横浜発・異ジャンル同世代4バンド、身内ノリを飛び越えた結束――SMDRフロントマン座談会
◆3回目を迎えることで、点だけだったものが線になってきた感覚がある
――4人ともSMDRの解釈が少しずつ違って、歩み寄るところと自分を曲げないところの両方が存在しているのが、馴れ合いにならない理由のひとつなのかなと、お話を伺っていて思いました。
金木 「SMDR vol.2」の前、saitaはあまりバンド活動がうまくいっていなくて、解散を前提に活動していたんです。でもSMDRをやったり、Made in Me.と遠征に行ったりしていくうちに、バンド同士の仲間意識が生まれてバンド内で解散というワードが出なくなってきて。バンドが続いてる理由のひとつに、SMDRはなっているのかも。でももしバンド以外のことをやりたくなったら、SMDRではライヴじゃないことで参加しようかな。マッサージとか（笑）。
彦 saitaの“S”じゃなくて整体の“S”で参加するんだ（笑）。
知弥 バンド活動をするうえでこいつらの存在が心の支えになっているとかではないけど（笑）、全員仲間という意識はあって、もう当たり前の存在だったりするんですよね。SMDRは今年も来たか、みたいな感じ。夏が来るのと同じ。ただその節目節目で気付かされることはあるから、それでいいのかなと思います。彦が立ち上げることは何かしら面白いし、信頼があるんですよね。SMDRは彦が蒔いてくれた種に俺らが水を上げる感覚。部下には部下のやれることがあるから。
秀星 彦のアイディアは最初「何言ってるんだ？」と思うこともあるんですけど、やってみると「ああ、こいつが見ていたのはこういうことだったのか」と気付く。俺も彦は信用しているし。
彦 誰かが言い出したことに乗っかる最初のひとりって、すごく勇気が要ると思うんですよ。でもその最初のひとりの存在が、火を広げていくと思うんですよね。だからアイディアを出す人間にとっては、「それ面白いじゃん」と言ってくれる人が大事。
知弥 だからそれぞれが得意なことを持ち寄ってる感じでもあるんですよね。彦は第一人者になるのが好きだし、俺らはそれに対してアイディアをぽんぽん出すのが好きだし。だから回っているんだと思います。お互いが有名になって「SMDRって企画があるらしいよ、なんで横浜のバンドが町田でやってるんだろう？」と思われたとき、「俺らの歴史を紐解いてみたら面白いぜ」と言えたら最高だなと思いますね。
彦 俺個人としては、SMDRは自分たち発信だけでなく、周りの人も盛り上がってほしいんですよ。この取材もその一環だし、「こういうことやってみようよ」や「これはこんな感じだね」みたいに外からの声が増えていけばうれしいですね。今回3回目を迎えることで、点だけだったものが線になってきた感覚があって。「見逃したくない！」と思ってもらえるものになったらなと思うし、そういうものになってきていると思いますね。
――SMDRだけでなく、今後の個々のバンドの活動にも注目しています。
金木 僕は音楽を作るうえで歌詞を大事にしていて。どんどん歌っていることや考えていることも変わってきているので、その時その時の感情や言葉を乗せていきたい。背伸びをせず日記みたいなことが書けたらいいなと思います。先のことはそれほど考えていないので、日々生きていくなかで“いまやりたいこと”をやっていきたいですね。
知弥 俺もそうかな。やりたくないことをやると、やりたいことへのモチベーションも下がっちゃうから、いまやりたいことしかやりたくない。あと俺は“勝ち”だけじゃなくて“勝ち方”にもこだわりたい。いまも昔もこれからも、やりたいことだけをやって、作りたい曲だけを作って、CDを出したいタイミングで出していきます。それを続けて、のちのち数字がついてきたら万々歳。自分のやり方を通していきたいですね。
秀星 ROARは2018年から“RiL”として新しく組み替えようと思っていて、現段階でも俺のなかではある程度ヴィジョンが見えているところなんです。音で世界を作っていくという音楽的にはそんなに変わらないと思うんですけど、アートワークとかは一新していきたくて。これまで積み上げてきたものを使って新しいスタートが切れるかなと思います。海外にも攻めるし……これからも自分の感性をフルに使っていくのではないでしょうか。
彦 “ないでしょうか”って（笑）。
秀星 めちゃくちゃ面白くなると思われます（笑）。音楽は英語が喋れなくても外国の人とつながれるコミュニケーションだしコンテンツだとも思うので、日本と海外の違いなんて関係なく自分のいいと思うものを作れたらと思いますね。
彦 俺からすると秀星のこの考え方は外国かぶれなんですよ（笑）。でもそういうエッセンスから得られるものはすごく大きくて。この4組はお互い相容れない部分や、曲げない姿勢がちゃんとある。だから刺激を受け合える関係性ではあるんですよね。
秀星 うん。間違いない。
彦 俺は器用貧乏だから、やろうと思えばなんでもできちゃう。だから活動初期は流行りの歌ものロックを作っていて。でもSMDRをやるようになって、こいつらみたいな曲がらないバンドたちの影響で「自分らしい音楽をやりたいな」「ほかのバンドと同じようなことをやってもしょうがないな」と思うようになったんです。俺は吹奏楽部出身なのもあって音のイメージがでかいから、フィーチャリングを意識した動きをしていきたい。あと、うちはメンバー3人とも歌うことが好きなので、そういうところに向かっていきたいですね。自分を曲げずに自分の世界観を突き詰めて、それと呼応するメンバーと新しい次元を作るバンドにしていきたいです。
Made in Me. – 19hours (Music Video)
RiL（ROAR） – Loser (I need you baby)
◆SMDR Information
「SMDR vol.3 大阪冬の陣」
2017年12月19日（火）梅田Zeela
OPEN/START 17:00/17:30
ADV/DOOR ￥2000/￥2500（＋D代）
act : saita、Made in Me.、DETOX、RiL（ROAR）、箱田秀和、DAM、KAR、ワダアツシ
「SMDR vol.3」
2018年1月27日（土）町田Nutty’s
OPEN/START 17:30/18:00
ADV/DOOR ￥2000/￥2300（＋D代）
act : saita、Made in Me.、DETOX、RiL（ROAR）、箱田秀和
チケット予約方法
saita、Made in Me.、DETOX、RiL（ROAR）の公式Twitterアカウントなどで受付中。 『日付、ナマエカタカナフルネーム、チケット枚数』をご記載のうえ、DM or リプライをお送りください
◆More Information
SMDR：https://twitter.com/smdr_band
saita：https://saita0621.jimdo.com/
Made in Me.：http://www.madeinme.info/
DETOX：https://twitter.com/Detox_JP
RiL（ROAR）：https://ril-band.jimdo.com/
