、もっとやったれ!」みたいな感じで(笑)。いろんな聴き方ができるヴァリエーションに富んだアルバムだと思うので自由に楽しんでいただけたらなと思います。

――ヒロキさんはストックが多い印象があるんですけど、いまはいかがですか?

こんなこと言っていいのかわからないんですけど、実はデビューしてからめっきり曲を書かなくなっちゃって……。作ったのも今回入ってる【美女も野獣】くらいなんです。急に「音楽は仕事だ」と思ったら、ちょっと音楽が嫌になっちゃって……。音楽自体は好きなんですけど、ちょっと疲れてるのかもしれない。僕ライヴの本数が少ないとたくさん曲を書けるんですよ。ライヴが増えれば増えるほど音楽が嫌いになっていくんです……。ライヴが立て込むと神経がすり減っちゃって。それは俺が気付かないうちにライヴで音楽的な要素をものすごくアウトプットしてるんじゃないかなと思うんですよね。だからライヴがたくさんあるとあんまり曲が書けなくなるのかも。

――音楽的なところもそうですし精神的なところも、という気がします。全部を出し切っているのでは。

そうかもしれないですね……。デビュー以降、表に立つ機会が増えて“シンガー”として活動する機会が増えたので、むかしみたいに曲を書かなくなっちゃった。次回作の話も出ているので、そろそろ書き出します。思っていることは相変わらずたくさんあるので、1回落ち着いて腰をすえて楽曲が書けたらなと。曲作りの合宿にいきたいですね。熊本に1週間くらい帰りたいですね……。

――ワンマンライヴも会場が大きいですしね。キャパシティ的には結構な飛び級です。

そうなんですよー! 本当ですよ! コケても知らないからね、俺のせいじゃないですからね!!(笑) いや、でも俺ももちろんがんばりますけどね!? がんばりますけど!! もうー……。春も初ワンマンということもあって、ものすごくナーバスになったんですけど……。心って一生不安ですね。ライヴの前もナーバスになるし、リリース前後も「これが売れなかったら俺もう引退しよう」といつも思うし。こういうことをやっている限り俺に安息の日は来ないだろうなと思います。一生不安です。全部終わったらどこに行こうか……といつも考えています。とりあえずワンマン終わったらどこか行きます。

l-90――ヒロキさんは都会でないとやっていけない個性の持ち主だけど、ずっと都会にいると滅入ってしまうメンタルの持ち主だと思いますしね。ワンマンは大丈夫そうですか?

ワンマンはがんばります。最近ようやく腹をくくれてきたんです。やっぱりTwitterや公式LINEとかでいろんなメッセージを頂ける機会も増えてきて、仕事や学校を休んでわざわざ遠方からワンマンやインストアに行きますと言ってくれる子とかもいて。僕がどんなに疲れていても歌いたくなくても悲しくてもボロボロでも、それを楽しみに来てくれる子たちがいるんだなということにようやく気付いて。

――ええっ!? 気付くの遅い!(笑)

ええーっ!?(笑) 実はこれまであんまりそういう声が届いてなかったんですよ。ダイレクトに届くメッセージやファンレターを見て……がんばんなきゃーって。自分のために歌っていたのが、来てくれる人たちのためにちゃんと歌おうと思ったのがここ半年くらいで僕がいちばん成長した点じゃないかなと。僕が調子が悪くても、そのライヴしか来れない子はいるじゃないですか。だからできる限り安定したライヴ・パフォーマンスを毎回毎回……「これがだめだったら死ぬ」と思うくらいの勢いで、それくらい必死にお客様のために歌っていけたらいいな、という気持ちはもちろんワンマンでもあります!

――いつかファンの方々に向けた曲が作れるかもしれませんね。

そうですね。そこまで成長できたら、またアーティストとしてひと皮剥けるんじゃないかなと思いますね。実はこの前「母」の歌を書いて。歌詞だけ公開したら関係者さんやリスナーさんに絶賛の声を頂いて。20年以上ずっと一緒に暮らしていたんですけど、ようやく最近母親や家族の歌も書けるようになってきて。それが10代や今まではできなかった。少しずつ成長してきたんじゃないかなと思います。僕の成長とともに生まれる曲も成長していくというのは等身大で詞を書いている僕だからこそ。そういう変化をファンの人たちにも伝わってるんじゃないかな……。リリースして2日ですけど、「1stと全然違う」「もっとこじらせてる」「もっとえげつない」とかいろんなメッセージを頂いているので(笑)。今後も出していけるなら、変化を楽しんでいただけるアーティストでいたいですね。

 


【リリィ、さよなら。】2ndミニアルバム『ハッピーエンドで会いましょう』クロスフェード

 

◆Disc Information◆

リリィ、さよなら。『ハッピーエンドで会いましょう』
VMAN-004 定価¥1,500(税別)
Track List
1.フラッシュバック
2.美女も野獣
3.未送信のラブソング
4.時間よとまれ
5.君がいなくなっても
6.恋愛進化論
Amazon:リリィ、さよなら。/ハッピーエンドで会いましょう

◆Live Information◆
リリィ、さよなら。レコ発ワンマン~ハッピーエンドで会いましょう~
11月12日(木)OPEN18:30 / START19:00
SHIBUYA duo MUSIC EXCHANGE
前売り ¥3,000 / 当日 ¥3,500 (1DRINK代 別途必要)

プレイガイド:
チケットぴあ tel.0570-02-9999 http://t.pia.jp/
ローソンチケット http://l-tike.com/
イープラス http://eplus.jp/
問合せ:
HOT STUFF PROMOTION tel.03-5720-9999

オフィシャルサイト:http://lilysayonara.com/
ミニアルバム特設サイト:http://lilysayonara2nd.tumblr.com/

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