ONE TONGUE MAGAZINE 2021
年末年始振り返り企画~
ONE TONGUE MAGAZINE 2021
皆様、年末年始をエンジョイしていらっしゃいますか? 2021年も新型コロナウイルス感染症に振り回される1年となりました。まだまだ油断できない状況であり不安定な日々が続いておりますが、やはりどんなときも大事なのは第一に健康。引き続き三密を避けたり、正しくマスクを着用したりと、思いやりを大切に過ごしたいものです。
そんな感じで年またぎ恒例、ワンタンマガジンの1年間を振り返る特集記事「ONE TONGUE MAGAZINE 2021」のお時間でございます。12月27日に取材納め、28日にライブ納めだったので当初は12月30日あたりにアップするつもりだったのですが、わたしが完全に燃え尽き症候群になってしまったため三が日の最終日の公開となってしまいました。今日でお休みが終わる方も、まだお休みが続く方も、この機会にぜひ過去記事もお読みいただけますと至極幸いでございます。
まず2021年のファーストトピックは、エッセイ『就職できなかったフリーランスライターの日常』の書籍化! 2018年からワンタンマガジンで不定期連載をしていた「しょくふに」を自分で印刷所に入稿して販売するという自己出版本です。BASEのOTMG OFFICIAL SHOPやわたくしの母のお店などでご購入いただけます。売上金はすべてワンタンマガジンの運営費としてありがたく使用いたします。2022年1月現在、29冊お買い求めいただきました。本当にありがとうございます! 本格的な文庫本に仕上がりました&在庫が100冊ほどありますので、まだまだご購入お待ちしております!! ライター10周年記念に自作した処女作、ぜひお手に取っていただきたい!!
と、いきなりセールストーク大変失礼いたしました。いいものができたので、手に取っていただきたくてつい……。「しょくふに」は書籍化にともない連載終了。身の上話コラムは装い新たに「長距離移動するフリーランスライターの光陰」として不定期連載をしています。2021年中は4回更新しましたので、2022年は隔月くらいのペースで掲載できるのが理想です。
2021年の前半はディスクレビューを多めに。with onlineさんにてインタビューさせていただいたindigo la Endの『夜行秘密』、若手オルタナシーンの期待の星であるw.o.d.の『LIFE IS TOO LONG』、2020年にはワンタンマガジンもインタビューでお世話になったココロオークションのシングル『魔法みたいな / Tegami』『スーパームーン / Together』と、長文で主観丸出しで書いてみました。わたしにとってのレビューの理想形は、アーティストの思惑を推測することでも、リスナーさんからの共感を得るものでもなく、読んだ方を「その発想はなかったわ」と唸らせることができるもの。そういう意味でもレビューは難しいんですよね。2021年の前半はライターのお仕事がヒマだったので(笑)、じっくり作品に向き合ってレビューを書きました。
そして暖かめの季節ではコンスタントにインタビュー記事を更新。2021年最初のインタビューのお相手は、復活を果たした未完成VS新世界の、フロントマンである澤田健太郎さんでした。未完成VS新世界はCLUB Queでボランティアライブレポートをやっていた時や、Quip Magazineでレポートを書いたりしていた時、10年くらい前によく観ていたバンドです。ぐんぐん駆け上がっていく姿をリアルタイムで知っていたので取材をするのは不思議な感覚でした。貴重な機会をいただきました。これまでのことを振り返っていただきながら、復活に至った経緯、新しい音源を制作した心境を伺っています。indigo la Endのベーシスト・後鳥亮介さんの話題も出てくるのでindigo la Endファンの方もぜひチェックしてみてくださいね。
ブリキオーケストラも2021年夏に久し振りに新作音源『THE WORLD IS MINE』をリリース。初の全国流通盤『HAPPY’S END』をリリースなさった時にQuip Magazineでインタビューをさせていただいたご縁で、ギターボーカルの多田羅幸宏さんのインタビュー取材が実現しました。ずっと続いていく縁も素晴らしいけれど、「再会」にはちょっとばかし運命を感じてしまうのはわたしだけでしょうか。離れてしまったとしても、つながる縁はまたつながるものなんだろうなと、多田羅さんのお話を聞きながらあらためて噛みしめました。自分が心地よいと感じるいい音楽を作りたい、いい音楽ができたからみんなに聴いてもらいたい――そんな純粋な気持ちが根幹にある音楽は聴いていてとても清々しく、心にじんわりとあたたかく染み入ります。
FLiPのSACHIKOさんとも5、6年振りの再会でした。SACHIKOさんには何年も前からワンタンマガジンでインタビューのオファーをしたいなあともじもじしておりまして、楽曲提供のニュースを見ているなかでタイミングを窺がっていたところSACHIKOさんが初の個人名義楽曲「little star」を発表なさって、これはいくしかない!!と勢いまかせにオファーをしました。笑 SACHIKOさんはどんなふうに音楽と付き合っているのかにフォーカスしながらお話をお聞きしました。ワンタンマガジンらしいテーマのインタビューになったと思います。アンザイミキさんに撮っていただいたお写真も、陰を纏いながらも爽やかさとやわらかさを兼ね揃えるSACHIKOさんのムードを引き出してくださっています。
秋には去年に引き続きガストバーナーにインタビュー。リモートでのインタビューだったのもあり、わたしが撮影に立ち会えない関係で、スタジオの様子をメンバーさん同士で撮っていただいたスナップ写真で記事ページを構成しました。前回インタビューをさせていただいてから1年、さらに結束を強めてスーパー仲よしバンドになっていたので、メイン写真はその空気を出すために自撮りでお願いできないかと頼みました。そしたら想像以上の自撮りが届きました。笑 この1枚でバンドの空気感やメンバーの関係性がわかるところが面白いですよね。インタビューもリモートとは思えない会話のグルーヴが出来上がっていて、インタビュアーもラクさせてもろてます。今年ニューアルバムをリリースすることも発表しているガストバーナー、今後も活動に注目です!
ワンタンマガジンがコラボコーナーを持っていたMID-FM761の生放送番組「Groovy Saturday」から生まれた音楽コンテスト「Teens Beat Champ」。その初代チャンピオンであるシンガーソングライター・Katie Fordさんのインタビューも掲載しました。名刺代わりの記事になればと思い、彼女の生い立ちや音楽の目覚め、ポリシーなどを語っていただいた記事に仕上げています。Katieさんはかなり個性的なバックグラウンドやバイオグラフィをお持ちで、その度胸に感心&リスペクトです。ワンタンマガジンはバンドさんの記事が多いので、シンガソングライターさんのインタビューを掲載できたことで広がりも生まれたのではないかと思っております。
さらにコラム記事も力を入れました。気軽に更新できることをコンセプトにしたMV WatcherもMVだけでなくMV曲が収録されている作品にもフォーカスしたりなど、なかなか読み応えのあるコンテンツになったのではないでしょうか。Arakezuri、とがる、夜に駆けるといった新進気鋭バンド勢や、Cingというニュープロジェクトなど、フレッシュなアーティストをピックアップしました。この記事をきっかけに楽曲や作品へ触れていただいたらうれしく思います。
コロナ禍でありながら9月から4ヶ月連続で企画ライブを行ったThe;Cutleryの特集も気合い入れて書きました。原稿の頭にフックを作りたくて導入を工夫しつつ、バンドの紹介をしてその企画ライブの特性や第1回目のライブについて触れる内容。「読み物」を書く脳みそをフル回転させております。コラム、レビュー、ライブレポートの概念をごちゃまぜにした感じかも。10月の公演は現地で観ることができ、それ以外の公演は配信映像をチェックしましたので、2022年ではさらに彼らにフィーチャーした記事が作れたらいいなと企てております。どうぞお楽しみに!
不定期掲載のアーティスト連載・miida沙田瑞紀さんによる「呪縛とさようなら」も6月に更新されました! 原稿が届くタイミングは瑞紀さんにお任せなので、いつ次回作が届くかなあと読者さんと同じようにわたしも楽しみにしています。瑞紀さんの文章はふんわりしつつも鋭さがあって、瑞紀さんのお作りなる音楽に宿るムードと通ずる部分があるなあと思います。2021年に届いたじゅばくエピソードもなかなかパンチがありますので、ぜひ覗いてみてくださいね。
9月にワンタンマガジンがコラボコーナーを持っていたMID-FM761の生放送番組「Groovy Saturday」が放送終了し、準じて2020年にスタートしたコラボコーナーも全11回で終了いたしました。この1年1ヶ月でご協力いただいた皆様、お聞きいただいた皆様、本当にありがとうございます! 音声コンテンツには興味がありますので、時間は掛かるかもしれませんがワンタンマガジンでも自分なりにやり方を模索しております。
2022年も新しいアーティスト連載やインタビュー掲載などが決まっておりますので、マイペースではありますが今後もいい記事を載せるべく尽力していきたい所存です。就職できなかったわたくしも11年半プロの世界でライターをやってきましたので、プロのライターからインタビューを受けてみたいという若いアーティストの皆様、自分なりのやり方で自分なりの音楽を誇り高く発信し続けているわたしの同世代(30代)の皆様、ワンタンマガジンで力になれることがありましたらご連絡くださいませ。
最後にこちらも恒例の2021年のアクセスランキングを掲載いたします。2022年もどうぞよろしくお願いいたします!(沖 さやこ)
//////// ◤ 2021年アクセスランキングTOP5 ◢ ////////
◆第1位(2018.3.26 up)
流行に乗るよりは生み出したい――現在のバンドシーンに違和感を覚えるMade in Me.の“なるべくしてなる”論
◆第2位(2020.4.15 up)
黒猫チェルシー休止から1年半――澤 竜次が開拓するミュージシャンとしての居場所
◆第3位(2021.5.17 up)
未完成VS新世界・澤田健太郎、七転八倒のバンド人生が導いた「リスナーに届けたい気持ち」
◆第4位(2020.9.25 up)
十年選手の初期衝動――ガストバーナーがオルタナ×歌謡メロで体現する幸福論とは(後編)
◆第5位(2021.9.3 up)
90sの洋楽をルーツに持つZ世代SSW・Katie Fordが目指す「自分らしい音楽」
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