PEOPLE 1 【東京】
PEOPLE 1 “東京” （Official Video）
読者さんやアーティストさんからおすすめしていただいたMVを毎日紹介する「紹介されたMV紹介チャレンジ」DAY24は、しょ～さんからおすすめしていただいたPEOPLE 1による2020年3月公開のMVです。監督は皆様ズパラダイスさん。
PEOPLE 1は2019年末に活動開始した日本のバンド。何人編成なのかもメンバーの名前もわからず、ほとんどデータが出ていないのですが、InstagramやYouTubeの広告などでじわじわと早耳のリスナーを虜にしています。SpotifyのクレジットにはDeuさんというお名前がありました。王冠をかぶって首にタンバリンをぶらさげてうなだれるわんちゃんがバンドのマスコットのようです。
【東京】は2019年12月にリリースされたミニアルバム『大衆音楽』に収録。MVにはモデルの葵 うみさんとデザイナーのYUTO MOTOKIさんが出演なさっていて、皆様ズパラダイスさんは同作についてこのようにツイートしてらっしゃいます。
PEOPLE1の「東京」MV撮りました！
田舎じゃないけど都会でもない地方都市の少年にとって、東京とは「ここから連れ出してくれる何か」だったと思い出し、夜ふかしのお姉さんに仮託させて貰いました
現行インディの美味しいところと邦ロックの強靭なメロを組み合わせたキラーチューン是非ご堪能下さい https://t.co/iXil4w3md2
— 皆様ズパラダイス (@minasamazu) 2020年3月10日
8ミリカメラ的な画質の映像がまず捉えるのは、MOTOKIさん演じる東京で一人暮らしをする若い男子。深夜のコンビニに買い物へ行き、外のベンチでコーヒーを飲もうとすると、そこには葵さん演じる煙草を嗜む東京の垢ぬけたお姉さんが座っています。なんとなく目が合って、お互いの存在を意識したかと思いきや、ひょんなことからそのお姉さんはその男子の手を取り、夜の東京の住宅街を駆け抜ける――なんて青春！！ こんな青春！！！ 味わってみたい！！！ 今というほうき星を君とふたりで追いかけるのと同じレベルで味わってみたい！！！！！ 雨上がりの夜というシチュエーションがサビの歌詞の《低い屋根の下で雨を凌ぐ》とかするところも小粋です。
そのあとふたりは仲良くなって可愛い夜遊びをする仲になるんだけど、ちょっとした弾みで気まずい空気になってしまいます。男の子がいつものコンビニに行ってみるも彼女の姿はなく、ふたりで走った夜の道を彼がひとりで駆け抜けていくという……これもまた青春ですね！！ 雨で濡れた地面の上に寝転がって、彼女との時間を思い出すシーンも胸にこみあげてくるものがあります。夜の東京って魅惑的ですよね。夜中に遊んだ思い出って、今もなんだかちょっと特別な記憶と経験になってる気がします。ちょっとした背徳感やスリルを感じるからなのかな。
ポップなインディーロックサウンドに耳馴染みのいいメロディはちょっとセンチメンタルで、歌詞には《消えない街の灯りが こんなにも惨めにさせるのか》など切々とした想いが描かれています。でもそんな気持ちをネガティヴではなく《不思議な気分だな》という言葉に着地させるところに、「東京という街は悪いことだけではない」と伝えてくれてるような気がしました。
新型コロナウイルスの影響で東京から出られず、家にひとりでいる方々もいまの時期多いかと思います。この曲とこのMVが、もしかしたらそんな人たちの心をふっと軽くしてくれるかもしれません。MVはどんな結末が待ち受けているのか、ぜひその目で確かめてみてください。PEOPLE 1の『大衆音楽』も全曲短尺ながらもジャンルにとらわれていないヴァラエティに富んだ楽曲群。バンドの今後の動向にも注目です。しょ～さん、おすすめありがとうございました！（沖 さやこ）
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