1曲1曲大切に届けたい ――miidaが作るライフワークとしての音楽
◆「音楽をちゃんと楽しむために、まず日々の生活を一番に置こう」と思うようになってからすごく救われて、それを音楽に還元できるようにもなった
――瑞紀さんは今年の9月に「音楽よりも大事なことがあるから音楽を楽しめている」とツイートしてらっしゃいましたよね。「いつでもやめられることも含めて気持ちの拠り所になっている」と。すごく印象的なツイートでした。
沙田 miidaとして動き出してから、本当にライフワークに近づいていることを実感していて。自分は結婚もしていて、守るものもある。そういう状況で、今は音楽が仕事ではなく、純粋に楽しいものになっているんです。……自分にとって、日々の生活というものは すごく大事なんです。仕事を優先しすぎて身を壊してしまう、人生のリズムが崩れてしまう人はたくさんいると思うんです。
――そうですね。
沙田 「音楽をちゃんと楽しむために、まず日々の生活を大事にしよう」と思うようになってからすごく救われて、それを音楽に還元できるようにもなりました。生活に循環するものとして音楽が組み込まれて、ナチュラルに楽曲も作れるようになったし、自分が大事にしたい生活という部分も整ってきました。「このやり方が自分には合ってるんだろうな」というのを、一個ずつ積み上げている最中ですね。音楽にしがみつく生活ではないやり方を見つけたいという思いもあって、「ライフワーク」と表現させてもらっています。
――大勢のスタッフさんがついてくれていて、みんなの生活がかかっているなかでの活動。わたしでは想像もできないほどの責任やプレッシャーがあったのだろうなと。
沙田 大事にしたいものが多くて、それを守っていくとなると……そうですね。みんなの気持ちを背負って、みんなが幸せになるにはどうしたらいいか? と考えながら活動をしていたので、かなり追い込んでいたところはあったかもしれません。
――ねごとはそういう状況で、「どうやって音楽を楽しもうかな?」と工夫を凝らしてクリエイティブな活動ができたんですね。miidaの活動のイメージはどんなふうに考えていったんですか?
沙田 ちょっと我儘だけど、「楽しい」という気持ちをいちばん感じていたくて、そのためにいちばんミニマムなかたちで音楽を続けることを考えました。ひとりで歌うのがいちばんミニマムだけど、ライヴはひとりではできないし、ライヴをやるとなると生ドラムはいちばん必要なピースだと思って。そしたら最初にsugawaraさんが浮かんで、それ以外の人は浮かばなかったんです。
――フリーランスでweb関係のお仕事をしながら音楽をやってらっしゃるsugawaraさんは、「ライフワークとしての音楽」という概念に近い存在ですし、ドラマーさんですし、申し分ないですね。
沙田 うん、本当にそうですね。ちょっと照れくさいところはありますけど(笑)。
sugawara (笑)。僕は大学を卒業してからすぐ働き出して、それと並行させて音楽を続けてきて。今もそれがずっと続いている感じですね。サラリーマンの頃に比べると、今はだいぶ融通の利く環境にはなってきてるかなあと。
――でも4つも掛け持ちしている人は専業ミュージシャンでもなかなかいないので、お仕事しながら4アーティストで活動しているsugawaraさんどうなってるんだろうと思いました(笑)。
沙田 タフですよね(笑)。
sugawara web業界も学生時代からずっと興味があったので、仕事もバンドも楽しみながらできていますね。
――ラジオに出演なさったり、イベントや対バンの出演も多いので、おふたりの音楽のキャリアと信頼があって、miidaが活動できているんだなと思います。
沙田 積み上げてきたものは自分で崩さない限りは崩れないので、今の自分の糧になっています。ラジオのアポを取るときに「遊びにおいでよ!」と言ってもらえるのは、自分の今までに積み上げてきたものがあったからなのかなと思うので、一つひとつに感謝しながら、大事にしていきたいです。
>> 第1弾配信シングル『grapefruit moon』に込めた想いは「心の拠り所」